ケアマネジャーと介護福祉士の違いとは?
受験資格や兼務するメリット・デメリットなどを解説

こんにちは、資格のキャリカレ編集部です。
介護業界への就職・転職を考えているなら、資格の取得がおすすめです。資格を持っていることで、就職活動が有利に進めやすくなり、仕事の選択肢も広がります。
この記事では、介護の仕事のなかでも、とくに人気の高い「ケアマネジャー」「介護福祉士」について、業務内容の違いや兼務するメリット・デメリット、効率よく資格を取得する方法を解説します。
資格を取得する順番や試験の合格率など、ケアマネジャーと介護福祉士に関するよくある質問もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
目次
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ケアマネジャーと介護福祉士の違いとは?

一般的に、ケアマネジャーは介護福祉士の上位資格として位置付けられています。まずは、ケアマネジャーと介護福祉士の違いを、受験資格や業務内容、給与などの観点から見ていきましょう。
資格の種類・受験資格が異なる
ケアマネジャーと介護福祉士は、資格の種類が異なります。ケアマネジャーは都道府県が認定する資格であるのに対して、介護福祉士は国が認定を行う国家資格です。介護に関わる資格には、さまざまな種類がありますが、介護福祉士は唯一の国家資格となります。
また、受験資格にも違いがあります。福祉系高校や介護福祉士養成施設以外のルートから介護福祉士を目指す場合、3年以上の実務経験に加えて、介護職員実務者研修を修了することで受験資格が得られます。
一方、ケアマネジャーは保健・医療・福祉分野の定められた国家資格等に基づく業務や、相談援助業務に従事した期間が通算して5年かつ900日以上であれば、受験することが可能です。ケアマネジャーの受験資格を満たす国家資格・業務については、各都道府県の試験実施団体のホームページ等で詳細を確認するようにしてください。
業務内容が異なる
ケアマネジャーと介護福祉士では、業務内容や専門性に大きな違いがあります。ケアマネジャーは、「ケアマネ」「介護支援専門員」と呼ばれることもあり、主な仕事はケアプランの作成と管理です。施設の利用者や家族の悩みを聞きながらケアし、介護保険制度に基づいた最適なケアプランを考えていきます。
対する介護福祉士は、利用者のサポートが主な業務内容です。基本的には、ケアマネジャーが作成したケアプランにしたがって食事や入浴、排泄の介助を行っていきます。介護福祉士の資格がなくても介護の現場で働くことはできますが、担当できる仕事が制限されます。たとえば、無資格の介護士は、原則として訪問介護で直接身体に触れる身体介護を担当することはできません。
このように、介護福祉士は直接的な介護を専門とするスペシャリストであり、ケアマネジャーは適切なサービスが提供できるようバックアップする役割を担っています。ただし、施設によって業務や仕事内容は異なるため、ケアマネジャーが直接的な介護に関わるケースもあります。
勤務形態・給与が異なる
ケアマネジャーと介護福祉士は、勤務形態や給与などの待遇面にも違いがあります。一般的に、介護福祉士より上位の資格であるケアマネジャーの方が平均給与は高い傾向にあるようです。
厚生労働省の『令和4年度 介護従事者処遇状況等調査結果』では、介護支援専門員(ケアマネジャー)と介護職員に関する下記のデータが公開されています。
職種(常勤) | 月給 | 年収 |
---|---|---|
介護支援専門員(ケアマネジャー) | 36万1,770円 | 約432万円 |
介護職員 | 31万7,540円 | 約381万円 |
介護福祉士の資格を持つ人は、介護職員の枠組みに含まれています。ケアマネジャーと介護職員を比較すると、年収で約50万円近い差があることがわかります。勤務場所や経験年数、勤務形態によっても給与は変動しますが、ケアマネジャーは介護系のなかでも収入を得やすい職種といえるでしょう。
ケアマネジャーと介護福祉士を兼務するメリット

