介護福祉士とは?仕事内容・年収・なり方・試験概要などを解説

介護福祉士とは、介護に関する国家資格であり、資格を取得することで介護の職場や利用者からの信頼を得やすくなります。本記事では、介護福祉士について、仕事内容や年収、なり方、試験概要まで解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
・介護福祉士の仕事内容
・介護福祉士資格取得までの流れ
・介護福祉士試験一発合格を目指すおすすめの方法
目次
介護福祉士とは

介護福祉士とは、介護にかかわる国家資格です。
ここでは、介護福祉士の定義に加えて、求められるスキルや将来性、主な就職先まで詳しく解説します。
定義
介護福祉士は、社会福祉士および介護福祉士法第2条第2項で定められた国家資格です。
介護福祉士の定義は、以下のように定められています。
専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護 (喀痰かくたん吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であって、医師の指示の下に行われるものを含む。) を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者
心身の状況によって生活に支障がある方に対し、必要な介護を行うという役割が明記されています。
求められるスキル
介護福祉士は、社会福祉士および介護福祉士法によって求められる介護福祉士像が明記されています。
この介護福祉士像は平成29年に見直され、より現代に即した内容に改正されました。
現在、介護福祉士に求められる役割・スキルは以下のように定められています。
- 尊厳と自立を支えるケアを実践する
- 専門職として自律的に介護過程の展開ができる
- 身体的な支援だけでなく、心理的・社会的支援も展開できる
- 介護ニーズの複雑化・多様化・高度化に対応し、本人や家族等のエンパワメントを重視した支援ができる
- QOL(生活の質)の維持・向上の視点を持って、介護予防からリハビリテーション、看取りまで、対象者の状態の変化に対応できる
- 地域の中で、施設・在宅にかかわらず、本人が望む生活を支えることができる
- 関連領域の基本的なことを理解し、多職種協働によるチームケアを実践する
- 本人や家族、チームに対するコミュニケーションや、的確な記録・記述ができる
- 制度を理解しつつ、地域や社会のニーズに対応できる
- 介護職の中で中核的な役割を担う
上記に加えて、高い倫理性を保持することも求められています。
現状と将来性
介護福祉士は、少子高齢化が進む日本において需要の高い専門職です。
高齢者の増加に伴って、介護施設も年々増加しており、介護現場で活躍する介護福祉士が広く求められています。
日本の高齢者人口は今後も増加すると予想されているため、将来性のある職種といえるでしょう。
介護を必要とする人がいる限り、介護福祉士の需要はなくならないので、介護にかかわりたい方は取得しておいて損のない資格です。
主な就職先
介護福祉士の主な就職先は、以下の通りです。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護付有料老人ホーム
- デイサービス施設
- 訪問介護
- 障がい者向け支援施設
介護を必要とする方が暮らす施設や支援を必要とする障がい者向けの施設などを中心に、介護福祉士が活躍しています。
その他にも、施設に通うデイサービスや自宅でお世話をする訪問介護など、さまざまな就職先があるのが魅力です。
介護福祉士の仕事内容

介護福祉士の仕事は、大きく以下の5つに分けられています。
項目 | 内容 |
---|---|
身体介護 |
・食事介助 ・入浴介助 ・排泄介助 ・更衣介助 ・移動介助 など |
生活援助 |
・洗濯 ・掃除 ・買い物 ・食事の用意 など |
社会活動支援 |
・就労支援 ・地域コミュニティへの参加支援 など |
相談・助言 |
・本人からの相談対応 ・家族、関係者への助言 など |
マネジメント |
・介護現場でのチーム運営 ・スタッフの指導 ・サービスの管理・改善 など |
上記はあくまで例であり、勤務する施設や介護を提供する利用者の方などによって変わります。
介護福祉士は介護系で唯一の国家資格であり、介護サービスの提供はもちろん、介護現場でのリーダーシップも求められているため、チームのマネジメントも重要な仕事です。
介護福祉士の年収はどのくらい?

厚生労働省が発表した「令和4年度 介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護福祉士の平均給与額は33万1,080円でした。
勤務先や勤続年数などによって差はありますが、月収約33万円とすると、年収は約396万円です。
勤続年数が長くなるほど給与が高くなる傾向があり、資格によって収入アップできるケースもあるため、平均年収よりも高い収入を得られるチャンスは十分にあります。
介護福祉士を取得するメリット

介護福祉士資格を取得するメリットは、以下の3つです。
- 専門的な介護サービスやケアを提供できる
- 資格によって収入アップを期待できる
- 就職・転職で専門性を評価されやすくなる
介護福祉士の資格取得を通して、専門的な知識やスキルを習得できます。
その結果、現場で提供できるサービスやケアの幅が広がり、さまざまな人をサポートできるようになるのがメリットです。
資格手当を設けている職場では、資格によって収入アップも実現できます。
また、日本では介護従事者に対する賃金改善の取り組みも行われていることから、今後さらに待遇がよくなるかもしれません。
介護福祉士は介護業界唯一の国家資格であり、信頼性が非常に高いです。
就職・転職で評価を得やすいだけではなく、キャリアアップにもつながることでしょう。
介護福祉士になるには?資格取得の流れ

