【心理学用語集】知っておきたい30選を紹介!
使える場面や知識を深められる資格とは?

こんにちは、資格のキャリカレ編集部です。
心理学を学ぶことで、自分や他者への理解が深まります。「自分の感情をコントロールするのが苦手」「人間関係に悩んでいる」といった方は、人の心理に関する知識を身につけることで、状況が改善できるかもしれません。
この記事では、ビジネス・日常生活・恋愛で役立つ心理学の用語を解説します。心理学用語の知識を深められる資格についてもまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
心理学用語とは?

心理学用語とは、人の心の動きや行動の理由を説明する専門的な用語のことです。そもそも心理学は古代ギリシャの哲学を起源とする学問だといわれていますが、大きく発展したのは19世紀以降となっています。ドイツのヴィルヘルム・ヴントや、アメリカのウィリアム・ジェームズらによって研究が進められ、現在ではさまざまな分野で活用されています。
心理学は、「基礎心理学」「応用心理学」の2つに大別することが可能です。基礎心理学は、心のメカニズムを科学的に解明しようとするもので、発達心理学・社会心理学などが当てはまります。応用心理学は、基礎心理学をベースに社会に役立つかたちで研究を行っていくもので臨床心理学・犯罪心理学などが含まれます。
心理学の種類や活用方法については、下記の記事で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。
心理学用語はさまざまな場面で使える

心理学用語は専門的なイメージが強いかもしれませんが、実は身近にあるさまざまなシーンで使えます。ここでは、心理学用語がどのような場面で役立つのかを解説します。
ビジネス
ビジネスシーンでは、営業やマーケティングに関する業務で心理学用語が役立ちます。IT技術が発達し価値観が多様化するなかで、ビジネスの在り方も変化しています。かつては「良い商品を売り込む」といったスタイルが主流でしたが、現在は企業の課題にアプローチするソリューション型の営業が好まれる傾向です。
クライアントの課題を把握するためには、相手との良好な関係を構築しなければなりません。また、提案を効率的に伝えられるコミュニケーションスキルも不可欠です。たとえば、心理学用語の「両面提示」を活用することで、相手からの信頼が得やすくなります。
両面提示とは、メリットだけでなく、あえてデメリットも伝える手法です。「このサービスの強みは○○です!」ではなく、「新しいサービスなので導入実績は少ないですが、他社との差別化につながります」とすることで、誠実な印象を持ってもらいやすくなります。
日常生活
日常生活の中では、自己啓発や相手との会話などに心理学用語が活用できます。コミュニケーションに苦手意識がある人こそ、心理学的なテクニックを知っておくことで、人間関係のトラブルを回避しやすくなります。
たとえば、「自己開示」と呼ばれる手法は、初対面の相手との距離を縮めるのに効果的です。自己開示とは、自分の内面を積極的に相手に伝える行為を指します。たとえば、「あなたの出身はどちらですか?」という質問をする場合、「わたしは関西出身ですが、あなたの地元はどちらですか?」と変えるだけでも、会話の幅が広がります。
恋愛
心理学用語が役立つのは、仕事や日常生活だけではありません。心理学の論理は恋愛にも応用できます。恋愛に役立つ心理学として注目されているのが、「行動心理学」です。行動心理学とは、人の行動とその背景の心理状態を研究する学問のことです。
恋人が途切れなかったり、誰からも好かれやすかったりする人は、無意識のうちに心理学的なテクニックを使っている可能性もあります。たとえば、会話のなかで「わたしもそう思う」「わかるわかる」という言葉が多い人は、意図せず「類似性の法則」を活用していると考えられます。
次の章では、それぞれの場面に役立つ心理学用語をピックアップし、詳しく解説していきます。心理学用語への理解を深めたい方は、ぜひ読み進めてみてください。
ビジネスで役立つ心理学用語集

まずは、ビジネスで役立つ心理学用語を紹介します。今回はビジネス、日常、恋愛のシーン別に分けてまとめていますが、これらはあくまで一例です。場合によっては他のシーンで役立てられるものもあるので、使えそうなタイミングがあれば、ぜひ積極的に活用してみましょう。
バンドワゴン効果
バンドワゴンは、「パレードで楽隊を乗せて走るワゴン車」を意味する言葉です。パレードを先頭で率いる姿から、「流行」「傾向」といった意味で使われることもあります。バンドワゴン効果とは、多くの人が支持しているものを「自分もほしい」と思い、さらに人気が加速する現象を指します。
