ITパスポート取得に必要な勉強時間の目安は?確実に合格するためのポイントも紹介

30~40代は、ライフスタイルが変化しやすい時期です。体力面でも働き続けられるのか不安に感じ、転職を考えはじめる方は少なくありません。なかでも事務職は人気の職種ですが、事務職が未経験の場合、「スキル面で不安」という方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、事務職に必要なスキルを習得できるITパスポート資格について、必要な勉強時間や合格のポイントを解説していきます。未経験の方や多忙な方でもチャレンジしやすい資格なので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ITパスポートとは?

ITパスポートとは、ITに関する基本的な知識が身に付いていることを証明できる、経済産業省認定の国家資格です。今やITは、私たちの社会にとって欠かせない存在となりました。転職後に即戦力として活躍するためにも、ITや情報セキュリティの知識はすべての社会人にとって必要不可欠といえるでしょう。
ITと聞くとエンジニア職をイメージしがちですが、事務職や営業職など、幅広い職種や業種で広く求められる知識です。また、大学や高校でITの授業やITパスポート試験の合格対策講座を開設しているところもあり、学生の受験者も増えています。
ITパスポート試験は誰でも受験が可能

ITパスポート試験は受験資格を設けていないので、年齢や学歴、実務経験に関係なく誰でも受験できます。もちろん、非IT系企業に勤めている方も受験可能です。非IT系の受験者からも多数の合格者が出ていることから、試験難易度はあまり高くないといえるでしょう。気負わずにチャレンジしてみてください。
合格率はおよそ50%
令和元年度から令和4年度までのITパスポート試験の受験者数・合格者数・合格率を表にまとめました。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
令和元年度 | 103,812人 | 56,323人 | 52.3% |
令和2年度 | 131,788人 | 77,512人 | 58.8% |
令和3年度 | 211,145人 | 111,241人 | 52.7% |
令和4年度 | 231,526人 | 119,495人 | 51.6% |
受験者数が年々増えているのは、従業員のITリテラシー向上や学び直しで受験を推奨する企業が増えてきているためと考えられます。受験者数が増えても合格率はおよそ50%と高く、情報系のなかでは狙い目の資格です。
社会人経験があると合格に有利
将来に備えて受験する学生も多いITパスポート試験ですが、すでに企業で実務経験を積んできた社会人のほうが合格に有利といえます。その理由として、ITパスポート試験ではIT分野の知識以外にも、企業活動や経営戦略、マネジメントなどに関する知識が問われるからです。
これから転職を考えているなら、経営に関する知識があったほうが、より戦力として期待されます。ITを活用した業務改善の提案などができれば、事務職に留まらないフィールドでの活躍や収入アップなどにもつながりやすいでしょう。
ITパスポート取得に必要な勉強時間

では、ITパスポート資格の取得には、どのくらい勉強時間が必要なのでしょうか。ITの基礎知識がある方と、未経験から挑戦する方に分けて、必要な勉強時間を見ていきましょう。
ITの基礎知識がある場合:100~130時間
情報系の学校を出ている方や、IT系の仕事をしている方は、すでにある程度ITの基礎知識が備わっているため、100~130時間の勉強時間で合格を目指せるでしょう。IT用語など、すでに知っている知識は飛ばしても問題ありませんが、実際の問題形式に慣れておくことは必要です。
また、IT以外にも経営や会計、マネジメントなどに関する知識が問われるので、こちらの学習も忘れてはいけません。
ITの基礎知識がない場合:130~180時間
文系の学校出身の方や、非IT系の仕事をしている方の勉強時間は、130〜180時間といわれています。1日2時間の勉強時間が取れる場合、約2〜3ヶ月かかる計算です。
ITの基礎知識がない場合、専門用語やITの知識を幅広く身に付ける必要があるため、はじめのうちは「難しい」と感じるかもしれません。また、覚えるべき事項が幅広いので、効率的な学習が求められます。全部を一度に覚えようとするのではなく、無理のない範囲で少しずつ理解を深めていくと、挫折しにくいでしょう。
ITパスポート試験の概要と出題範囲

