FP3級はどんな試験?内容や合格率、実技試験についても詳しく解説
こんにちは、資格のキャリカレ編集部です。
FP(ファイナンシャルプランナー)3級は、FPの入門試験です。初めて学ぶ人がほとんどであるため、比較的取り組みやすい内容で構成されています。FP3級試験を初めて受けようとすると、どのくらいの割合で合格者が出ているのか、難易度はどの程度なのか、実技試験はどのようなものなのか、気になる方も多いかと思います。そこで今回は、FP3級試験の合格率や難易度、実技試験について解説します。
目次
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- 始めやすい受講料
- 初心者でも最短3か月で取得可能
- 万が一不合格だった場合、受講料を全額返金
※全額返金には条件があります。詳しくはこちらをご覧ください。 - 合格した場合、2講座目を無料で受講できる
※2講座目無料サービスには条件があります。詳しくはこちらをご覧ください。 - 日本FP協会や金融財政事情研究会の実技試験に対応している
「きんざい」と「日本FP協会」とは?
FP3級試験は、「金融財政事情研究会」(以下:きんざい)と「日本FP協会」の2機関で受験できます。
まず、各機関の概要について解説します。
2つの指定機関で試験を受けられるようになったわけ
もともと、きんざいでは「金融渉外技能審査」(金財FP)、日本FP協会ではCFP・AFPの資格認定を、それぞれの機関で独自に行っていました。
2001年(平成13年)に、職業能力開発促進法が一部改正され、民間機関が技能検定を担う「指定試験機関制度」が確立されました。
翌年、制度の対象職種にFPが加えられたことから、それまで資格認定を行っていた2機関が実績を認められ、複数指定試験機関方式を採用し、どちらの機関でもFP試験が受けられるようになったのです。
「きんざい」と「日本FP協会」の違い
きんざいと日本FP協会では、FP試験における学科試験は共通ですが、実技試験で受験できる科目が異なるという違いがあります。
【きんざいの実技】
個人資産相談業務(金融資産、不動産、贈与・相続、ライフプランニング、年金、税金など)、保険顧客資産相談業務(保険に特化した内容)のいずれか
【日本FP協会の実技】
資産設計提案業務(個人資産相談業務とほぼ同じ内容)
FP試験に合格した証しとなる合格証書は、2機関でデザインが若干異なりますが、合格の価値は全く変わりません。
2級・1級FP試験や、AFP・CFP試験を受ける際の条件としても、どの科目の受験でも有効です。
また、両機関は試験会場が異なりますが、試験日時は同じです。
FP3級はどっちで受けるべき?
FP3級試験を、きんざいと日本FP協会のどちらで受けるかは、どの実技試験を受けるかで決めると良いでしょう。
実技試験の過去問題は、それぞれの機関のホームページで公開されていますので、実際に解いてみて自分に合った科目を選ぶのも一つの方法です。
FP協会の実技試験は出題範囲が幅広い一方で、きんざいの実技試験は難易度が若干高い傾向が見られます。
FP3級の受検料金について
等級 | 試験種類 | 受検手数料 (非課税) |
---|---|---|
3級 | 学科と実技 | 8,000円 |
学科 | 4,000円 | |
実技 | 4,000円 |
FP3級の受検料は、学科試験が4,000円、実技試験が4,000円の計8,000円です。
FP3級・2級では、FP協会ときんざいで受検料の差はありません。
ただし、FP1級はFP協会ときんざいで受検料が異なります。
FP協会は実技のみの試験で20,000円、きんざいは学科試験が8,900円、実技試験が28,000円の計36,900円となっています。
FP3級の試験内容と難易度はどのくらい?
