保育士試験とは?日程や詳細は?合格率や出題範囲まで

保育士試験(前期・後期)の日程、試験日、受験資格、申込方法、受験料、合格発表などの試験概要をはじめ、出題科目や出題範囲、問題数や配点、合格率の推移まで、保育士試験に関する情報をわかりやすくまとめました。
目次
\知識0から6ヶ月で合格/
キャリカレの「保育士講座」を確認してみよう!保育士試験とは?
保育士試験とは?
保育士試験とは、国家資格である「保育士資格」を取得するための試験です。
試験は筆記試験と実技試験で実施され、筆記と実技の両方の試験に合格することで、保育士の資格が得られます。
保育士は、「児童福祉法」にもとづく国家資格です。
「児童福祉法で第18条の18第1項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識および技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう」と定められています。
保育人材の確保を図るために平成27年度より年2回目の試験として地域限定保育士試験が実施されていましたが、平成28年度より「地域限定保育士試験」に加え、通常の保育士試験についても年2回目の試験が実施されています。
地域限定保育士制度とは?
地域限定保育士制度とは、平成27年(2015年)に成立した「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律」によって創設された制度です。
通常の保育士試験とは別に国家戦略特別区域の自治体で保育士試験が実施され、これに合格すると対象の地域のみで働くことができる限定の保育士資格が取得できます。
地域限定保育士に合格した場合、3年間は対象地域でしか働けないという「限定」があるだけです。
4年目以降は全国のどの地域でも働けるようになります。
【地域限定保育士試験実施自治体】
神奈川県・大阪府
●試験日程は、上記自治体から発表されます。
令和5年(2023年)保育士試験概要

保育士試験の日程
筆記試験の日程
前期試験
令和5年4月22日(土)、23日(日)
後期試験
令和5年10月21日(土)、22日(日)
実技試験の日程
前期試験
令和5年7月2日(日)
後期試験
令和5年12月10日(日)
受験料
12,950円
※内訳:受験手数料12,700円+受験申請の手引き郵送料250円
※幼稚園教諭免許状所有者等で筆記試験・実技試験が全て免除の方は2,650円(内訳:受験手数料2,400円+受験申請の手引き郵送料250円)
試験会場
各都道府県に1会場以上設置されます。
現住所以外の都道府県での受験もできます。
ただし、受験をする都道府県を選択できますが、会場の指定はできません。
受付期間
前期試験
令和5年1月17日(火)~2月6日(月)
後期試験
例年7月頃
合格発表
前期試験
筆記試験:例年6月頃
実技試験:例年8月頃
後期試験
筆記試験:例年11~12月頃
実技試験:例年1月頃
※合格通知書が送付されます。
合格基準
筆記試験:各科目において、満点の6割以上得点した者。
※合格した筆記科目は、科目ごとに合格した年を含めて3年間有効です。
期間内の合格科目については、受験免除されます。
実技試験:選択した2分野とも満点の6割以上得点した者。
実技については、保育所保育指針「保育の内容」の5領域における「ねらい」「内容」を達成するために、保育士として必要な知識、技能、資質の観点から評価されます。
実技試験に明確は基準を設けるのは難しいですが、手引きには求められる力として以下が記載されています。
実技試験に求められる力
<音楽に関する技術>
保育士として必要な歌、伴奏の技術、リズムなど、総合的に豊かな表現ができること。
<造形に関する技術>
保育の状況をイメージした造形表現(情景・人物の描写や色使いなど)ができること。
<言語に関する技術>
保育士として必要な基本的な声の出し方、表現上の技術、幼児に対する話し方ができること。
試験形式
筆記試験:マークシート方式
※試験の詳細は、全国保育士養成協議会(保育士試験事務センター)にて、必ずご確認ください。
令和4年(2022年)保育士試験(前期・後期)の筆記試験問題と解答
筆記試験は例年通り、保育原理・教育原理などを含めた全9科目が出題されました。
筆記試験のそれぞれの問題と解答についてはこちらのホームページでご確認ください。
・令和4年筆記試験(前期)問題と回答
・令和4年筆記試験(後期・地域限定)問題と回答
【合格発表の日程】
前期:令和4年8月8日(月)~8月14日(日)
後期:令和5年1月13日(金) ~ 1月19日(木)
※合格通知書が送付されます。
筆記試験の試験科目は?問題数・配点は?

