ケアマネジャー(介護支援専門員)とは|
仕事内容・メリット・デメリット・なり方を解説

ケアマネジャー(介護支援専門員)とは|仕事内容・メリット・デメリット・なり方を解説

ケアマネジャーとは介護や支援を必要とする方のサポートやマネジメントなどを行う仕事で、介護現場に欠かせない存在です。本記事では、ケアマネジャーの仕事内容ややりがい、メリット・デメリットまで詳しく解説します。

この記事でわかること
・ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?
・ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事内容
・ケアマネジャー(介護支援専門員)になる方法

目次

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ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?

ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?

まずは、ケアマネジャー(介護支援専門員)とはどのような仕事・資格かを理解していきましょう。
ケアマネジャーができることや平均年収などにポイントを絞って、ケアマネジャーの概要を解説します。

国家資格ではなく民間の公的資格

ケアマネジャーは、国家資格ではなく民間の公的資格です。
介護系の国家資格は唯一介護福祉士のみとなっています。

ただ、国家資格だから介護福祉士のほうが上ということはなく、それぞれ介護現場で担う役割が異なることを覚えておきましょう。

ケアマネジャーは、介護業務のほかに、ケアプランの作成や市町村との連携などを担い、介護現場のマネジメントを行うプロフェッショナルです。

また、介護福祉士との違いでいうと、難易度も気になるところでしょう。
合格率を見ると、ケアマネジャーは10~20%、介護福祉士は約70%であるため、ケアマネジャーのほうが難易度は高いです。

6つのできること

ケアマネジャーができることは、以下の通りです。

・公正中立な立場:利用者またはその家族の希望を踏まえつつ、公正中立にケアマネジメントを行う
・モニタリング:利用者の自宅を訪問し、本人や家族の状態を把握する
・入所支援:入所希望者に対して、入所できる施設との調整や支援を行う
・入退院支援:利用者の入退院にあたって、医療機関と連携する
・要介護認定の申請援助・代行:要介護認定の申請サポートや代行をする
・事務手続き:業務や報酬請求などの事務を行う

上記は一部であり、ケアプランの作成や各所への連絡などを行い、利用者の生活を幅広くサポートします。
利用者本人や家族が困っていることを聞き、解決策を考えるなど、日常的な相談にのるのも大切な仕事です。

平均年収

厚生労働省が発表した令和4年度 介護従事者処遇状況等調査結果によると、ケアマネジャーの平均給与は36万1,170円です。
年収に換算すると約432万円になります。

参考令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果

役職や実務経験などに応じて昇給したり、施設勤務か居宅かで給与が変わったりするため、平均年収はあくまで目安と捉えましょう。

なお、ケアマネジャーの年収については以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事ケアマネジャー(介護支援専門員)の年収や初任給は?介護系職種との比較も

ケアマネジャーと介護福祉士の違いとは

ケアマネジャーと介護福祉士の違いとは

介護の世界にはさまざまな職種と資格が存在しますが、中でも「ケアマネジャー」と「介護福祉士」は、とくに注目されるものです。

これら二つの資格は、介護サービス提供のために必要なものですが、その役割や専門性には大きな違いがあります。
試験の難易度、仕事の内容、そして給与という点での違いを中心に解説します。

難易度

ケアマネジャーと介護福祉士は、どちらも介護分野での資格ですが、試験の難易度において大きな違いがあります。

合格率から難易度を比較すると、ケアマネジャー試験の合格率は約10~20%となっており、これに対し介護福祉士試験は近年70%前後です。

この大きな差が生まれる原因の一つは、試験の解答方式だと考えられます。
具体的には、ケアマネジャー試験は5肢複択方式で出題され、受験者は5つの選択肢から正しい答えを複数選ばなければいけません。
一方、介護福祉士では、一つの正解を選ぶだけの形式となっています。

仕事内容

ケアマネジャーと介護福祉士には、仕事内容にも違いがあります。

まず、介護福祉士の主な仕事内容は、介護そのものです。
具体的には、食事や入浴、外出、排泄の介助といった一般的な介護業務を行います。
ケアプランに沿った身体介助を必要とする方々に介護をする役割を担います。

