簿記試験のCBT方式とは?実施方法を理解し合格への対策をとろう!

簿記試験のCBT方式とは?実施方法を理解し合格への対策をとろう!

日商簿記試験は、第155回試験が新型コロナウイルス感染症の影響により中止となったほか、2020年11月の第156回試験も規模を大幅に縮小したため、多くの受験生が受験できない状況となりました。これらの損失を少しでも回避するために始められたのが、CBT方式と呼ばれる試験です。ここではCBT方式とは?その解答方式や対策など、詳しく解説します。

目次

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CBT方式とは?

CBT方式とは?

CBT方式という言葉は、聞き慣れない方も多いかと思います。
まず、CBTの内容について解説しましょう。

簿記初級や原価計算初級に加え、3級・2級においても導入されたネット試験

CBT方式で行う試験とは、これまでの紙を使った試験に代わって、指定のテストセンターでパソコンを使って試験を受けるネット試験をさします。
パソコンを使うといっても、自宅で自分のパソコンを使うことはできません。

簿記試験においては、簿記初級や原価計算初級の試験では既に導入されていました。
簿記3級・2級試験においても、2020年12月に開始されたのです。
12月に開始されたのは、次のような事情が関係しています。

受験機会の確保が目的

ネット試験の開始が、本来の紙試験を実施する月ではない12月となったのは、11月の試験において試験会場の確保が困難だったために、受験できない受験者が多数発生したことが理由です。

コロナウイルスの収束が見えない中で、従来通りの紙媒体のみでは会場の確保が困難になっています。
簿記試験の中でも、3級と2級は受験者が多く、受験できない受験者がさらに増加する恐れもあることから、ネット試験の実施に踏み切りました。

ネット試験と紙試験は、受験料は同額であり、合格時には履歴書などに「日商簿記×級合格」と記載できる点も共通しています。

さらに、2021年6月以降の試験では、ペーパー試験の制限時間がネット試験と統一され、3級は60分・2級は90分へ変更されます。
その分、出題形式は若干の変更が加えられます。
これまでは、両級とも120分の制限時間だったため、試験勉強の際には時間に十分気をつけて配分する必要があります。

随時開催のため、受験チャンスが増える

従来の紙試験は、年3回の実施でしたが、ネット受験はテストセンターで随時実施されます。
これによりテストセンター側で空きがある限り、自分の予定に合ったタイミングで受験が可能です。
また、ネット受験では、試験終了後合否がその場で分かるため、その場で次の予定を考えることもできます。

万が一体調を崩して欠席したり不合格となってしまったりしても、すぐ次のチャンスを狙えるのは嬉しい運用です。
特に、就職や進学のセールスポイントとするために急いで結果が知りたい方にとっては、大変便利です。

ネット試験の申し込みをするときには、受験場所と受験科目をしっかり確認しましょう。
簿記初級および原価計算のネット試験を実施していても、簿記3級および2級の試験を実施していないセンターもあるためです。

日商簿記の2級・3級については、受験停止期間が設けられています。
下記の日程ではCBT試験を受けられないので注意しましょう。

・2022年4月1日(金)~2022年4月13日(水)
・2022年6月6日(月)~2022年6月15日(水)
・2022年11月14日(月)~2022年11月23日(水・祝)
・2023年2月20日(月)~2023年3月1日(水)

参照株式会社CBT-Solutions(日商簿記 | CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト)

試験時間と受験料は従来と異なる

統一試験とCBT試験では、試験時間と受験料が異なります。
統一試験の試験時間は2級、3級どちらとも120分ですが、CBT試験は2級90分、3級60分です。

仕訳問題はプルダウン式を採用しているため、入力は必要ありません。
ただし、統一試験よりも試験時間が短いので、時間配分に気をつけてスムーズに解くことが大切です。

受験料自体は、統一試験とCBT試験で変わることはありません。
CBT試験では手数料550円がプラスされるので、その分統一試験よりも費用が多くかかります。

受験者ごとで問題が異なる

ネット試験の大きな特徴として、受験者ごとで問題が異なる点があげられます。紙試験では、全国で試験問題が統一されていますが、ネット試験では受験回数が多いためにランダムで出題されるといわれています。
この仕組みにより、ネット試験では同じ日に同じ試験会場で試験を受けても、異なる試験問題で臨むことになります。

さらに、直前予想と呼ばれる対策(前回までの出題傾向から次回の出題を予想する)も困難になるでしょう。
直前予想ができないことで、試験範囲をくまなく勉強する重要性がさらに高まるかも知れません。

紙試験では、これまで通り同じ日の試験であれば同じ試験問題が出題されます。
また、直前予想も可能でしょう。

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CBT方式試験の合格発表までの流れ

CBT方式試験の合格発表までの流れ

CBT方式試験では、申し込みから合格発表まで以下の流れで進んでいきます。

1.IDとパスワードを取得する
2.受験の申し込みをする
3.試験会場で受験する
4.合格発表

IDとパスワードを取得する

CBT方式試験で受験するためには、IDとパスワードを取得する必要があります。
新規登録ページでメールアドレスを登録し、IDとパスワードを設定しましょう。

受験者専用ページにアクセスできるようになり、試験の申し込みや変更、キャンセルなど各種設定を行えるようになります。

受験の申し込みをする

受験者専用ページにアクセスし、「CBT申込」から受験の申し込みを行いましょう。
受験予約ページでは、以下の項目を選択します

・希望する試験
・試験の日付、会場、時間
・支払い方法(クレジットカード、コンビニ決済、Pay-easy決済)

