色彩検定1級まとめ | 概要・合格率・勉強時間・勉強法などを解説

色彩検定の中でも、最もレベルの高い1級を受験しようとしている方も多いのではないでしょうか。ここでは色彩検定1級について、受験を考える前に知っておきたい概要やポイント、勉強法まで詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
色彩検定1級とは

まずは、色彩検定1級の基本情報から押さえていきましょう。
ここでは、5つのポイントで1級の内容を解説していきます。
・レベル
・求められる知識
・合格ライン
・試験概要
・取得するメリット
レベル
色彩検定1級は、色彩のスペシャリストとして色に関わる課題解決やアドバイスができるレベルを求めています。
2級も仕事で活かせるレベルに設定されていますが、さらに専門的な知識を求められ、実践的なスキルも必要とされるのが特徴です。
求められる知識
色彩検定1級では、2級と3級の内容をベースに、さらに多くの知識と技能が必要とされます。
2級、3級の内容と1級で求められる内容は、以下の通りです。
色のはたらき | 色のはたらき |
---|---|
光と色 | 色はなぜ見えるのか? 眼のしくみ 照明と色の見え方 混色 |
色の表示 | 色の分類と三属性 PCCS |
色彩心理 | 色の心理的効果 色の視覚効果 |
インテリア | インテリアと色彩 インテリアのカラーコーディネーション インテリアにおける色の心理効果 |
色彩調和 | 配色の基本的な考え方 色相を手がかりにした配色 トーンを手がかりにした配色 色相とトーンを組みあわせた配色 配色の基本的な技法 配色演習の解答例と解説 |
配色イメージ | 色の三属性と配色イメージ |
ファッション | ファッションと色彩 |
慣用色名 | 慣用色名(JISの慣用色名より) |
色のユニバーサルデザイン | 色のはたらき 色のユニバーサルデザイン 色覚説 |
---|---|
光と色 | 光の性質と色 視覚系の構造と色 照明 |
色の表示 | マンセル表色系 |
色彩心理 | 色の視覚効果 色の心理効果 |
色彩調和 | 色彩調和 自然の秩序からの色彩調和 自然から学ぶ配色 配色技法 |
配色イメージ | イメージ別配色法 |
ビジュアル | ビジュアルデザインの色彩 メディアデザインの色彩 |
ファッション | ファッションの色彩と配色 |
インテリア | 住空間のインテリアとは 住空間のインテリアカラーコーディネーション 住空間におけるインテリアの配色構成 インテリアスタイルと色彩 |
景観色彩 | 景観と色彩 地域の気候風土がつくりだす景観色彩 景観色彩における色彩の基礎知識 生活環境における景観色彩設計 |
慣用色名 | 慣用色名(JISの慣用色名より) |
色彩と文化 | ヨーロッパの色彩文化 日本の色彩文化 |
---|---|
色彩調和論 | 色彩調和論 |
光と色 | 心理的な見えによる色の分類 照明 混色 |
色の表示 | XYZ 表色系 均等色空間とL*a*b* 色空間 オストワルト表色系 NCS 色名 |
測色 | 測色 |
色彩心理 | 心理評価法 色の心理的効果 色知覚の複雑性 |
色彩とビジネス | 色彩のビジネス活用 カラーコミュニケーションツールの役割 コンシューマプロダクツのビジネスプロセスと色彩 カラーマーケティング CMF® |
ファッション | ファッションカラーの変遷 ファッションビジネスにおけるカラーコーディネーターの役割 素材の知識 ビジュアルマーチャンダイジングと色彩 |
景観色彩 | 景観法とは 景観計画における色彩基準 遠景・中景・近景を踏まえた色彩計画 |
合格ライン
色彩検定1級の合格ラインは、満点の70%前後と公式ページに明記されています。
問題の難易度によって変動がありますが、7割以上を得点するのが合格の目安です。
試験概要
色彩検定1級は、2級と3級が年2回実施されるのに対して、冬季に1回のみの実施です。
試験方式にも違いがあり、1次試験と2次試験に分かれています。
試験日の関係で申込期間も2級、3級と異なるので、受験を考える前にしっかり概要を把握しておきましょう。
試験日 | 1級1次:2022年11月13日(日) 1級2次:2022年12月18日(日) |
---|---|
申込期間 | 8月8日(月)~10月11日(火) |
試験時間 | 1級1次:15:30~16:50(80分) 1級2次:13:00~14:30(90分) |
試験方式 | 1級1次:マークシート方式(一部記述式) 1級2次:記述方式(一部実技) |
検定料 | 15,000円 |
受験資格 | 制限なし |
受験地 | 北海道エリア:札幌市、釧路市、帯広市 東北エリア:八戸市、盛岡市、仙台市、秋田市、山形市、郡山市 関東エリア:水戸市、土浦市、宇都宮市、高崎市、上尾市、千葉市、東京23区、横浜市 甲信越エリア:新潟市、甲府市、長野市、松本市 北陸エリア:富山市、金沢市、福井市 東海エリア:岐阜市、静岡市、浜松市、名古屋市、四日市市 近畿エリア:大津市、京都市、大阪市、神戸市、奈良市、和歌山市 中国エリア:鳥取市、松江市、岡山市、広島市、周南市、下関市 四国エリア:徳島市、高松市、松山市、高知市 九州エリア:福岡市、北九州市、佐賀市、長崎市、大分市、宮崎市、熊本市、鹿児島市 沖縄エリア:那覇市 |
取得するメリット
色彩検定1級を取得すると、2級や3級よりも高度な知識と技能を身につけられます。
生活や仕事に活かせるだけではなく、就職や転職にもより有利に働くでしょう。
色彩検定協会では、講師養成講座を主催しており、色彩検定1級取得は受講する基準のひとつです。
色彩に関する知識を他の人に伝える仕事がしたい人は、1級の取得を目指すメリットがあります。
色彩検定1級で押さえておきたいポイント