ビジネスにおいては、「シリーズ累計100万個突破」といったキャッチコピーがバンドワゴン効果の具体例として挙げられます。また、「芸能人の○○さんも利用しています」といったアプローチもバンドワゴン効果の活用法の1つです。
カリギュラ効果
カリギュラ効果とは、選択や行動の自由を制限することで、そのものに対する興味がさらに高まる心理状態を指します。言葉の由来は、1980年に公開された映画『カリギュラ』です。カリギュラは内容の過激さから一部の地域で上映禁止となったのですが、それが逆に話題となり、結果として大ヒット作となりました。
ビジネスシーンでは、「1日限定」「先着500名のみ」など、あえて販売に制限をかけるといった活用法があります。制限を設けることで商品の希少性が増し、ユーザーの購買意欲を掻き立てます。実際に、ハイブランドのバッグや時計のなかには、「品薄で購入できない状況だからこそ、さらに人気が高まる」といった現象が発生しているものもあります。
メラビアンの法則
メラビアンの法則では、コミュニケーションに影響を与える要素として、「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つを提示しています。それぞれが相手に影響を与える割合の一覧は、次のとおりです。
視覚情報 | 55% |
---|---|
聴覚情報 | 38% |
言語情報 | 7% |
もっとも大きな影響を与えるのが、表情やしぐさといった視覚情報です。声のトーンや大きさなどの聴覚情報がと続き、話の内容を表す言語情報はわずか7%となっています。
緊張する場面でこそ、にこやかな表情やはきはきとした話し方を心がけると、相手に好印象をもってもらいやすくなります。メラビアンの法則を実践する第一歩として、ビジネスパーソンに相応しい身だしなみになっているかチェックするところからはじめてみましょう。
ザイオンス効果
ザイオンス効果は、単純接触効果と呼ばれることもある心理学用語です。人は特定の物事に接する回数が増えるほど、対象物への好感度が高まっていくといわれています。ザイオンス効果を活用したビジネスの事例としては、メルマガ配信やWeb広告、テレビCMなどが挙げられます。
ただし、もともと悪い印象を持っていたり、第一印象が良くなかったりすると、接触回数が多くなるほどネガティブな感情が育ちやすくなります。クライアントが自社に対してマイナスイメージを持っている場合は、接触回数を増やすより前に、関係の修復を試みましょう。
プロスペクト理論
プロスペクト理論は、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンらによって提唱されたセオリーです。プロスペクトは、直訳すると「予想」「見通し」「展望」となります。プロスペクト理論では、人は利益を得ることよりも損失を避けようとする傾向にあると考えます。
たとえば、「今月中の契約であれば特別価格の1万円」「来月以降は定価の2万円」といったキャンペーンを行うことで、損をしたくないといった心理にアプローチしやすくなります。ただし、頻繁にキャンペーンを実施してしまうと効果が薄まるため、開催の頻度やタイミングには注意しましょう。
フット・イン・ザ・ドア
フット・イン・ザ・ドアは、訪問販売の営業スタイルに由来する心理学用語です。営業担当者が訪問先で話を聞いてもらうために、「玄関のドアに足を挟む」というイメージがもとになっており、段階的要請法とも呼ばれます。フット・イン・ザ・ドアでは、小さな要求を積み重ねていくことで、最終的な目的の達成を目指します。これは、自分の行動に矛盾を生じさせたくないという「一貫性の原理」を利用したテクニックです。
はじめから、「こちらの商品がおすすめなので購入しませんか?」と提案しても断られてしまうケースが大半です。一方、「無料サンプルを受け取ってもらえませんか?」「使い方を説明するので5分だけお時間いただけませんか?」「簡単に解約できるのでお申込みだけお願いできませんか?」と段階を踏むことで、契約を前向きに検討してもらいやすくなります。
ドア・イン・ザ・フェイス
ドア・イン・ザ・フェイスも、前述のフット・イン・ザ・ドアと同様に訪問営業に由来する心理学用語です。フット・イン・ザ・ドアが小さな要求からアプローチしていくのに対して、ドア・イン・ザ・フェイスでは、はじめに断られることを想定した大きい要求を伝えます。相手は断ったことに少なからず罪悪感を抱くため、本来目的とする小さな要求が通りやすくなるといったテクニックです。