介護に関する資格を複数持っていることで、柔軟な働き方が実現しやすくなります。ここでは、ケアマネジャーと介護福祉士を兼務するメリットを解説します。
ケアプランを立てやすい
ケアマネジャーの主な業務は、ケアプランの作成と管理です。ケアマネジャーとしての業務だけを担当している場合、利用者との面談や現場からの報告を受けてケアプランを作成することになります。また、利用者の状態は日々変化するため、定期的な確認や見直しも必要です。確認の頻度は、月1回以上が望ましいとされていますが、施設の種類や支援のレベルによって異なります。
ケアマネジャーと介護福祉士を兼務していれば、利用者の状態をリアルタイムで把握でき、最適なケアプランに落とし込めます。介護福祉士として現場に関わり続けることで、利用者との信頼関係も築きやすくなるはずです。直接介護をしているからこその気付きをケアプランに反映できれば、満足度の高いサービスを提供することにもつながります。
夜勤手当によって収入アップになる
ケアマネジャーは日中の業務が中心となります。しかし、介護の現場では夜間のサポートが必要となるケースが多いため、人手が不足しがちな時間帯に介護福祉士として勤務することで、収入アップが見込めます。
効率よく稼ぐためには、日中はケアマネジャー、夜間は介護福祉士として働く方法がおすすめです。日本医療労働組合連合会が発表している『2023年介護施設夜勤実態調査』によると、正規介護職員(二交替夜勤)の夜勤手当は平均6,365円となっています。夜勤手当は1回あたりの金額となるため、たとえば月8回夜勤に入ることで約5万円ほどの収入が得られることになります。
施設や利用者の夜間の状況を把握できるところも、ケアマネジャーと介護福祉士を兼務するメリットです。利用者と関わる機会が増えることで、幅広い知識が身に付き、介護業務にやりがいを感じやすくなります。
ケアマネジャーと介護福祉士を兼務するデメリット

ケアマネジャーと介護福祉士の兼務は、業務内容の異なる仕事を両立することで、心身の負担が大きくなることが予想されます。仕事の量も増えるため、ケアマネジャーと介護福祉士を兼務する際は、体調を崩さないよう注意しましょう。
介護福祉士として利用者をサポートし、ケアマネジャーの業務もこなすためには、スケジュール管理が重要となります。たとえば、夜間は介護福祉士として働く場合も、日中はケアマネジャーとしての業務のみを担当するなど、仕事量をコントロールできるような工夫が必要です。
ただし、介護の現場では、すべての物事が予定通り進むとは限りません。イレギュラーな事態にも臨機応変に対応できるよう、職場内での連携を強化していくことが大切です。兼務しやすい環境が整えば、介護に関連するスキルの底上げが期待できます。
介護福祉士からケアマネジャーに転職するメリット

介護福祉士として経験を積んだあと、ケアマネジャーに転職する方法もあります。ここでは、ケアマネジャーに転職するメリットを解説します。
給料アップが期待できる
一般的に、介護福祉士よりもケアマネジャーの方が給料が高い傾向にあります。前述したとおり、厚生労働省の『令和4年度
介護従事者処遇状況等調査結果』では、ケアマネジャーの年収は約432万円、介護職員の年収は約381万円となっており、転職することで約50万の給与アップが期待できます。
ただし、介護福祉士試験と比べると、ケアマネジャー(介護支援専門員)試験の合格率は低く、介護系のなかでは難易度の高い資格となっています。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
2021年度(第34回) | 83,082人 | 60,099人 | 72.3% |
2022年度(第35回) | 79,151人 | 66,711人 | 84.3% |
2023年度(第36回) | 74,595人 | 61,747人 | 82.8% |
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
2021年度(第24回) | 54,290人 | 12,662人 | 23.3% |
2022年度(第25回) | 54,406人 | 10,328人 | 19.0% |
2023年度(第26回) | 56,494人 | 11,844人 | 21.0% |
自分に合った働き方をしやすい
ケアマネジャーは時間やスケジュールに縛られることが少なく、自分に合った働き方をしやすい職種です。介護福祉士の場合、ケアプランに沿ったサービスを提供する必要があるため、仕事がコントロールしづらい傾向にあります。ケアマネジャーは、ケアプランの作成が主な仕事となるため、身体的な負担を減らしたい人にも向いています。
ただし、担当する利用者が多いと、「介護福祉士よりも忙しい」と感じることがあるかもしれません。転職する際は、業務内容を詳しく確認し、自分の希望する働き方ができるのかをチェックすることが大切です。家庭の事情で、働ける時間が限られている場合は、正社員以外の働き方も検討してみましょう。
介護福祉士からケアマネジャーに転職するデメリット