FP3級は基本の学習をしっかりと行っておけば、比較的受かりやすいといわれています。
FP3級の合格率は、日本FP協会では学科・実技ともに75%以上であり、他の国家資格と比べても高い水準にあります。
ただし、誰でも合格できるわけではない、という点を十分に理解しておきましょう。
試験はきんざい・日本FP協会という2つの実施元で分かれており、学科試験については大きな差はありませんが、実技試験については難易度に差が出ているのが実情です。
ここからは、FP3級の試験内容や難易度について見ていきましょう。
FP3級の試験内容
FP3級の試験は、学科試験と実技試験で構成されています。
学科試験は、個人の資金計画から保険・税金・投資・不動産取引・相続に至るまで、お金にまつわる幅広い分野の問題が出題される傾向です。
学科試験はきんざい・日本FP協会ともに60問で、解答方法は全てマークシート方式となっています。
実技試験では、個々の受験者が選択した試験を受けることが可能です。
実技試験の詳細については、次で解説します。
【きんざい:実技試験】
※問題数5問・記述式
試験科目 | 内容 |
---|---|
個人資産相談業務 | お金と暮らしのついての幅広い知識が問われる問題が出題されます。不動産、相続、税金、年金などが範囲とされています。学科試験の範囲をほぼ網羅しますので、取り組みやすい問題と言えるかも |
生保顧客資産相談業務 | 保険内容に特化した試験内容です。保険業界で仕事をしたい方は、この試験を選ぶと良いでしょう。FP2級試験を受ける際の予行演習ととらえることもできます。 |
【日本FP協会:実技】
※問題数20問・記述式
試験科目 | 内容 |
---|---|
資産設計提案業務 | きんざいの「個人資産相談業務」とほぼ同じ試験範囲となっています。 |
この中からどれを選択するかは、自分がどの分野を学びたいかという点を重視して選択すると良いでしょう。
また、 公式サイトから過去問題
をダウンロードして、実際に解いてみたうえで決める方法もあります。
FP3級の難易度
FP3級試験の難易度は、数ある国家試験のなかでいえば比較的低いといってよいでしょう。
FP3級に合格するには、お金にまつわる基本的・常識的な知識を蓄えておくことが必要不可欠です。
しかし逆をいえば、FP3級の試験範囲のなかには、一定の社会経験・経済活動経験がある方なら、あえて勉強しなくても自然に身についている知識も多数出題される傾向にあります。
実際にFP試験3級の合格率は例年70%前後で推移しており、国家試験のなかでは高い水準です。
また、合格基準は得点率60%程度なので、テキストや過去問をまんべんなく勉強しておけば、初めて受験する方でも合格レベルに到達することは決して難しくないでしょう。
実技の試験で覚えることはなに?
FP3級の実技試験では、日本FP協会ときんざいで内容が異なることを解説しました。
実技試験の対策として、各試験で出される頻度が多いテーマを覚えておくと、同じような出題パターンであることが分かってくるでしょう。
そのためには、過去問を徹底的に解くのが重要な対策です。
個人資産相談業務では、学科試験の範囲となっている金融資産、不動産、相続・贈与、年金、税金などの幅広い知識が問われます。
保険顧客資産相談業務は、保険に特化した科目ですので、保険関係の仕事に就きたい人が選択することをおすすめします。
資産設計提案業務は、個人資産相談業務とほぼ同じ試験範囲です。
FP3級の学科・実技の合格率はどのくらい?
学科と実技それぞれの合格率
FP3級試験全体の合格率は70%前後だと先述しましたが、学科と実技それぞれの合格率はこの数値とは異なります。
各実施機関における合格率の推移は、次のとおりです。
【日本FP協会 FP3級合格率】
試験年月 | 学科試験 | 実技試験 |
---|---|---|
2022年5月 | 83.37% | 90.33% |
2022年1月 | 87.01% | 90.75% |
2021年9月 | 84.69% | 80.50% |
2021年5月 | 83.25% | 76.65% |
2021年1月 | 87.92% | 86.53% |
2020年9月 | 89.64% | 88.04% |
2020年5月 | 中止 | 中止 |
2020年1月 | 85.34% | 79.45% |
2019年9月 | 78.09% | 79.48% |
2019年5月 | 69.07% | 86.42% |
【きんざい FP3級合格率】
試験年月 | 学科試験 | 実技試験<個人> | 実技試験<保険> |
---|---|---|---|
2022年5月 | 49.03% | 62.24% | 45.64% |
2022年1月 | 62.52% | 53.14% | 39.53% |
2021年9月 | 53.31% | 43.25% | 48.68% |
2021年5月 | 47.81% | 59.63% | 47.76% |
2021年1月 | 63.75% | 58.63% | 56.01% |
2020年9月 | 69.28% | 35.28% | 56.20% |
2020年5月 | 中止 | 中止 | 中止 |
2020年1月 | 65.43% | 50.22% | 48.19% |
2019年9月 | 62.77% | 45.44% | 43.31% |
2019年5月 | 42.76% | 54.35% | 44.85% |
参考:試験結果 |
一般社団法人 金融財政事情研究会
※実技<個人>:個人資産相談業務、実技<保険>:保険顧客資産相談業務
日本FP協会の試験よりも、きんざいの試験の合格率がやや低い理由は、法人単位で申し込んで受検する受検者が多いことや、実技試験の専門性が高いという理由が考えられます。
気になる合格点・配点は?