具体的な活用例としては、はじめに「こちらが最新の製品で価格は20万円です」と予算より高めの提案をします。相手が「高いから購入できない」といったところで、一旦話を切り上げます。その後、「旧モデルの在庫がわずかに残っておりまして、こちらであれば10万円で購入いただけます」と本来の目的である要求を伝えます。ドア・イン・ザ・フェイスのテクニックを使うことで、はじめから旧モデルを10万円で提案するより商談がスムーズに進みやすくなります。
第三者話法
ビジネスでは、基本的に売り手と買い手の2者間で商談が行われます。その商談のなかで、あえて当事者ではない人物の意見を紹介するテクニックを「第三者話法」といいます。第三者話法を取り入れることで、客観性が高まり、提案した内容を受け入れてもらいやすくなります。
たとえば、「こちらのサービスの強みは○○です」というフレーズは、「他のお客様からは○○の機能をご好評いただいております」と言い換えることが可能です。さらに、相手の年齢や性別が明確になっている場合は、「とくに、40代の女性から○○の機能をご好評いただいております」とすることで訴求力が高まります。
ウィンザー効果
ウィンザー効果とは、企業が公式に発表している情報よりも口コミやレビューなど第三者の意見の方が信頼されやすいといった心理的傾向を表す用語です。企業が活動を続けるためには、利益の追求が欠かせません。もちろん、ユーザーにより良い製品・サービスを提供するために企業側も努力をしています。しかし、企業努力で価格を下げても「安すぎて不安」と疑われてしまうケースがあります。
一方、第三者の意見は企業の利益とはまったく関係のないものとして存在しています。「安いけれど、今のところまったく問題なく使えている」といった短いコメントを見て、購入を決意するユーザーは少なくありません。現在はSNSで情報収集をする人も増えているため、ウィンザー効果を狙ったマーケティングの重要性が高まっています。
バックトラッキング(オウム返し)
バックトラッキングとは、相手の言葉をオウム返しのように発するコミュニケーション手法です。会話のなかでバックトラッキングを使うだけで、「話しやすい相手」と認識してもらうことができます。
たとえば、クライアントから「最近大きなトラブルがあったんだよね」という話があったとき「大変でしたね」と返すのではなく「大きなトラブルですか?」と相手の言葉を繰り返すことで会話が続きやすくなります。「そうそう。金曜日の夕方から機械が止まっちゃって」「金曜の夕方だと修理は間に合いましたか?」など、キーワードとなる言葉を拾っていくことで、会話が自然と盛り上がります。
日常生活で役立つ心理学用語集

続いて、日常生活に役立つ心理学用語を紹介します。心理学への理解が深まると、相手とのコミュニケーションが円滑になり、自分の心もコントロールしやすくなります。介護や育児に悩んでいる方向けの知識もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
1. フレーミング効果
フレーミング効果とは、同じ情報であっても表現方法によって意思決定が左右される現象を指します。たとえば、待ち合わせの時間に10分遅れそうだった場合、伝え方によって相手の受け取り方が変わるかもしれません。
遅刻していることを隠そうとして「もうすぐ着きます」と伝えると、「もうすぐと言ったのに10分も遅れてきた」というネガティブな感情を抱かれやすくなります。一方、「道を間違えてしまったので15分程遅れます」と連絡すると「15分と言っていたのに10分で来てくれた」と評価してもらえる可能性があります。何度も繰り返して使えるテクニックではありませんが、いざというときのためにフレーミング効果の活用法を覚えておくと便利です。
2. アンダーマイニング効果
アンダーマイニング効果とは「過剰正当化効果」「過正当化効果」と呼ばれることもある心理学用語です。自発的に取り組んでいた行動に対して、報酬やノルマを与えることで、意欲が失われてしまう状態を指しています。
「子どものゲームの時間が長くて困っている」という方は、アンダーマイニング効果を活用することで改善できるかもしれません。多くの家庭では「ゲームは1日1時間まで」と制限をかけますが、あえて「ゲームは1日1時間やらなければならない」とノルマを設定します。ゲームが義務となることで、やらされている感が高まり、気持ちに変化が生まれやすくなります。
3. エンハンシング効果
前述したアンダーマイニング効果の対極に位置するといわれているのが、エンハンシング効果です。エンハンシング効果では、報酬などの外発的な動機づけによって、モチベーションが高まります。
