プロが教える勝つカラダを作るポイント!
元オリンピック委員会(JOC)強化スタッフ
川端 理香 先生
〔プロフィール〕元日本オリンピック委員会(JOC)強化スタッフとして、オリンピック出場選手を食事面でサポートした実績を持つ管理栄養士。現在もJリーグ・Vリーグ、プロ野球選手、バレーボール選手、ラグビー選手、プロゴルファー、柔道選手など、数多くのアスリートをサポートしている。
上手くなるには練習をすれば良いと思っている選手も多いと思いますが、実際はどうなのでしょう?
元オリンピック委員会(JOC)強化スタッフの川端講師に、本当に勝つための秘訣と現在のスポーツ選手が抱える食事情について伺いました。
スポーツ選手にとって“食事は勝つため”に必要な要素です!
スポーツ選手にとって食事がなぜ大切なのか。それは、毎日一生懸命練習しても、摂取した栄養が身体に吸収されなかったり、試合当日に疲労が溜まった状態では、最高のパフォーマンスを発揮することはできないからです。練習で身につけた力を最大限発揮するには「勝つためのカラダ」作りが必要です。勝てるカラダは「運動」「栄養」「休養」の3つから作られており、練習やトレーニングはもちろんですが、“食べること”や“疲労回復”も勝つカラダを作るには大切な要素です。
勝てるカラダを作りたいなら“食事を変える”こと!
食事の基本は、「主食・主菜・副菜・スープ・フルーツ・乳製品」の6種類を必ず摂取すること。もちろん、これにはきちんとした理由があります。たとえば、サッカーの場合、「主食、炭水化物は身体のエネルギーとなり、走るのに加えいろいろな戦術を考えなければならないので、頭を使うエネルギーにもなる」など、摂取する食事には必ず意味があります。ただがむしゃらに食べているだけでは「勝てるカラダ」を作ることはできないのです。
ワンポイントアドバイス!
競技や目的に応じて、必要な栄養素は変わります。
選手一人ひとりに適切な調整が必要なんです!
最悪の場合は、ケガも…。「スナック菓子・炭酸飲料」はなぜダメなのか?
食に関する意識の向上は図れても、まだまだ知識が追いついていないのが現状。小腹が空いたといって、スナック菓子や炭酸飲料・カップラーメンなどを“良くない”と感じつつ摂取する選手も少なくありません。
では、なぜダメなのでしょう?
それは、“リン”が多く含まれる食品を摂ると、カルシウムの摂取を阻害し吸収が落ちてしまうから。練習で身体を酷使し、食事を頑張って食べても、身体に吸収することができなければ意味はないですよね!
あなたの疑問を解消!スポーツ栄養Q&A
- そのほか、改善した方が良い食事はありますか?
- 意識して欲しいことの中に「飲み物」があります。食事中、「緑茶」を飲む人は多いと思いますが、緑茶は鉄の吸収を妨げてしまいます。
走り込みなどにより“貧血”が問題になっていますので、食事の際は、鉄の吸収を良くする100%ジュースを摂取するようにしましょう!
疲れを残さず「試合当日」を迎えるには「グリコーゲン」を蓄えよう!
エネルギーとなりうる栄養素は、糖質・脂質・たんぱく質の3種類。このうち糖質が体の中に補給された後、肝臓や筋肉の中に貯蔵されるグリコーゲンは、直接ブドウ糖に分解することができるので、トレーニング開始の早い段階でエネルギーに活用できるメリットがあります。一方、脂肪がエネルギーに変わるまでには約20~30分。また、たんぱく質は運動時のエネルギーとしてはほぼ活用されません。
つまり、疲れのない状態で試合当日を迎えるためには、グリコーゲンをたくさん蓄えておくことが必要なんです!
勝つために必要なのは正しい知識と応用力!「勝てるカラダ」を作る。それがスポーツフードアドバイザー®です!
現在のスポーツ界において、競技成績を上げるためには、トレーニングに加え、適切な栄養素の摂取が求められています。“あと1センチ”、“あと1秒”の勝負を制するには、何を食べてきたかが重要です。「勝つ」ためには「勝つためのカラダ」作りをサポートする、“スポーツフードアドバイザー®”が求められています!