保育士試験は、筆記試験と実技試験で行われます。
筆記試験問題は「保育原理や子どもの保健・食と栄養、保育実習理論など9科目」から160問出題されます。
筆記試験の科目・出題範囲・問題数
出題科目 | 出題範囲 | 問題数 |
---|---|---|
保育原理 |
・保育の意義 ・保育所保育指針における保育の基本 ・保育の目標と方法 ・保育の思想と歴史的変遷 ・保育の現状と課題 |
20問 |
教育原理 |
・教育の意義、目的及び児童福祉等との関連性 ・教育の思想と歴史的変遷 ・教育の制度 ・教育の実践 ・生涯学習社会における教育の現状と課題 |
10問 |
社会的養護 |
・現代社会における社会的養護の意義と歴史的変遷 ・社会的養護の基本 ・社会的養護の制度と実施体系 ・施設養護の実際 ・社会的養護の現状と課題 |
10問 |
子ども家庭福祉 |
・現代社会における子ども家庭福祉の意義と歴史的変遷 ・子どもの人権擁護 ・子ども家庭福祉の制度と実施体系 ・子ども家庭福祉の現状と課題 ・子ども家庭福祉の動向と展望 |
20問 |
社会福祉 |
・現代社会における社会福祉の意義と歴史的変遷 ・社会福祉の制度と実施体系 ・社会福祉における相談援助 ・社会福祉における利用者の保護にかかわる仕組み ・社会福祉の動向と課題 |
20問 |
保育の心理学 |
・保育と心理学 ・子どもの発達理解 ・人との相互的かかわりと子どもの発達 ・生涯発達と初期経験の重要性 ・子どもの発達と保育実践 ・生活や遊びを通した学びの過程 ・保育における発達援助 |
20問 |
子どもの保健 |
・子どもの健康と保健の意義 ・子どもの発育・発達と保健 ・子どもの疾病と保育 ・子どもの精神保健 ・環境及び衛生管理並びに安全管理 ・健康及び安全の実施体制 ・保健活動の計画及び評価 |
20問 |
子どもの 食と栄養 |
・子どもの健康と食生活の意義 ・栄養に関する基本的知識 ・子どもの発育・発達と食生活 ・食育の基本と内容 ・家庭や児童福祉施設における食事と栄養 ・特別な配慮を要する子どもの食と栄養 |
20問 |
保育実習理論 |
・保育実習理論 ・保育実習実技 |
20問 |
<補足>
令和3年の保育士試験より、筆記試験科目の「児童家庭福祉」が、「子ども家庭福祉」に、実技試験分野の名称が一部変更になりました。
※保育士試験科目改正について
筆記試験の配点
教育原理、社会的養護の2科目は各50点満点。それ以外の7科目は100点満点となります。
実技試験の試験内容は?課題や配点は?
実技試験の科目・出題範囲・配点
受験申請時に下記の3つの出題科目の中から必ず2科目を選択しなければいけません。
受験申請書提出後の変更はできませんので、しっかり計画を立てて申し込みましょう。
出題科目 | 出題範囲 | 配点 |
---|---|---|
音楽に関する 技術 |
幼児に歌って聴かせることを想定して、課題曲の両方を弾き歌いする。 | 50点満点 |
造形に関する 技術 |
保育の一場面を絵画で表現する。 | 50点満点 |
言語に関する 技術 |
3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、下記の1~4のお話のうち一つを選択し、子どもが集中して聴けるようなお話を行う。 | 50点満点 |
実技試験の課題内容
令和3年保育士試験(後期)の実技試験は、以下の課題内容で実施されます。
(1)音楽に関する技術
幼児に歌って聴かせることを想定して、課題曲の両方を弾き歌いする。
【課題曲】
1.『あひるの行列』(作詞:小林純一 作曲:中田喜直)
2.『揺籃のうた』(作詞:北原白秋 作曲:草川信)
(2)造形に関する技術
保育の一場面を絵画で表現する。
【課題】
表現に関する問題文と条件は試験当日に提示されます。
(3)言語に関する技術
3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定して、下記1~4のお話の中から一つを選択し、子どもが集中して聴けるようなお話を行う。
【課題】
1.「ももたろう」(日本の昔話)
2.「3びきのこぶた」(イギリスの昔話)
3.「おおきなかぶ」(ロシアの昔話)
4.「3びきのやぎのがらがらどん」(ノルウェーの昔話)
受験資格はある?