エンハンシング効果における報酬は、金銭などのかたちとして見えるものだけではありません。「褒める」という行為も立派な報酬となります。相手を褒めるときは、結果ではなく努力したプロセスに焦点を当てましょう。家族や友人に対して「○○をしてくれてありがとう」「○○のおかげで助かったよ」と伝えるだけでもやる気が高まり、行動が変わります。
4. プラシーボ効果
プラシーボ効果とは、「偽薬効果」と訳されることもある心理学用語です。薬としての有効な成分を含んでいないのにも関わらず、「薬を飲んだ」という事実だけで、症状が改善する状態を表します。プラシーボ効果のメカニズムは明らかになっていませんが、自己暗示や自然治癒力などが関係していると考えられています。
プラシーボ効果が活用できるのは、医療や介護の現場など、直接的に薬を服用する場に留まりません。たとえば、スポーツの大会や習い事の発表会などでも、「自分ならできる!」と思い込むことで、より良い結果が残しやすくなります。
5. バーナム効果
バーナム効果の由来は、2018年に公開された映画『グレーテスト・ショーマン』の主人公フィニアス・テイラー・バーナムの発した言葉であるといわれています。彼は、「we've got something for everyone(それぞれ好みが違っても、誰にでも当てはまる要点がある)」という言葉を残しています。
曖昧で一般的な言葉であっても「自分のことを言っているのかも」と感じると、相手の興味や関心を引くことができます。「最近お疲れではないですか?」「何か悩みをお持ちですよね?」と質問されると、人は無意識のうちに当てはまることがないのかを考えてしまうものです。この心理を利用することで、コミュニケーションのきっかけが掴みやすくなります。
6. ピグマリオン効果
ピグマリオン効果とは、人から期待されることで、通常よりも高い能力が発揮しやすくなる現象のことです。学校教育やビジネスの場などで活用されていますが、介護の現場でも役立てることが可能です。
介護施設では、絵画や習字、体操など、さまざまなレクリエーションが取り入れられています。レクリエーションを通して「○○さんの絵は味があって素敵ですね。次の作品も見てみたいです」という声掛けを行うだけでも、モチベーションが高まります。「素敵ですね」で会話を終わるのではなく「次を期待しています」という言葉を添えるのがポイントです。
7. アンガーマネジメント
アンガーマネジメントとは、怒りの感情に向き合い、コントロールするためのスキルのことです。「怒り」は誰もが持っている感情ですが、上手に付き合っていく方法を知ることで、冷静に対処しやすくなります。
注意したいのは、アンガーマネジメントを身につけても、怒りという感情が消えることはないという点です。「すぐにイライラしてしまう」という悩みを抱えている場合、まず怒りによる衝動的な行動を抑える訓練をするところからはじめます。怒りの感情に振り回されないようになると、ストレスが軽減し、人間関係のトラブルも回避しやすくなります。
8. ペーシング
相手に合わせて話の速度や声の大きさを変える心理学的なテクニックのことを「ページング」といいます。カウンセリングの場でも用いられている手法で、相手の警戒心を取り除き、安心感を与える効果が期待できます。
ページングでは、相手のトーンやリズムに合わせることも大切です。ただし、高すぎるトーンや変化の激しいリズムは、お互いに疲れてしまう恐れがあります。また、相手のペースに飲まれてしまうと、話が意図しない方向へ進んでしまい、会話のコントロールも難しくなります。はじめから最後まで相手に合わせてしまうと「自分のことを真似しているのではないか」と疑われ、不信感を抱かれかねません。会話をはじめるタイミングや、重要な話を切り出す前など、ポイントを絞って取り入れてみましょう。
9. 引き寄せの法則
引き寄せの法則では、ポジティブな思考を持つことで、現実でも良い出来事を引き寄せられると考えます。スピリチュアルな世界でも広く知られている思考法ですが、心理学の観点からも活用できます。
たとえば、スポーツの試合では、「自分は勝てる」と信じ、それを言葉に出すことで実力を発揮しやすくなるといわれています。格上の相手と戦うときは、どうしても気持ちが弱くなるものです。「相手の方が強いし、どうせ負けてしまう」と思考がネガティブになると、前向きに試合に臨むことができません。一方、勝てると思い込むことで、不利な展開になっても最後まで諦めずに戦い抜けるため、逆転のチャンスが生まれやすくなります。