ここからは、ITパスポート試験の中身を具体的に見ていきましょう。概要、出題範囲、合格ラインの3つに分けて解説していきます。
試験概要
試験日 | 試験会場により異なる |
---|---|
試験時間 | 120分 |
出題形式 | 四肢択一式 |
出題分野 |
ストラテジ系(経営全般):35問程度 マネジメント系(IT管理):20問程度 テクノロジ系(IT技術):45問程度 |
合格基準点 |
総合評価点600点以上、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上で合格 ※総合評価の対象は92問(ストラテジ系32問、マネジメント系18問、テクノロジ系42問) ・総合評価点 600点以上/1,000点(総合評価の満点) ・分野別評価点 ストラテジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) マネジメント系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) テクノロジ系 300点以上/1,000点(分野別評価の満点) |
受験料 | 税込7,500円 |
試験日は、日本全国の試験会場でCBT(Computer Based Testing)方式で随時実施されています。CBT方式とは、コンピュータ画面に表示された試験問題に対してマウスやキーボードなどを使って回答する試験方法のことです。
それぞれの試験会場の3ヶ月先までの空席状況や開催日は、以下のURLから確認できます。
【ITパスポート試験】試験開催状況一覧
ITパスポート試験は、IRT(Item Response Theory:項目応答理論)という採点方式で解答結果から評価点を算出するため、その場で合否が分かります。
出題範囲
ITパスポート試験の出題範囲は、大きく3つの分野に分かれています。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.ストラテジ系(経営全般)
大分類 | 中分類 |
---|---|
企業と法務 | 企業活動 |
法務 | |
経営戦略 | 経営戦略マネジメント |
技術戦略マネジメント | |
ビジネスインダストリ | |
システム戦略 | システム戦略 |
システム企画 |
ストラテジ系は、経営全般に関する幅広い知識が問われる分野です。情報化と企業活動に必要な専門用語や概念は特に重要なので、しっかり覚えましょう。よく出題されるのは、高等学校の情報科目、一般的な新聞や雑誌、書籍などに頻繁に登場する用語や概念などの知識です。日頃から新聞などに目を通して、情報処理や経営に関する知見を深めておくと安心です。
2.マネジメント系(IT管理)
大分類 | 中分類 |
---|---|
開発技術 | システム開発技術 |
ソフトウェア開発管理技術 | |
プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント |
サービスマネジメント | サービスマネジメント |
システム監査 |
マネジメント系では、IT管理についての知識が問われます。大きく分類すると、「開発技術」、「プロジェクトマネジメント」、「サービスマネジメント」の3つです。
「開発技術」のうちの「システム開発技術」では、要件定義やシステム設計、プログラミング、テスト、ソフトウェア保守など、システム開発に必要なプロセスの基本的な流れを押さえます。「ソフトウェア開発管理技術」は、開発モデルや手法に関する意義を深めるのが目的です。
3.テクノロジ系(IT技術)
大分類 | 中分類 |
---|---|
基礎理論 | 基礎理論 |
アルゴリズムとプログラミング | |
コンピュータシステム | コンピュータ構成要素 |
システム構成要素 | |
ソフトウェア | |
ハードウェア | |
技術要素 | 情報デザイン |
情報メディア | |
データベース | |
ネットワーク | |
セキュリティ |
テクノロジ系は、IT技術に関する知識が問われる分野です。たとえば、「基礎理論」では、2進数の特徴や演算などに関する考え方を学びます。「コンピュータシステム」では、コンピュータの構成や役割、システムの構成や処理形態の特徴など、IT活用に欠かせない基本的な知識を養います。
ITパスポート試験の合格ライン
ITパスポート試験の問題数は全体で100問あり、総合評価点は1,000点満点です。このうち、600点以上の正解が合格ラインですが、分野別評価点でもそれぞれ1,000点満点中300点以上を得点しないといけません。
言い換えれば、総合評価点が600点を超えていても、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系のどれか1つでも300点未満のものがあれば不合格になってしまいます。分野が偏らないように、バランスよく学習することが大切です。
ITパスポートを勉強する際のポイント

ITパスポートを勉強するには、どんなところに気を付ければいいのでしょうか。勉強する際に押さえておきたい3つのポイントを解説します。
合格までに必要な1日の勉強時間を知る
まず、合格までに必要な1日の勉強時間を知りましょう。自分の理解度をもとに、試験日から逆算して1日に確保できる勉強時間を割り出してください。試験日までに、出題範囲すべてを網羅的に勉強できるよう、余裕を持ったスケジュールを立てることが大切です。
あわせて、受験手続きも忘れてはいけません。試験会場や試験日ごとに空席状況が異なるので、試験日直前の申込だと空きがない可能性があります。確実に受験できるように、少なくとも受験日の1ヶ月前には手続きを済ませておきましょう。
インプット・アウトプットを繰り返す
勉強したことを確実に自分のものにするには、参考書などから知識を習得するインプットと、覚えた知識をもとに問題を解くアウトプットの繰り返しが大切です。
また、朝と夜の時間を上手に使うことで、効率的な反復学習ができます。人間の脳は睡眠中に新しい記憶から整理していくため、インプットは寝る直前に行うのがおすすめです。一方で、朝起きた後は脳がしっかりと働くため、寝る前にインプットした記憶のアウトプットに向いています。ぜひ、試してみてください。
スキマ時間を有効活用する
スキマ時間も有効活用しましょう。通勤時間や家事・育児の合間など、1日の中で数分だけでも手の空く時間が何度か見つかるはずです。1回の勉強時間は短くても、回数を重ねれば30分や1時間勉強したことになり、積み重ねることで十分な勉強時間の確保に繋がります。
また、人間の集中力は、30分が限界といわれているので、スキマ時間を活用して上手に集中力と向き合い学習を進めましょう。
効率的に学習を進めたいなら「通信講座」もおすすめ

「合格までの道筋が立てられない」「誰かに教えてもらいながら勉強したい」という方は、独学以外に通信講座を利用するのがおすすめです。通信講座なら自宅で自分のペースで勉強でき、質問などのサポート体制も整っています。
キャリカレのITパスポート講座なら、1日30分 / 2ヶ月で合格を目指せます。添削指導もついているので、しっかり理解しつつ勉強できるでしょう。忙しくて思うように学習が進まないという方にぴったりの1年サポートつきなので安心です。
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IT知識を持つ人材は多くの企業が必要としているので、ITパスポートの資格を取得すると転職時に有利です。誰でも受験しやすいうえに合格率は50%以上なので、はじめての方でも十分に合格を目指せるでしょう。
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