FP1級の合格率と難易度は?難関と言われる理由と合わせてご紹介

FP1級は、資格試験の中でも難関だと言われており、難易度は2級よりも格段に上がります。合格率が低く、難易度が高いと聞くと、自信をなくしてしまう人がいるかも知れませんが、難関と言われている理由が分かれば、試験対策もとりやすくなります。FP1級に合格するには、試験勉強を進めるのと同時に、試験の仕組みを理解することも重要です。ここでは、FP1級の合格率や難易度と合わせて、難関と言われる理由もご紹介しますので、試験勉強の参考にしていただければと思います。
目次
FP1級の合格率はどのくらい?

最初に、FP1級試験における合格率の具体的な数値を見ていきましょう。
学科試験と実技試験で合格率が異なる
FP1級試験は、学科試験と実技試験に分かれていますが、双方の合格率は大幅に異なります。
実技試験は、2つの実施機関がありますが、機関によっても数値は違います。
それぞれの数値は、次のとおりです。
学科試験合格率(きんざいでのみ実施)
試験日程 | 合格率 |
---|---|
2022年6月 | 9.39% |
2022年1月 | 6.67% |
2021年9月 | 13.03% |
2021年5月 | 20.05% |
2021年1月 | 9.95% |
2020年9月 | 15.01% |
2020年5月 | 中止 |
2020年1月 | 11.81% |
2019年9月 | 10.14% |
2019年5月 | 11.77% |
2019年1月 | 8.45% |
2018年9月 | 8.24% |
実技試験合格率(きんざい)
試験日程 | 合格率 |
---|---|
2022年6月 | 85.98% |
2022年2月 | 85.88% |
2021年9月・10月 | 85.16% |
2021年6月 | 85.27% |
2021年2月 | 88.49% |
2020年9月・10月 | 86.34% |
2020年6月 | 中止 |
2020年2月 | 84.92% |
2019年10月 | 83.10% |
2019年6月 | 85.69% |
2019年2月 | 86.46% |
2018年6月 | 85.40% |
実技試験(日本FP協会)
試験日程 | 合格率 |
---|---|
2021年9月 | 93.8% |
2020年9月 | 97.7% |
2019年9月 | 93.0% |
2019年1月 | 100.0% (2018年9月に起きた北海道地震で、札幌会場での実技試験が中止になった分の追試験で、会場の受検者のみが対象となった) |
2018年9月 | 71.3% |
2017年9月 | 88.1% |
2016年9月 | 87.0% |
2015年9月 | 96.5% |
この表から分かることは、きんざいが行う学科試験の合格率が、突出して低いことです。
学科試験の難関を合格したうえで受検する実技試験は、合格率がかなり高くなっています。
合格ラインはどのくらいなの?