保育士試験には最終学歴によって受験資格が決められていて、満たしていないと受験することができません。
保育士とは関係ない学校であっても卒業すれば受験資格を得ることができます。
詳しくは以下に紹介します。
保育士試験の受験資格
<大卒・短大卒>
保育士と関連のない学部、学科であっても国内の4年生大学、短大を卒業していれば保育士試験の受験資格があります。ただし、教育基本法に基づいていない学校、例えば海外の学校を卒業した方については確認が必要となります。
<専門学校卒>
『学校教育法に基づいた専修学校であること』『卒業した課程が修業年限2年以上専修課程であること』の両方を満たしていれば、受験可能です。
<在学中・中退の場合>
4年制の大学に在学中もしくは中退、短大・専門学校在学中でも条件付きで受験資格を得ることが可能です。
<大学在学・中退者>
・在学中の方で、2年以上在学し、62単位以上修得済みであること。
・在学中の方。ただし、年度中に2年以上在学、または62単位以上修得が満たせなかった場合、合格しても無効になります。
・大学中退の場合、2年以上在学し、62単位以上修得済みであること。
<短期大学在学・中退者>
・在学中の方。ただし、年度中に卒業が出来なかった場合、合格しても無効になります。
<専門学校在学・中退者>
・在学中の方。ただし、修業年限2年以上の専門課程であることと、年度中の卒業が条件。卒業が出来なかった場合、合格しても無効になります。
<高卒の場合>
1991年3月31日以前に高校を卒業した方は、無条件で受験資格を得られます。一方で、1991年4月1日以降に高校を卒業した方は、『児童福祉施設で2年以上かつ2880時間以上の実務経験』が別途必要となります。
※例外として『高校の保育科を1996年3月31日以前に卒業した方は実務経験なし』で受験資格を得ることができます。
※詳細については、「保育士試験事務局センター」 にて、必ずご確認ください。
保育士試験についての問い合わせ先:全国保育士養成協議会(保育士試験事務センター)のホームページを見る
保育士試験の合格率・難易度は?
保育士試験の合格率
厚生労働省の発表によると、令和3年の合格率は20.0%です。
これが高いか低いのかは見解が分かれるところではありますが、過去の合格率、受験者数は以下のようになっています。
保育士試験の合格率の推移
過去5年間の受験者数・合格者数の推移
過去5年間の受験者データ
試験実施年 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
平成28年 | 70,710 | 18,229 | 25.78% |
平成29年 | 62,555 | 13,511 | 21.60% |
平成30年 | 68,388 | 13,500 | 19.74% |
令和元年 | 77,076 | 18,330 | 23.78% |
令和2年 | 44,914 | 10,890 | 24.25% |
令和3年 | 83,175 | 16,600 | 19.96% |
以前と比べ合格率は高くなっているとはいえ、20%前後。
つまり、10人受験して2人のみが合格するということで難易度の高い試験になっています。
保育士の合格率が低い理由
これほど多くの大学や専門学校が存在しているのに、なぜ保育士試験の合格率は低いのでしょうか?
保育士試験の合格率が低い理由は様々なことが考えられますが、受験経験者によると筆記試験の9科目すべて6割以上の得点をとらなければ合格できないというのが最大の壁のようです。
また、受験年により難化・易化する科目があり、その振り幅も踏まえて対策せねばならず、6割得点できるギリギリの理解力だと結果として「不合格」になってしまうという場合もあるようです。
合格するまでに必要な勉強時間

保育士試験に合格するためには、個人差はありますが、100~180時間程度の勉強時間が必要と言われています。
1日1時間勉強するとして、3か月から6か月程度の勉強期間が必要になります。
数か月継続して学習するのが前提になるので、スケジュールを立ててメリハリをつけながら取り組むことが大切です。
独学の場合はよりスケジュールやモチベーションの管理が重要になるため、はじめから全力で勉強するよりも、1日数時間勉強する習慣をつくるところから始めましょう。
働きながら資格取得を目指すなら、4月か10月からの開始がおすすめ
仕事をしながら保育士を目指す場合は、1日の勉強時間は限られるので、勉強期間を長く確保する必要があります。
保育士試験は例年4月、10月に実施されています。
6か月程度の勉強期間を確保するのが望ましいため、4月開始で10月試験、10月開始で翌年の4月試験を目指すのがおすすめです。
1日1時間の勉強でも十分に試験に間に合うので、仕事と勉強の両立を叶えられるでしょう。
最短3か月で取得するなら、1月か7月からの開始がおすすめ
1日3~4時間を勉強のために確保できる場合は、1月または7月に試験準備を開始するのがおすすめです。
1月開始で4月試験、7月開始で10月試験の合格を目指しましょう。
約90~120時間の勉強ができる計算になります。
ただし、勉強期間は比較的短いので、スケジュールをしっかり計画して、試験準備を進めましょう。
まとめ
保育士試験の合格率は19%〜25%ほどで、一般的な資格試験と比べると難易度は高いと言えます。
また、筆記試験が9科目あり、それぞれ6割以上の点数を取らないと合格できないということが、受験者にとって大きな壁になっているようです。
近年の合格率の上昇や、年2回に受験回数が増えたこと、そして、他の国家資格の合格率と比べると、合格しやすい試験であると考えることもできますが、初心者が合格するのは大変な試験であることに間違いありません。
勉強法としては、地道に独学で勉強する方法もありますが、最短で簡単に一発合格を目指すためには、ちょっと遠回りかもしれません。
そこでおすすめなのが、はじめて勉強する方でもわかりやすいテキストでやさしく学んで合格を目指せる「キャリカレの保育士通信講座」。
試験に出るとこだけに絞り、たった6ヶ月で初心者からでも合格できる効率カリキュラムを組んでいますので、はじめての方でも一発合格を目指せます。
これから「保育士試験にチャレンジしてみよう!」とお考えの方は、是非チェックしてみてください。
\知識0から6ヶ月で合格/
キャリカレの「保育士講座」を確認してみよう!