FP3級試験の合格点と配点は、次のようになっています。
試験科目 | 実施団体 | 科目 | 配点 | 合格点 |
---|---|---|---|---|
学科 | 共通 | ー | 60 | 36 |
実技 | 日本FP協会 | 資産設計提案業務 | 100 | 60 |
きんざい | 個人資産相談業務 | 50 | 30 | |
保険顧客資産相談業務 | 50 | 30 |
学科試験は、日本FP協会ときんざいで共通の内容ですので、どちらで受検しても配点基準や合格ラインは同じです。
2択問題と3択問題が、それぞれ30問ずつ出題されます。
各分野から均等に出題されているため、どの分野もまんべんなく勉強するようにしましょう。
実技試験は、資産設計提案業務は1問5点で計20問出題されます。個人資産相談業務と保険顧客資産相談業務は、3点が10問・4点が5問で計15問出題されます。
両方合格してから技能士に認定される
FP試験では、どの級でも学科と実技の両方に合格して、初めて技能士として認定されます。
どちらか一方が不合格になってしまった場合は、次回以降の有効期限内に受検の出願をする際、「一部合格の免除申請」を行う必要があるのです。
こうすることで、不合格になった科目のみを受検できます。
免除申請の方法は、合格した際の一部合格番号を、受検申請書に記入します。
ここで記入を忘れてしまうと、学科もしくは実技どちらか片方のみの受検者とみなされ、免除扱いとは異なってしまいます。
後日手続きしなくてはいけなくなるため、忘れずに記入しましょう。
FP3級に独学で合格するためのスケジュール・ポイント
独学で合格するためのスケジュール
FP3級は、受検の年齢制限も設定されておらず、実務経験や資格も問われません。
FP3級の試験は、基本的な知識を問う問題が中心であるため、独学でも十分合格を狙える試験です。
FP3級の試験合格を目指すための勉強時間は、一般的には80時間から150時間ほどが目安だとされています。
例えば、1日に2時間勉強すると想定した場合、勉強期間は2ヶ月から3ヶ月ほどです。
FP3級の勉強スケジュールを立てる際には、自分が1日あたりで勉強できる時間数を考慮し、勉強期間を決めることが重要です。
試験日から逆算し、計画的に学習を進められるスケジュールを立てましょう。
独学で合格するための勉強のポイント
FP3級の出題範囲となる科目は6科目あります。
試験方法はCBT方式であり、文章の記述や口述などの難しい対策は必要ありません。
そのため、いずれの科目もまんべんなく過去問や問題演習を活用して勉強することがポイントとなります。
FP試験は学科試験と実技試験がありますが、実技試験は学科試験に比べて応用的な出題になります。
まずは学科試験に注力して基本的な知識を押さえましょう。
また、独学の場合は一人でスケジュールを立てて学習しなければならないため、モチベーションを維持することが難しいという人も中にはいます。
そのため、学習目的を明確にし、勉強に合わせた環境づくりをすることが大切です。
もし勉強の習慣が身に付いていないという人は、10分程テキストを読み進めるなど、小さなステップから始めることも効果的でしょう。
FP試験の独学については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、合わせてチェックしてみましょう。
FP3級合格者の年齢や業種の傾向は?