受験予約が完了すると、登録したメールアドレスに予約完了のお知らせが届きます。
申し込み内容や支払い手続き、会場の地図などが記載されているので、必ず確認し、念のため保存しておきましょう。

試験会場で受験する

試験時間に遅刻すると受験できないので、試験会場には試験開始5~30分前には到着しておきましょう。
試験会場では本人確認書類の提示を求められるので、身分証明書を必ず用意してください。

荷物は、筆記用具とメモ用紙、電卓のみで、その他のものは指定のロッカーなどに預ける必要があります。
電卓は万が一忘れても、試験会場で貸してもらえることがほとんどです。

会場で受け取る受験ログイン情報シートに記載されたIDとパスワードをテストマシンで入力すると、試験が始まります。
トラブルが起きた際は、近くの試験官に問い合わせましょう。

合格発表

試験は自動採点されるため、その場で合格・不合格がわかります。
合格の場合は試験官に伝えると、成績と合否が記された書類を受け取ることが可能です。
書類に印字されたQRコードを読み取ると、合格証書が表示されます。

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簿記のCBT試験 、解答方式はどうしたらいいの?

簿記のCBT試験 、解答方式はどうしたらいいの?

紙試験では、解答は紙に書いていましたが、ネット試験ではどのように解答したら良いのでしょうか。

勘定科目はプルダウン式

仕訳表や貸借対照表などの勘定項目を選択するときは、複数ある候補からクリックして選択する「プルダウン形式」で解答します。

ただし、仕訳問題1つに対して、勘定項目は1度しか使えないようになっているのです。
つまり、借方と貸方でそれぞれ1度ずつ使うのは可能とされています。

金額はキーボードで入力

金額を入力するときは、数字を半角で入力する仕組みとなっています。
Enterを押して確定させると、自動的にカンマがつくようになっているのです。

万が一、カンマが自動的につかない場合は、試験会場のスタッフを読んで伝えるようにしましょう。
システムエラーによっては、正確に採点されず、0点の扱いになってしまう恐れがあります。

入力式は漢字の穴埋め

入力式となっているのは、勘定科目の一部を漢字で穴埋めする問題です。
「〇〇法人税」のうち、〇〇に該当する漢字を入力するといった流れです。

理論もプルダウンで出題

文章の中に一部空欄が作られ、空欄に入る言葉をプルダウンで選択して解答する問題もあります。
この場合は、仕分けや帳簿についての基本的な流れが分かっていれば、完全に言葉を覚えていなくとも解答が可能です。

関連記事簿記1級・2級・3級の試験日・申し込みの流れを解説

簿記のCBT試験対策は?

簿記のCBT試験対策は?

CBT方式によるネット試験は、紙試験と異なる部分も多いため、合格を目指すには改めて対策を講じる必要があります。
その方法を紹介します。

勉強法や勉強範囲はこれまで通り

紙試験とネット試験では、出題範囲は変わらず、勉強法もこれまで通り行って問題ありません。
どちらの出題方法でも対応できるよう、これまで以上に入念に範囲を勉強していくことが重要です。

素早く正確に解答できるよう練習が必要

紙試験では、2021年6月実施分の試験から制限時間がネット試験と同様とされます。
これまで120分であった時間が、3級では60分、2級では90分に変更となるのです。

この時間内に、問題を解き終われるように練習していくことが必要ですので、模擬試験などを行うときは特に時間を意識して取り組むようにしましょう。

過去問題への対策がとりづらくなるため、独学の難易度は上がる可能性大

先ほど解説したように、ネット問題は受験者ごとで出題される問題が異なります。
これにより、ネット試験で出題された過去問題が公表される可能性は減ってくるでしょう。

独学で勉強を進めるのに、過去問題を解くことはとても重要な対策となるのですが、今後は紙試験の過去問題のみとなる可能性が高いため、独学の難易度が上がる可能性も大きくなるでしょう。

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簿記試験に合格するにはどこがおすすめ?

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まとめ

CBT試験が導入され試験勉強の取り組み方も変わってきています。
ネット試験は何が出題されるか傾向が掴みづらいことから、幅広く理解しておくことが必要になります。

そのためこれから学習を始める方、簿記試験の紙試験・ネット試験の両方に対応できる実力をつけようと思っている方は、資格のキャリカレの「簿記3・2級講座」で勉強をはじめるのがおすすめです。

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この記事の監修者

資格のキャリカレ編集部

150以上の通信教育資格講座を展開し、資格取得・実用スキルの習得はもちろん、キャリアサポートまで行う資格のキャリカレ編集部が運営するコラムです。簿記は一度取得すれば、ビジネスにも家計にも役立つ資格です。簿記検定の詳細や試験対策をはじめ、仕分け・試算表の作成方法など、簿記の魅力や最新情報をお伝えしています。

資格のキャリカレ編集部

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