FP1級試験の合格率が分かったところで、合格ラインはどのくらいで設定されているのでしょうか。
学科・実技とも6割
学科試験は、200点満点のうち120点以上が合格基準とされています。
きんざいの実技試験は、異なる設定で2回に分けて行われます。
1回目・2回目ともに100点ずつの計200点満点であり、このうち合計120点以上で合格となります。
日本FP協会の実技試験は、100満点のうち60点以上で合格となります。
すなわち、どちらの実施機関であっても、合格ラインは6割とされています。
きんざいでFP1級実技試験を受ける際の流れ
きんざいで受ける実技試験は面接方式ですが、流れが特殊ですので、詳しくご説明します。
まず、試験会場に集合したら、面接が始まる15分前になると「設例」が渡されます。
この設例に基づき、面接官からさまざまな質問を受けますので、自分の順番が来るまでに提案内容を考えておきましょう。
設例が書かれた紙の余白には、メモ書きをすることができますので、想定される質問に対する答えを書いておくと安心です。
マーカーを引くのも自由です。
順番が来たら面談室に入り、質問に答えながら設例の要点を説明し、自分が考案したファイナンシャル・プランニングを提案します。
顧客の立場に立った提案ができるかどうかが、重点的に問われる傾向があるようです。
1人当たりの面接所要時間は12分です。
試験の性質上、派手な服装やラフな格好は避け、試験に適した服装で受検しましょう。
日本FP協会でFP1級実技試験を受ける際の流れ
日本FP協会での実技試験は、記述式の筆記試験となっています。
記述式には、択一・語群選択・空欄記入・論述の各形式が含まれます。
問題数は2題(20問)で、制限時間は120分です。
出題範囲は幅広く、きんざいで実施される学科試験および日本FP協会が実施するCFPの6分野が全て該当します。
CFPの6分野とは、次の内容となっています。
<金融資産運用設計>
コンサルティングで生かせるように、金融に関する知識が問われることに加え、応用問題が出される可能性もあります。<不動産運用設計>
不動産の売買・賃貸借および有効活用のための相談・助言を中心として、基本的知識に加え応用力も問われます。<ライフプランニングおよびリタイアメントプランニング>
FPに求められる基本的な能力ですが、事例ごとに適切に対応できるか、また時事問題をきちんと把握しているかなど、広範囲にわたった範囲が設定されます。<リスクと保険>
生命保険分野と損害保険分野に分かれますが、どちらの分野でも約款・保険証券・重要事項説明書・提案書などの抜粋から内容を読み取って解答する問題も多いです。このため、約款などの知識を得ておくことが、実務でも重要なポイントです。
<タックスプランニング>
税金についての総合的な知識が問われます。各税における税額計算をはじめ、税務手続き、財務諸表の見方、税金の仕組みなどの知識が必要です。
さらに、複数の税目にわたって関わる知識、毎年行われる税制改革など、最新情報にも気を配らないといけません。
<相続・事業承継設計>
相続や事業承継は、個々で状況が異なるため、総合的な知識を持ってケースごとに最適な計画を立てたり助言を行ったりする能力が求められます。FP1級の難易度が高いのはなぜ?

FP1級の合格率は、特に学科試験でとても低いことをご紹介しましたが、1級の難易度が高いのにはどのような理由があるのでしょうか。
試験対策ができる教材が少ない
FP1級試験の出題内容は、範囲が広いうえにマニアックなものが多く、試験対策のための教材が少ないのが実情です。
1級合格を目指している人は、不動産や金融業界などのスペシャリストになることを目標とするケースが多いため、受検希望者は限定されます。
このため、作成する教材もそれほど多くないことから、3級や2級と比べると1級の教材は半分以下しかないと言われています。
2級・3級に比べて、出題対象となる法改正の範囲が広い
FP2級や3級試験の範囲となる法改正は、試験日時点に施行されているもののみが出題対象となっています。
これに対し、1級の出題範囲は、この先施行されることが決まっている法改正や立法も範囲に含まれます。
市販されている教材では、将来施行される法には対応できないのです。
過去問題は参考にならない傾向が見られる
FP1級の試験は、毎年のように新しい傾向が組み込まれた問題が出題されます。
過去に同じような問題が出されていれば、過去問題を解くことで傾向が見えてくるのですが、1級では過去問題と似た問題が出される確率は格段に下がります。
自らの力で最新の情報を集める姿勢が求められることも、1級試験が難関と言われる理由のひとつです。
まとめ
FP1級試験は、難易度が高いことで知られる試験ですが、適切な方法により勉強することで合格への道が開けますので、頑張ってチャレンジしていきましょう。
なお、FP1級を受検するためには、FP2級に合格しているなどの条件がありますので、FP2級をお持ちでない方は、まずはFP2級の勉強からはじめていきましょう。
これからFP2級の勉強をスタートするという方には、資格のキャリカレのFP講座がおすすめです。
わかりやすいテキスト・映像講義、丁寧な質問指導に加え、万が一不合格の場合は全額返金保証、合格すると次の講座が無料になるなど、サポートも万全です。
また、FP1級やFP2級に合格したうえで、他の資格とのダブルライセンス所持により、幅広い職業を目指すことが可能です。
資格のキャリカレにおいても、FP1級と合わせて取得する方が多い社会保険労務士(社労士)・宅地建物取引士(宅建士)・行政書士などの講座もラインナップしています。
幅広い資格の取得を目指している方は、ぜひ資格のキャリカレを検討してみてはいかがでしょうか。
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