10. 意志力(ウィルパワー)
意志力(ウィルパワー)は「最後までやり遂げる力」を意味する心理学用語です。アメリカの心理学者ロイ・バウマイスターは、ウィルパワーの総量は決まっていて、筋肉と同じように負荷を与えるほど消耗していく「ウィルパワー=筋肉説」を提唱しています。
ウィルパワーを消耗すると、集中力が失われて、目標も達成しづらくなります。また、感情のコントロールも難しくなるため、食べ過ぎてしまったり、喫煙の回数が増えてしまったりすることがあります。睡眠不足やストレスもウィルパワーが低下する原因です。大きな決断をするときは、膨大なウィルパワーが必要となるため、心身をしっかりと休めてウィルパワーを回復しておきましょう。
恋愛で役立つ心理学用語集

次に紹介するのは、恋愛で役立つ心理学用語です。相手にポジティブな第一印象を持ってもらう方法や、気になる人との距離を縮める方法など、さまざまな活用事例もまとめています。ビジネスや日常生活の場で使えるものも多いので、少しずつ実践しながら自分なりのかたちに落とし込んでいきましょう。
1. 吊り橋効果
人は不安や恐怖を感じると、心拍数が上がります。この現象を利用して、相手の恋愛感情を刺激するのが「吊り橋効果」です。不安や恐怖による心拍数の増加を、一緒にいる相手への恋によるものと脳が勘違いすることで、恋愛関係に発展しやすくなります。
遊びに誘える関係性であれば一緒に遊園地に行ってお化け屋敷に入ったり、ジェットコースターに乗ったりすることでバリエーション豊かな吊り橋効果を実践できるでしょう。映画館やスポーツ観戦、コンサートなどもおすすめです。ただし、過度な不安や恐怖は逆効果となるため、相手の反応を見ながら、程よく取り入れてみましょう。
2. クライマックス法
クライマックス法とは、先に背景を説明してから、最後に結論を述べる会話テクニックです。反対に、先に結論を述べてから、背景を補足するテクニックは「アンチクライマックス法」と呼ばれます。
クライマックス法は、相手との関係を深めるときに活用できます。たとえば、親しくない人に対して、「一緒に図書館行かない?」と結論から述べてしまうと、戸惑われてしまう可能性があります。そんなときは、順序立てて説明していくのが効果的です。「○○の授業をとっている?」「来週の授業で抜き打ちのテストがあるらしいよ」「何人かで集まって図書館で勉強会をするんだけど、よかったら来ない?」という誘い方をすると、受け入れてもらいやすくなるでしょう。
3. ピーク・エンドの法則
ピーク・エンドの法則では、はじまりや過程に関わらず、絶頂のタイミングと終わりさえ良ければ全体の評価も高まると考えます。気になる相手や恋人とのデートを計画するときは、このピークとエンドを2つを意識するだけで、「楽しかった!」という印象が強まります。
たとえば、別れ際に相手を褒めたり、感謝の気持ちを伝えたりすると、デートの幸せな余韻が残りやすくなります。相手の姿が見えなくなるまで見送ったり、手を振ったりするのもおすすめです。その日のうちに、「今日はとても楽しかったです。○○さんの知識の豊富さに驚きました」などのメッセージを送ると、さらに印象が良くなるでしょう。
4. イエス誘導法
相手が「イエス」と答える質問を繰り返すことで、最終的な目的を了承させやすくするテクニックを「イエス誘導法」と呼びます。たとえば、サッカー好きの男性をデートに誘いたい場合、「○○さんはサッカーがお好きなんですか?」「試合をご覧になることはありますか?」「チケットが余っているんですが、よかったら一緒にいかがですか?」といったトークを展開します。
本題に入る前に「イエス」と答えやすい質問を用意しておくと、会話の導入がスムーズに行えます。「明日から休日ですね」「今日は暑い(寒い)ですね」といったフレーズは、使いまわしがしやすく便利です。
5. ゲイン・ロス効果
ゲインは「利益」、ロスは「損失」を意味する言葉です。ゲイン・ロス効果では、はじめの印象とのギャップにより、相手に与えるイメージが大きく変わることを示しています。「見た目は怖いのに実際話してみると優しかった」という感想は、典型的なゲイン・ロス効果の事例です。
ゲイン・ロス効果を恋愛で応用するときは、ギャップを意識すると成功しやすくなります。たとえば、仕事を通して出会った人であれば、プライベートのファッションは大きなアピールポイントとなります。「こんな一面もあるんだ」と思ってもらえるようなコーディネートを考えながら、アイテムを選んでみましょう。
6. 初頭効果
初頭効果とは、一番はじめの印象が最も記憶に残りやすいことを表す心理用語です。出会ってから3〜6秒ほどで相手の印象が決まるといわれており、そのイメージは簡単に覆るものではありません。