色彩検定1級について、合格率や必要な勉強時間など、知っておきたいポイントがいくつかあります。
ここでは、Q&A形式で5つのポイントを見ていきましょう。
・合格率・難易度はどのくらい?
・必要な勉強時間はどのくらい?
・実技試験はどのような内容?
・いきなり1級を受験してもいい?
・独学でも合格できる?
合格率・難易度はどのくらい?
色彩検定の公式ページでは、受検者データを公開しています。
1級を含む2021年度受検状況は、以下の通りです。
級 | 志願者 | 合格率 |
---|---|---|
1級 | 2,302人 | 52.7% |
2級 | 18,886人 | 77.9% |
3級 | 33,278人 | 76.8% |
UC級 | 4,901人 | 89.7% |
1級の合格率は45.0%で、2級、3級、UC級に比べると、難易度が高くなっています。
とはいえ、志願者が少ないものの約5割の合格率となっているため、資格試験の1級の中では易しい方に分類されるでしょう。
必要な勉強時間はどのくらい?
色彩検定1級に合格するためには、1次試験100時間、2次試験50時間を目安に勉強するとよいでしょう。
1級の1次試験はマークシート方式と一部記述式なので、公式テキストをしっかり読み、問題演習に取り組むことが大切です。
2級と3級にはない2次試験があるため、その分勉強時間は長くなります。
まずは1次に合格する必要があるので、1次試験終了後に本格的に2次対策を行うのがポイントです。
ただし、2次は1次の1ヶ月後に行われるため、1次試験までに基礎を固めておいた方が対策はスムーズになります。
実技試験はどのような内容?
2次試験に含まれる実技試験は、カラーカードを使った試験が例年実施されています。
出題に対して、正しい色のカラーカードを切り貼りする問題になっており、問題文を理解し、正しい色を考えて、すばやく作業することが大切です。
実技と聞くと身構えてしまいがちですが、あらかじめ切り貼りの作業や問題文に慣れておけば、過剰に不安になる必要はありません。
1次試験終了後に、しっかりと問題料をこなして、実技試験の準備をしましょう。
いきなり1級を受験してもいい?
色彩検定は、何級からでも受検できます。
そのため、3級や2級をスキップして、いきなり1級を受検することも可能です。
レベルや求められる知識は段階的になっているので、基本的には3級から受検する人が多いでしょう。
すぐに専門的な知識を身につけたい人であれば、1級から目指してみましょう。
独学でも合格できる?
色彩検定1級は、独学でも合格できるチャンスがあります。
1次と2次があるため、2級や3級よりも独学のハードルは高くなりますが、勉強時間をしっかり確保し計画的に進めれば、合格が可能です。
ただし、一人で勉強を進めることになるので、わからないところで行き詰まったり、モチベーションが続かなかったりするおそれがあります。
疑問を聞ける人を周りで探したり、無理のない計画を作成したりして、2次合格まで乗り切りましょう。
モチベーション維持が不安な人は、通学や通信講座を利用するのがおすすめです。
自分に合った方法で合格を目指しましょう。
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色彩検定1級に合格する勉強法

色彩検定1級は他の級よりもレベルが高く実技試験も含まれるので、しっかりとした準備が必要です。
やみくもに学習するのではなく、勉強のコツを知っていると、効率よく勉強を進められるでしょう。
ここでは、3つの勉強法をご紹介します。
・公式テキストを重点的に学習する
・問題集や過去問で演習する
・実技試験対策を怠らない
公式テキストを重点的に学習する
色彩検定は、公式テキストをベースに出題されます。
そのため、公式テキストを理解していれば、問題に解答できるようになり、合格の可能性が上がります。
公式テキストは大判サイズで見やすく、図解や表などでわかりやすいので、1冊だけでも十分にカバーできるのがメリットです。
市販テキストも販売されているので、理解しにくかった部分を補うために併用してもよいでしょう。
問題集や過去問で演習する
公式テキストで知識を身につけて終わりではなく、試験で知識を発揮することが大切です。
ぶっつけ本番だと問題に慣れていないこともあって、上手く解答できないでしょう。
テキストを何度か読んだら、問題集や過去問で実践的な学習を始めるのがポイントです。
間違った問題の解説をしっかり読み、同じ問題で間違えないようにしましょう。
問題を暗記する意気で、理解できるまで何度も解くことが重要です。
実技試験対策を怠らない
2次試験の実技は、慣れていないと解答が難しく、時間配分に失敗してしまう場合もあります。
色は覚えているからと手を抜かず、問題を多くこなして実技試験に慣れましょう。
問題文の傾向や読み取り方を理解することと合わせて、カラーカードの扱い方や切り貼りの作業も身につけておくと本番が楽です。
2次試験は実技に加えて、記述式の問題もあるので、実技の時間がなくならないように、通しで時間配分も把握しておきましょう。
まとめ
1級は、色彩検定の中で最も高いレベルと幅広い知識を求められます。
1次試験と2次試験に分かれており、2次では実技試験が含まれているのが特徴です。
2級や3級に比べると難易度が高く、勉強時間も多く確保する必要があります。
公式テキストを中心に、まんべんなく対策をすれば合格できる試験ですので、概要を理解した上でぜひ受検してみましょう。
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