ケアマネジャーに転職すると、基本的に介護現場から離れることになります。利用者と直接関わる介護業務にやりがいを感じている人がケアマネジャーになると、ギャップに悩むことがあるかもしれません。また、ケアマネジャーは事務手続きや調整業務が増えるため、マネジメントスキルも求められるようになります。
介護福祉士として夜勤の回数が多かった場合、手当がなくなることで総支給額が減る可能性もあります。基本給アップが期待できるものの、働き方によっては手取りが減ってしまう点も、ケアマネジャーに転職するデメリットといえるでしょう。
ケアマネジャーと介護福祉士の資格取得を目指すならキャリカレがおすすめ

ケアマネジャーと介護福祉士の試験対策を効率的に行いたいなら通信講座がおすすめです。キャリカレでは、介護・福祉に関わるさまざまな講座を用意しており、限られた時間を有効活用して資格取得が目指せます。ここでは、キャリカレで学習するメリットを3つ紹介します。
合格すれば2講座目が無料
キャリカレでは、複数の資格を取得することによるキャリアアップを応援しています。介護・福祉に関する資格を複数取得したいのであれば、2講座目を無料で受講できる「2講座目無料サービス」をご活用ください。「ケアマネジャー合格指導講座」「介護福祉士合格指導講座」は、どちらも2講座目無料サービスの対象となっています。
2講座目無料サービスを利用することで、1講座分の受講料でケアマネジャーと介護福祉士のW合格が目指せます。また、ケアマネジャーや介護福祉士以外の対象講座と組み合わせて受講することも可能です。介護・福祉系としては、「介護事務」「介護食アドバイザー」「シニアピアカウンセラー」などが対象となっているので、気になる講座がないかぜひチェックしてみてください。
※2講座目無料サービスには条件があります。詳しくはこちらをご覧ください。
就職・転職までのサポートが受けられる
通信講座を選ぶ際は、学習期間中だけでなく、資格取得後にどのようなサポートが受けることができるのか確認することが大切です。キャリカレでは、さまざまな広告媒体の求人情報をもとに、キャリアコーディネーターが就職・転職までお手伝いいたします。バックアップ体制が整っていることで、資格を生かした働き方が実現しやすくなります。
キャリカレの「キャリアコーディネートサポート」は就業について100%を保証するものではありませんが、サポート期間内であれば何度でもご利用いただけます。「在宅ワーク中心で働きたい」「資格手当を重視したい」など、具体的な働き方をイメージしながら、理想の職場を探していきましょう。
学習サポート期間中は何度でも無料で質問できる
キャリカレなら、学習サポート期間中は専任の講師に何度でも無料で質問できます。テキストにあるARアイコンをスマートフォンで読み取るだけで質問できるので、わからない内容を解決しながら、学習を進めていけます。独学の場合、気軽に質問できないため、サポート体制が充実している点は通信講座の大きなメリットといえるでしょう。
また、キャリカレの「ケアマネジャー合格指導講座」「介護福祉士合格指導講座」は、効率的な学習サイクルで合格を目指せます。どちらのカリキュラムにも添削指導が付いているため、勘違いや間違った理由などを把握しながら、知識を深めていきます。ケアマネジャーは3ヶ月、介護福祉士は4ヶ月が標準的な学習期間となっていますが、家事や仕事でまとまった時間が確保できない方向けに長期学習サポートにも対応しています。
ケアマネジャーと介護福祉士に関するよくある質問

