色彩検定の難易度・合格率は?一発合格する勉強方法もご紹介
ファッションやインテリアなど、さまざまな業界で役立つ知識を問う試験が色彩検定です。就職や転職活動でもアピールできる資格なので、スムーズに合格を目指したいところです。この記事では、色彩検定の難易度や合格率、効率的な勉強方法などを解説していきます。
目次
色彩検定の難易度は?難しい試験なの?
そもそも色彩検定は1~3級とUC級の4つにレベルが分かれています。
このうち、もっとも難易度が高いのは1級の試験です。
1級は仕事で使う専門的な知識を問われるうえ、試験時には実技も見られるからです。
筆記試験も1級が1次:80分、2次:90分で、2級の70分、3級の60分、UC級の60分と比べて長くなっています。
試験では、2、3級の内容を踏まえながら、より掘り下げた問いが出題されることも特徴です。
一方、2、3級やUC級は1級よりは難しくないといえます。
たとえば、3級の試験内容は色彩の初心者向けであり、基本的な事項しか試験では出題されません。
2級試験は3級の内容に加え、実務に関する部分が多くなっています。
それでも、専門性の高い問題はあまり多くありません。
そして、1~3級に加えて新設されたUC級では、「色のユニバーサルデザイン」についての知識を問われます。
UC級は4つのレベルの中でもっとも設立が新しく、難易度も低いクラスです。
合格ラインは何点?
基本的に全ての級の合格ラインは「満点の70%前後」です。
ただし、試験の難易度はその年によって異なります。
あくまでも70%とは目安であり、絶対的な基準ではありません。
過去問題で70%以上正解していたとしても安心せず、入念に勉強を続けることが大事です。
色彩検定1級について
色彩検定1級は、さまざまな業界で生かせる知識・技能を問われる資格です。
難易度・合格率
2021年から3年間3回の色彩検定1級試験の平均合格率は約47.5%です。
受験した人の2人に1人程度は合格している計算となりますが、色彩に関する幅広い知識を十分に備えていなければなりません。
実施年 | 志願者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2021年 | 2,302 | 1,213 | 52.7% |
2020年 | 1,426 | 642 | 45.0% |
2019年 | 1,651 | 738 | 44.7% |
2018年 | 1,656 | 710 | 42.9% |
2017年 | 1,689 | 601 | 35.6% |
2016年 | 1,803 | 537 | 29.8% |
2015年 | 1,835 | 510 | 31.9% |
取得するメリット
色彩検定1級を取得できれば、ファッション・インテリア・広告業界などを中心に転職や採用時、独立時に実力をアピールできる点がメリットといえるでしょう。
勉強方法
色彩検定の試験問題は公式テキストに沿った内容となっているため、公式テキストでの学習は必須です。
1級検定合格には、1日2時間ほど勉強するとして、2か月~3か月程度、合計150時間以上はかかることを想定しておきましょう。
色彩検定2級について
色彩検定2級は、メディア・景観・照明に関する色彩知識にまで範囲が及びます。
難易度・合格率
色彩検定3級の基本的知識がレベルアップする試験が色彩検定2級です。
2021年から3年間3回の色彩検定2級試験の平均合格率は74.3%と、比較的合格しやすい水準となっています。
実施年 | 志願者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2021年 | 18,886 | 14,712 | 77.9% |
2020年 | 9,466 | 7,345 | 77.6% |
2019年 | 12,666 | 8,537 | 67.4% |
2018年 | 11,631 | 7,839 | 67.4% |
2017年 | 11,182 | 7,257 | 64.9% |
2016年 | 12,161 | 6,993 | 62.8% |
2015年 | 12,270 | 7,435 | 66.2% |
取得するメリット
色彩検定2級は、実務レベルで求められる色彩知識を身につける必要があるため、ファッション業界を始めとしたさまざまな業種の現場で役立つ点がメリットといえるでしょう。
勉強方法
色彩検定協会の公式テキスト2級・3級編を使うことをおすすめします。
テキストの通し勉強を通じて、内容を暗記していくのが合格への近道です。
3級の基礎知識が身についていれば、2級合格に必要な勉強時間は2か月程度とされています。
色彩検定3級について
色彩検定3級の合格レベルは、色彩の基本理論を身につけていることを意味します。
難易度・合格率
2021年から3年間3回の色彩検定3級試験の平均合格率は75.8%です。
出題範囲が基本的な内容であることや全問マークシート方式である点も合格しやすい要因と考えられます。
実施年 | 志願者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2021年 | 33,278 | 25,557 | 76.8% |
2020年 | 22,498 | 17,166 | 76.3% |
2019年 | 27,051 | 20,126 | 74.4% |
2018年 | 26,056 | 19,516 | 74.9% |