介護福祉士になるには、以下のルートで資格を取得し、介護現場に就職する必要があります。 3つのルートについて、資格取得までの流れを詳しくチェックしていきましょう。
- 福祉系高校を卒業し国家試験に合格する
- 養成施設を卒業し資格を取得する
- 実務者研修の受講または3年以上の実務経験を積み国家試験に合格する
なお、介護福祉士のなり方は以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
福祉系高校を卒業し国家試験に合格する
平成21年度以降に福祉系高校へ入学した場合は、卒業することで受験資格を得られます。
平成20年度以前に入学した場合は、受験申込時に介護技術講習または介護過程・介護過程Ⅲのいずれかを受講して筆記試験のみを受けるか、これらの講習を受けず、筆記試験と実技試験を受ける必要があります。
また、介護福祉士養成課程の基準を満たす高等学校および中等教育学校として、文部科学大臣および厚生労働大臣の指定した学校である特例高校等に入学した場合は、講習を受ける前に9か月以上の実務経験が必要です。
養成施設を卒業し資格を取得する
養成施設とは介護福祉士養成施設や福祉系大学などを指しており、
それらを卒業することで介護福祉士資格を得られます。
(養成施設を令和9年度以降に卒業される方は、試験を受ける必要がある点には注意が必要です。)
高等学校などから介護福祉士養成施設に入所した場合は、卒業と同時に資格を得られる仕組みです。
一方で、福祉系大学や社会福祉士養成施設、保育士養成施設などに入学した場合は、卒業後1年以上介護福祉士養成施設で学ぶ必要があります。
実務者研修の受講または3年以上の実務経験を積み国家試験に合格する
養成施設や福祉系高校を経由しない場合は、実務者研修の受講と3年以上の実務経験もしくは介護職員基礎研修・喀痰吸引等研修の受講と3年以上の実務経験が必要です。
実務者研修とは、介護サービスを提供するために必要な実践的知識や技術の習得を目的とした研修となっています。
実務経験と実務者研修の修了が認められた場合に、国家試験の受験が可能です。
介護福祉士国家試験とは

介護福祉士の資格を取得するためには、介護福祉士国家試験に合格する必要があります。
ここでは、介護福祉士国家試験の概要や受験資格、難易度を解説します。
介護福祉士国家試験については以下の記事でも解説しているので、詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。
試験概要
試験科目 | (1) 筆記試験 |
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(2) 実技試験 | |
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試験地 |
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試験日 |
筆記試験:令和6年1月28日(日曜日) 実技試験:令和6年3月3日(日曜日) |
受験手数料 | 18,380円 |
受験申し込み受付期間 | 令和5年8月9日(水曜日)~9月8日(金曜日) |
参考:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター|「[介護福祉士国家試験]試験概要」
受験資格
受験資格は、学歴によって異なるため、あなたの学歴や実務経験に応じたルートで取得しましょう。
主な受験資格は、以下の通りです。
- 介護福祉士養成施設(2年以上)を平成29年4月以降に卒業(修了)した方
- 介護福祉士養成施設(1年以上)を平成29年4月以降に卒業(修了)した方
- 3年以上(従業期間3年以上(1,095日以上)、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方(注意2)で、実務者研修を修了した方
- 3年以上(従業期間3年以上(1,095日以上)、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方で、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修(第1号研修または第2号研修)を修了した方
- 平成21年度以降に、福祉系高校に入学して、必要な科目を履修して卒業した方
- 特例高校(高校:平成21~25、28~30年度・専攻科:平成21~25、28~31年度)に入学して、卒業した翌日以降に9か月以上(従業期間9か月以上(273日以上)、従事日数135日以上)介護等の業務に従事した方
- 平成20年度以前に、福祉系高校に入学して、必要な科目を履修して卒業した方
- 経済連携協定(EPA)であって、3年以上(従業期間3年以上(1,095日以上)、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方
引用:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター|「[介護福祉士国家試験]試験概要」
合格率・難易度
介護福祉士国家試験の合格率は、令和4年までの5年間で以下のように推移しています。
年度 | 合格率 |
---|---|
令和4年 | 84.3% |
令和3年 | 72.3% |
令和2年 | 71.0% |
令和1年 | 69.9% |
平成30年 | 73.7% |
合格率は約75%で推移しているため、難易度は比較的易しいです。
ただ、約25%は不合格になっているということなので、十分な試験勉強が必要になります。
介護福祉士国家試験の難易度・合格率を詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ確認してみてください。
国家試験一発合格を目指すのにおすすめな方法は?

介護福祉士国家試験の一発合格を目指すなら、通信講座での学習がおすすめです。
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介護福祉士講座の詳細はこちらまとめ

介護福祉士とは、介護業界でたったひとつの国家資格です。
介護の需要が増すなか、介護福祉士のニーズも高まることが予想され、将来性も期待できる資格といえます。
介護福祉士国家試験を受けるためには受験資格が必要ですが、試験の難易度は比較的易しく、誰にでも合格のチャンスはあるでしょう。
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