これは、相手だけではなく自分自身にも当てはまります。第一印象が良いと感じた人に対しては、少しくらい悪い噂を聞いても、素直に受け止めづらい傾向にあります。「誠実で優しそうな人だった」という記憶が強く残っていると、ネガティブな姿を見かけても、それを冷静に判断することができません。出会ってから半年ほどは初頭効果の影響が続きやすいため、第一印象に振り回されないよう注意しましょう。
7. ハロー効果
人やモノを評価するとき、目立つ特徴のイメージに引きずられて全体を正しく評価できない現象を「ハロー効果」といいます。「有名な大学を卒業しているから○○さんの仕事の進め方は正しい」といった考え方は、ハロー効果によるものです。また、「冷たい人だと誤解されることが多い」という方は、ネガティブ・ハロー効果が原因かもしれません。
挨拶の声が小さかったり、視線をあわさずに返事をしていたりする印象が強いと、冷たい人だと誤解されやすくなります。ごく一部分の悪い印象に引っ張られて、全体の評価まで落ちてしまうのは好ましい状況ではないため、できるところから改善していきましょう。
8. 希少性の原理
希少性の原理とは、なかなか手に入らないものほど高い価値を感じやすいという心理を表したものです。恋愛においても希少性は強みになります。人気の職業に就いていたり、魅力的な肩書を持っていたりするのも希少性のアピールになりますが、それだけではありません。
相手から「この人ほど自分のことを理解してくれる人はいない」と思ってもらうのが、もっとも効果的な方法です。そのためには、コミュニケーションを通して、お互いを深く理解する必要があります。相手にとって「代わりのきかない存在」になることを考えて行動すると、恋愛が成就しやすくなるでしょう。
9. ハード・トゥー・ゲット
ハード・トゥー・ゲットは直訳すると、「入手困難な」「なかなか手に入らない」となります。心理学用語におけるハード・トゥー・ゲットは、相手を意図的に特別扱いすることで、好意を得るテクニックを指します。
「あなたといるときが一番楽しい」「誰にも言っていなかったけれど、○○さんだから話すね」といった言い回しを使うだけで、簡単に特別感を演出できます。また、お土産やちょっとしたプレゼントを配るとき、あえて他の人とは違ったものを渡すのもおすすめです。ただし、多用しすぎると押しつけがましい印象を抱かれかねないため、タイミングを見計らってここぞというときに取り入れるのがポイントです。
10. ミラーリング
ミラーリングとは、相手の動作やしぐさを鏡のように真似ることで、親しみを抱いてもらうコミュニケーション法です。ミラーリングと似た心理学用語には、前述した「バックトラッキング(オウム返し)」「ペーシング」などがあります。
バックトラッキング(オウム返し)が相手の発言内容を繰り返すもの、ペーシングが会話のペースを合わせるものであるのに対して、ミラーリングは相手の動きを模倣します。実際の会話の場面では、「首を縦に振る」「前かがみになる」といった動作を不自然にならない範囲で真似していきます。相手が動いた直後ではなく、10〜30秒経ってから後を追うように真似をすると好意的に評価されやすくなります。
心理学用語の知識を深められるおすすめの資格5選

ここでは、心理学用語の知識を深められるおすすめの資格を紹介します。資格を取得することで、日常生活だけでなく転職や就職、独立開業にも役立ちます。それぞれの特徴や難易度、おすすめの理由を比較しながら、自分に合った資格を見つけてみてください。
メンタル心理カウンセラー
メンタル心理カウンセラーは、一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定する資格です。取得することで、医療・福祉・教育の現場をはじめ、さまざまな場所で活躍できるカウンセリングスキルを有している証明となります。試験を受けるためには、JADP認定の教育機関が実施しているカリキュラムを修了する必要があります。
カリキュラムには、カウンセリングに関する実践的な内容はもちろん、心理学の歴史や基礎理論も含まれており、幅広い知識が身につきます。試験は自宅でテキストを見ながら受けることができ、丸暗記は不要です。学習方法は紙テキストとWEBテキストのどちらにも対応しており、すきま時間を有効活用しながら、最短2ヶ月で資格取得が目指せます。
行動心理士