2017年 | 25,227 | 18,576 | 73.6% |
2016年 | 27,292 | 19,152 | 70.2% |
2015年 | 26,185 | 18,386 | 70.2% |
取得するメリット
3級試験合格レベルでは配色などについての基礎知識が身につくため、会得したノウハウを日常のなかのファッションやインテリアに生かせます。
勉強方法
色彩検定協会の公式テキストに沿った勉強が効率的です。
3級は集中して取り組めば、1か月程度の勉強で合格レベルに達することができるでしょう。
色彩検定UC級について
色彩検定UC級とは、高齢化社会が進む現代に必要な「誰にでも見やすい」色彩に関する知識を問われる検定試験です。
難易度・合格率
新設されて間もないUC級の2021年試験における合格率は89.7%と高い割合です。
4年分のデータしかありませんが、常に80%以上の合格率となっているため、難易度は3級と同等といえるでしょう。
実施年 | 志願者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2021年 | 4,901 | 4,396 | 89.7% |
2020年 | 2,226 | 1,943 | 87.3% |
2019年 | 2,900 | 2,569 | 88.6% |
2018年 | 1,650 | 1,518 | 92.0% |
取得するメリット
高齢者や障害者など、視覚機能の低下に配慮した配色が必要な際に役立つほか、職種によっては仕事上でも活用できる資格です。
勉強方法
色彩検定UC級にも公式テキストがあります。
そのテキストに沿って3週間~1か月程度みっちり勉強すれば、合格水準に達することができる人は少なくないでしょう。
通信講座での学習もおすすめ
勉強をする場所としては、教材さえ揃っていれば自宅でも大きな問題はありません。
しかし、自分で勉強のスケジュールを立ててモチベーションを保つのが難しい人もいます。
その場合、資格の専門学校や通信講座に申し込んでみるのも選択肢です。
特に、通信講座は自宅にいながら与えられたカリキュラムをこなせるので、マイペースに合格を目指せる方法です。
カラーコーディネーターとの違いは?
色彩検定は、カラーコーディネーターと混同されやすいといえます。
ただし、両者は取得している知識や技能が異なるので注意しましょう。
カラーコーディネーターとは
まず、カラーコーディネーターは「カラーコーディネーター検定」に合格することで名乗れる資格です。
色彩について専門的なスキルを身につけているという点では、色彩検定とよく似ています。
ただし、そもそもの主催団体が異なっていて、まったく別の資格です。
まず、カラーコーディネーターは東京商工会議所が主催しています。
そのスキルは市場調査や工業分野にも応用可能です。
また、カラーコーディネーターは商品開発やWebデザインでも活躍しつつあります。
さらに、色彩についての知識を使って、企業や店舗のコンサルティングを行っているカラーコーディネーターもいます。
カラーコーディネーターは分野に関係なく、色彩についての仕事を引き受けられる資格です。
色彩検定とは
それに対して、公益社団法人色彩検定協会が主催の色彩検定は、よりファッションやインテリアに特化したシーンで活躍しています。
たとえば、美容師やネイリストが顧客への提案力を高めようと、色彩検定を受験するケースがあります。
また、アパレルのデザイナーや販売員からも色彩検定は人気です。
出版物や広告も配色によって訴求力が変わってくるといえます。
企業からの需要があるので、色彩検定に合格した人は就職や転職活動時にアピールできるでしょう。
そのほか、いろいろな資格に加えて、色彩検定を受験するパターンもあります。
たとえば、フラワーデザイナーの資格と一緒に色彩検定にも合格すれば、より多彩な商品を提案できます。
冠婚葬祭やイベント会場など、働ける場所を広げられるといえます。
さらに、色彩検定もプロダクトデザインや飲食系など、幅広い分野に進出してきました。
カラーコーディネーターと同様に世間からの注目度は高く、将来性のある肩書のひとつです。
試験難易度の違い
ちなみに、試験の合格率でいえば、カラーコーディネーターは色彩検定よりもやや低くなります。
2020年度のカラーコーディネーター試験では、アドバンスクラスが50.3%、スタンダードクラスが72.3%の合格率でした。
アドバンスクラスとは、ビジネスシーンで役立つ知識を問われるレベルで、スタンダードクラスでは日常的な色の知識を出題されます。
アドバンスのほうは応用的な問題が多いうえ、専門性も高まります。
そこで、アドバンスクラスより合格率が高い色彩検定の2、3級を受験するのも、スムーズに資格を取得したい人には賢明です。
特に2級の試験範囲は実務的な知識を押さえているので、色彩に関する仕事を目指すなら非常に役立ちます。
まとめ
色彩検定を取得すると、さまざまな分野で色に関する仕事をしやすくなります。
2、3級の合格率は決して低くないので、初心者でも取得できることは少なくありません。
ただ、確実に合格を目指したいのであれば、通信講座を始めてみるのもひとつの方法です。
通信講座であれば、スクールに通う手間もなく、独学での学習とは違い、効率的に学習できます。
資格のキャリカレなら、色彩検定2級・3級に対応した通信講座があります。
無理なく確実に合格を目指したいならぜひ検討してみはいかがでしょうか。