最後に、ケアマネジャーと介護福祉士に関するよくある質問と回答をまとめています。資格を取得する順番や試験の合格率など、役立つ情報をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
介護福祉士とケアマネジャーはどちらを先に取得すると良いですか?
介護福祉士とケアマネジャーのW合格を目指す場合は、介護福祉士を先に取得するのがおすすめです。ケアマネジャーの受験資格を満たすためには、指定の国家資格等に基づく業務や相談援助業務に一定期間従事しなければなりません。指定の国家資格には、看護師、社会福祉士、理学療法士などに加えて、介護福祉士も含まれています。
介護福祉士として5年かつ900日以上勤務した実績があれば、ケアマネジャー試験に挑戦できます。実際に、2023年度ケアマネジャー試験の職種別合格者数のうち、62.4%が介護福祉士の資格を取得していることが公表されています。
職種 | 人数 | 構成比率 |
---|---|---|
介護福祉士 | 7,389人 | 62.4% |
看護師・准看護師 | 1,925人 | 16.3% |
社会福祉士 | 948人 | 8.0% |
理学療法士 | 613人 | 5.2% |
相談援助業務等従事者 | 271人 | 2.3% |
上記の表は、職種別合格者数一覧のなかから、構成比率が高い職種をピックアップした結果となります。介護福祉士の割合が圧倒的に高く、看護師・准看護師、社会福祉士、理学療法士、相談援助業務等従事者と続きます。
ケアマネジャー試験の合格率が低い理由は?
ケアマネジャーの合格率は約10〜20%で推移しています。合格率が低い理由としては、下記の2つが考えられます。
・出題形式が特徴的で、正確な知識が求められるため
・専門性を維持できるよう、難易度が高めに設定されているため
ケアマネジャーの資格試験では、5つの選択肢から複数の解答を選ぶ「五肢複択」が採用されています。5つの選択肢から正しい答えを複数選ばなければならないため、一般的な「四肢択一」の試験と比べると難易度は高めです。
また、ケアマネジャーとしての専門性を維持できるよう、あえて合格率が低く設定されているともいわれています。介護の現場で働きながら資格取得を目指す人が多く、学習時間が確保しづらい点も合格率が低い理由の1つかもしれません。さまざまな要因があるため、はっきりとした理由はわかりませんが、ケアマネジャーの試験に合格するためには効率よく試験対策を行うことがポイントとなります。
介護福祉士とホームヘルパーの違いは?
ホームヘルパー(訪問介護員)とは、主に利用者の自宅に訪問し、生活のサポートを行う職種を指します。かつては、ホームヘルパー1〜3級と呼ばれる資格がありましたが、現在は廃止されており、「介護福祉士実務者研修」「介護職員初任者研修」「生活援助従事者研修」などに移行しています。
介護福祉士とホームヘルパーは、国家資格を取得しているかどうかが違います。介護福祉士は、国家資格に合格した人だけしか名乗ることができません。一方、「介護福祉士実務者研修」「介護職員初任者研修」「生活援助従事者研修」の修了者は、ホームヘルパーとして働くことが可能です。ただし、同じホームヘルパーという職種でも、資格の種類によって提供できるサービスが異なります。
ケアマネジャーと介護福祉士の資格取得もキャリカレにお任せ

ケアマネジャーと介護福祉士の資格を取得することで、介護の現場でのキャリアアップが実現しやすくなります。「働きながら資格の取得を目指したい」「実践的な知識を身に付けたい」という方は、キャリカレにお任せください。
キャリカレの講座は合格に向けた学習カリキュラムが組まれていることはもちろん、将来役立つ知識が学べます。合格率の低いケアマネジャーも、過去10年の試験から出題されやすい問題に絞り込んだ教材をご用意しており、難関試験の一発合格をサポートします。資料請求は無料となっておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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この記事の監修者
資格のキャリカレ編集部
150以上の通信教育資格講座を展開し、資格取得・実用スキルの習得はもちろん、キャリアサポートまで行う資格のキャリカレ編集部が運営するコラムです。
ケアマネジャーは介護や支援を必要とする方のサポートやマネジメントなどを行う仕事で、介護現場に欠かせない資格です。試験の詳細や対策、資格の魅力など、ケアマネジャーの最新情報をお伝えしています。