行動心理士とは、相手の動作やしぐさから本音を読み解くテクニックや心理に関するさまざまな問題を解決するスキルを持つ人間関係のスペシャリストです。行動心理士の資格は、一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が実施する試験に合格することで取得できます。
受験資格として定められているカリキュラムの標準学習期間は4ヶ月ですが、キャリカレの講座なら長期間のサポートが無料で受けられます。現役カウンセラーへの質疑応答や添削指導をはじめ、サポート体制も充実しており、自分のペースで学習が進められます。在宅受験にも対応しているので、試験が苦手な方でも自宅で落ち着いて挑戦できます。資格取得後は、セミナー講師やカウンセラー、コンサルタントとして独立開業することも可能です。
家族療法カウンセラー
家族療法カウンセラーは、一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)認定の民間資格です。社会が複雑化し、未来の予測が困難な時代において、家族を取り巻く環境は刻々と変化しています。価値観の多様化と共に、家族の在り方も見直されているなかで、それぞれに合ったサポートを提供する必要性が高まっています。
家族療法カウンセラーは、自分の子どもの問題行動に悩んでいる方、子どもと関わる仕事に従事している方、カウンセラーとしてのキャリアアップを考えている方におすすめの資格です。資格の取得により、家族全体の課題を把握し、適切にアプローチするテクニックが身につきます。認定講座の教材セットには、ロールプレイ形式の映像講義も用意されているので、実践的なスキルが学べます。合格基準は得点率70%以上となっており、自宅でテキストを見ながら受験ができます。
チャイルドカウンセラー
チャイルドカウンセラーとは、心理学の知識を用いて子どもの抱える問題を解決に導くプロフェッショナルです。不登校児童生徒数といじめの認知件数は年々増加傾向にあり、教育現場におけるカウンセラーの需要も高まっています。実際に、多くのチャイルドカウンセラーが教育現場や児童福祉施設、カウンセリングサロンなどで活躍しています。
一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定するチャイルドカウンセラーの資格を取得することで、子どもの特性に合ったカウンセリングスキルが備わっている証明となります。取得の手順は、まずJADPが認定する教育機関で子どもの問題行動の種類や心理療法やカウンセリングの実践力を学びます。学習中の疑問は専任講師に無料で何度でも質問することが可能です。その後、自宅で受験し、得点率70%以上で合格となります。就職や転職を目指している場合は、キャリアコーディネーターに相談し、必要なサポートが受けられます。
メンタルケアアドバイザー
メンタルケアアドバイザーは、はじめて心理学を学ぶ方にもおすすめの資格です。心理学の専門用語が学べるのはもちろん、心を軽くする方法や話し方・聴き方のテクニックなど、日常生活で役立つ知識が身につきます。メンタルケアアドバイザーの資格取得では、試験を受ける必要はありません。
一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)認定校のカリキュラムを修了すれば資格が取得できるので、仕事や家事で忙しい方や試験が苦手な方にも向いています。教材セットには心理テストも用意されており、自分自身の心の健康度や思考傾向などを客観的に分析できます。全3回の無料メールカウンセリングサービスでは、自身の抱える悩みを相談することも可能です。
心理学用語をビジネスや日常に役立てよう

心理学用語は、ビジネスや日常生活、恋愛をはじめ、さまざまな場面で役立ちます。心理学的なアプローチを学ぶことで、コミュニケーションが円滑になり、良好な人間関係を築きやすくなります。
実践的な心理学のスキルを身につけたいなら、通信講座の活用がおすすめです。キャリカレの通信講座なら、数ある講座のなかから目的や難易度に合わせたものをお選びいただけます。「家族療法カウンセラー」「チャイルドカウンセラー」のW取得が目指せる講座など、バリエーション豊かなプランをご用意しています。まずはお気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
資格のキャリカレ編集部
150以上の通信教育資格講座を展開し、資格取得・実用スキルの習得はもちろん、キャリアサポートまで行う資格のキャリカレ編集部が運営するコラムです。心理カウンセラーは、悩みをもつ人の相談に乗って解決に導く仕事として、人気の高い資格です。心理カウンセラーの詳細や資格試験の詳細、資格の魅力などの最新情報をお伝えしています。