FP3級の試験は、どのような人が受け、合格を勝ち取っているのでしょうか。
社会人や主婦など幅広い
FP3級の試験は、年齢制限や実務経験などの受検資格はありませんので、誰でも受検することができます。
このため、幅広い年齢層の人々が、各自の目的や目標を持って試験に臨むのです。
例えば、社会人であれば、仕事のスキルアップや業務知識を増やすため、また副業や独立を計画していることもあります。
学生の場合は、就職に有利となるよう、またFPの知識が必要な職種であれば、必須項目として勉強しなければいけません。
近年では、主婦の受検も増加していますが、これは家族のマネープランを立てるのに役立つためです。
住宅の購入時におけるローンや子供の進学費用、老後の生活費、自分に適した生命保険など、FP3級で学ぶ内容は、そのまま家庭生活に直結していると言っても過言ではないほどです。
このように、仕事面だけでなく生活面でも役立つ知識であることが、FP3級の試験に対する注目度が高まっている要因と言えるのです。
FP3級を取得するメリットとは
FP3級は、FPの入門編と言える試験内容です。
はじめてFPの勉強をする人にとって、基礎知識が身についているかどうかを確かめられます。
FP3級で出題される内容は、暮らしに直結した内容も多く、年金・相続・生命保険など人生のターニングポイントにおいて悩む人が多い問題点も大きく関係しています。
主婦の方でFP3級の知識があれば、適切な対処法が取れるのがメリットです。
近年、FP3級を受験する学生の方も増えており、年代を問わずお金の管理に関心を持つきっかけになるケースも多くなっています。
お金に関する知識が身につく
FP3級は、幅広いジャンルのお金に関する基礎力を試すことができる試験です。
FP技能試験は国家資格という権威ある資格ではありながら、3級試験の内容はいたって基本的であり、理解することが難しい事柄はそれほどありません。
また、「貯蓄・ローン・保険のことはある程度わかっていても、投資や税金のことは知らない」といった知識の偏りがある方が、FP3級試験に向けた勉強をすると、お金に関する基本的な知識を幅広く身につけることが可能なのでおすすめです。
FP3級試験は、お金の管理方法や社会ルールに則したお金の扱い方を学んでおきたいという、若年層・学生にもぴったりの資格試験といえます。
FP2級の受験資格を得られる
きわめて基本的なレベルのFP3級に比べて、就職・転職にも有用性が高いとされているのがFP2級です。
お金に関する基礎知識が備わっていることの証となるFP3級は、FP2級試験の受験資格でもあります。
そのため、実際にFPを職業にしたい方や、FP資格を職場で生かしたい方は、FP2級取得の前段階としてFP3級に合格しておくことがおすすめです。
スキルアップの第一歩とするために、まずはFP3級試験合格を狙ってみてはいかがでしょうか?
FP3級試験に効率よく合格するには?
FP3級の合格を目指すには、基本的な知識のマスターを最重要課題として取り組みましょう。
とはいえ試験範囲が幅広いため、勉強を始めたばかりの段階ではどこから手をつけたらいいのか迷ってしまうかもしれません。
この場合には、まずテキストを一通り読み、その後問題集を解き、過去問題を解いてテキストで再度知識を深めるのが効果的です。
年月が経っているテキストでは、随時変更される法令に対応できなくなるため、最新版のテキストを使いましょう。
過去問題は、本番と同じ時間設定で行うのが効果的ですが、1回分を解くのに3時間かかります。
これに、答え合わせや見直しの時間を含めると、4時間ほど見ておきたいものです。
過去に出題された問題は、繰り返し出される可能性が高いため、見直しをきちんと行うことで知識を増やせるようになります。
市販されているFP3級対策テキストは、きんざい・日本FP協会どちらの試験にも対応しています。
中身を一通り確認してみたうえで、自分が理解しやすいと思えるテキストを選びましょう。
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まとめ
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この記事の監修者
資格のキャリカレ編集部
150以上の通信教育資格講座を展開し、資格取得・実用スキルの習得はもちろん、キャリアサポートまで行う資格のキャリカレ編集部が運営するコラムです。ファイナンシャルプランナー(FP技能士)は税金・保険・などの知識を持ち、ライフプラン設計を行う専門家です。ファイナンシャルプランナー(FP技能士)試験の詳細や試験対策をはじめ、魅力や最新情報をお伝えしています。