一方、ケアマネジャーの仕事の中心は、介護保険制度に基づいたケアプランの作成と管理です。
そのため、直接的な介護を行うわけではありません。

ケアマネジャーは、介護保険の利用者やその家族からの相談を受け、最適なケアプランを提案し、それに基づくサービスを調整・管理します。
さらに、介護の現場での指導やアドバイスも仕事内容に含まれます。

このように、介護福祉士は現場での直接的な介護を行い、ケアマネジャーは最適なケアを提供するためのバックアップを行う役割を担っています。

年収

さらに両者には年収の違いもあります。
厚生労働省が公表したデータをもとに、ケアマネジャーと介護福祉士の平均年収を比較すると、ケアマネジャーの平均給与は36万1,770円であり、これに対して介護福祉士の平均給与は31万7,540円でした。
年収にすると、ケアマネジャーは約430万円、介護福祉士は約380万円で、約50万円の違いがあります。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事内容

ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事内容

ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事内容は、大きく分けて以下の3つです。
それぞれについて、具体的な仕事をチェックしていきましょう。

・居宅における業務
・施設などにおける業務
・介護予防ケアマネジメント

居宅における業務

居宅における業務では、利用者や家族からの相談を受け、居宅サービス事業者との連携を行います。
ケアマネ事業所や地域包括支援センターなどで働き、各所への連携とともに、ケアプランの作成や入所支援などを行うのが主な仕事です。

施設などにおける業務

施設などにおける業務は、施設を利用している利用者の状況を把握し、よりよい日常生活を送るためにサービス計画を立てます。
居宅における業務と同じく、施設やスタッフと連携し、利用者の自立した生活をサポートするのが仕事です。

介護予防ケアマネジメント

ケアマネジャーは、介護予防ケアマネジメントと呼ばれる仕事も担います。
介護予防ケアマネジメントとは、要支援認定者に対して介護が必要とならないように、心身の支援や生活環境の把握などを行いサポートする業務です。

介護予防を目的に、訪問型サービスや通所型サービスなどと連携し、適切なサービスの提供や援助を行います。

ケアマネジャー(介護支援専門員)のやりがい

ケアマネジャー(介護支援専門員)のやりがい

ケアマネジャー(介護支援専門員)のやりがいは、利用者やその家族の生活によい影響を与えられることです。
適切なケアプランの作成や各所との連携によって、利用者がよりよいサービスを受けられ、生活が改善されることが一番のやりがいといえるでしょう。

また、介護を必要とする方をサポートすることによって、感謝の言葉をかけてもらえることもあります。
感謝されることで自身の取り組みが報われ、さらに感謝される仕事をしようと思えるのです。
その点も、やりがいの一つといえるのではないでしょうか。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の1日の流れ

ケアマネジャー(介護支援専門員)の1日の流れ

ここでは、ケアマネジャー(介護支援専門員)の1日の流れを、居宅型を例に紹介します。
居宅型とは、事業者から利用者の自宅を訪問し、介護業務を行う形態です。

1日のスケジュールは、以下のようになります。

9:00 事業所に出社し、1日の流れや連絡事項を確認する
10:00~12:00 利用者の自宅を訪問し、業務を行う
12:00~13:00 休憩
13:00~15:00 利用者や担当者とミーティングを行い、ケアプランや目標を確認する
15:00~16:00 連携している役所や機関を訪問し、ケースワーカーなどと情報共有する
16:00~18:00 事務作業を行い、完了次第退社する

ケアマネジャー(介護支援専門員)資格を取得するメリット・デメリット

ケアマネジャー(介護支援専門員)資格を取得するメリット・デメリット

ケアマネジャー(介護支援専門員)資格の取得には、メリットはもちろん、デメリットもいくつかあります。
後悔しないためには長所・短所を両方理解したうえで、取得を検討することが大切です。

ケアマネジャー資格を取得するメリットとデメリットをそれぞれ解説していきます。

メリット

ケアマネジャー資格を取得するメリットは、以下の通りです。

・幅広い介護業務に携われる
・キャリアアップや昇給を期待できる
・ワークライフバランスを実現しやすい

ケアマネジャーはケアプランの作成や各所の連携などマネジメントにも携わるため、業務の幅が広がります。 介護現場のさまざまな場で活躍したい方は、ケアマネジャーを目指すとよいでしょう。

ケアマネジャーは、介護系資格のなかでも難関で評価が高いため、キャリアアップや昇給を期待できます。
介護職でキャリアアップを目指している方は、ケアマネジャーを目指すのがおすすめです。

また、ケアマネジャーは介護職員と兼任でない場合は定時で退社できるケースが多いです。
育児や趣味などと両立しやすいため、プライベートも大切にしたい方に向いています。

デメリット

ケアマネジャーのデメリットは、職場によって勤務形態や働き方が異なる点です。
たとえば、スタッフが不足している場合は、ケアマネジャーの業務に加えて夜勤が必要なケースもあります。

ケアマネジャーとして働く際は、自分がどのような仕事に携わりたいか、どのような働き方がよいかを十分に考え、希望を叶えられる職場を選びましょう。

ケアマネジャー(介護支援専門員)に向いている人の特徴

ケアマネジャー(介護支援専門員)に向いている人の特徴

ケアマネジャー(介護支援専門員)に向いているのは、コミュニケーションが得意な人です。
利用者や利用者の家族、関係各所の担当者などさまざまな人と関わるため、適切に関わり、円滑な人間関係を構築できる人がケアマネジャーに向いています。

また、介護に対する思いを持っていることも大切です。
ケアマネジャーとして利用者の生活をよりよいものにしたい、適切なサービスを受けてもらいたいなどの思いがあれば、使命感を持って仕事に取り組めるでしょう。

ケアマネジャー(介護支援専門員)になるには?

ケアマネジャー(介護支援専門員)になるには?

ケアマネジャー(介護支援専門員)になるためには、以下の流れでステップを踏む必要があります。
受験資格や試験概要、研修などを理解していきましょう。

1. 介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格を得る
2. 介護支援専門員実務研修受講試験に合格する
3. 合格後、研修を修了しケアマネジャーとして登録される

1.介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格を得る

ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の正式名称は介護支援専門員実務研修受講試験といい、受験資格が定められています。

試験は各都道府県で実施されているため、受験資格も含めて都道府県の試験案内を必ず確認しましょう。

例として、東京都の試験の受験資格は、勤務地もしくは住所地が東京都であり、「規定の国家資格」または「相談援助業務」で、5年以上の実務経験(かつ900日以上従事)があることです。
「規定の国家資格」または「相談援助業務」については、各都道府県の試験案内をご確認ください。

2.介護支援専門員実務研修受講試験に合格する

受験資格を満たしている場合は、例年実施されている介護支援専門員実務研修受講試験を受験できます。

介護に関する法令や実務スキルなど専門的な内容を問われるため、十分な試験対策が必要です。
晴れて試験に合格すれば、ケアマネジャーになるための研修を受けられます。

3.合格後、研修を修了しケアマネジャーとして登録される

介護支援専門員実務研修受講試験に合格した人は、介護支援専門員実務研修を受ける必要があります。

東京都の場合は、87時間の講義・演習に加え、居宅介護支援事業所で3日間の実習を修了するのが一連の研修内容です。
試験と同じく、研修も各都道府県で実施しているため、受験した都道府県の案内を確認しましょう。

ケアマネジャー試験の概要や難易度は以下の記事で解説しているので、あわせて確認してみましょう。

関連記事ケアマネジャー(介護支援専門員)試験|受験資格・合格率・合格のポイントを解説
ケアマネジャー(介護支援専門員)資格の合格率は?一発合格する人の特徴と勉強方法も解説

ケアマネジャー(介護支援専門員)を目指すならどう勉強すればいい?

ケアマネジャー(介護支援専門員)を目指すならどう勉強すればいい?

ケアマネジャー(介護支援専門員)を目指すためには、試験に合格しなければなりません。
勉強方法は独学やスクールなどがありますが、仕事や家事などと両立しながら最短で合格したい方には通信講座をおすすめします。

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まとめ

まとめ

ケアマネジャーは、利用者が適切な介護保険サービスを受けられるように、ケアプランの作成や関係各所との連携などを行います。

利用者や家族の自立した日常生活を支援し、感謝の言葉をもらえるといったやりがいもあり、介護職としてキャリアアップや昇給も期待できる資格です。

ケアマネジャーになるためには、まず試験に合格する必要がありますが、その試験の合格率は介護系資格のなかでも比較的低いため難易度は高いといえます。
キャリカレでは、一発合格をサポートする講座を開講しているので、試験にチャレンジする方はぜひ受講を検討してみてください。

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