ITパスポートの資格は就活・転職で履歴書に書ける?
書き方の注意点やメリットなど詳しく解説

こんにちは、資格のキャリカレ編集部です。
「ITパスポートの資格は就職や転職の活動に役立つのか」「ITパスポートはITの入門に位置する資格といわれているため履歴書に書けるのか」「企業が求めるスキルとして的を射ているのだろうか」など疑問に思う人も多いのではないでしょうか。ITに関連した基本のスキルが備わっている証明にはなるものの、取得することでどの程度評価されるのでしょうか。
もちろん、ITパスポートを取得していればITの基礎知識があると理解してもらえるため、取得することはメリットです。希望する業種によっては、他の資格と一緒に履歴書に書くことでよりスキルをアピールできるため、採用に繋がる可能性も高まるでしょう。
そこで今回は、ITパスポートを履歴書に書くメリットやデメリット、履歴書に書くときに注意する点について解説します。独学で勉強するのは不安だと感じている方への、効率的な勉強方法も紹介していますので参考にしてください。
目次
ITパスポートの資格は履歴書に書ける?

ITパスポートの資格は履歴書に書けます。ITパスポートとは、ITに関する基礎が備わっていることを証明できる資格です。ITに触れる方のリテラシー向上やエンジニアのスキル証明のために有効な「情報処理技術者試験」のうちのひとつで、ITを活用するための基本的な知識を幅広く学べます。
ITパスポートの資格はIT関連の仕事だけでなく、事務職や営業職などさまざまな業種に活かせます。これらの職種に就職・転職を考えている場合は、履歴書に書くことで、自分のスキルとしてアピールできるでしょう。
ITパスポートを含む情報処理技術者試験は、経済産業省が認定する国家試験です。ITに関わる仕事には、ハイレベルな専門スキルを要求される職種もあるため、ITに関する国家試験を持っていると強みになるでしょう。IT関連資格の入門資格としてまずはITパスポートの資格の取得がおすすめです。
ITパスポートを履歴書に書くメリット・デメリット

ITパスポートはITの入門資格です。そのため、希望する職種によっては履歴書に書くことが、メリットにもデメリットにもなります。どんな理由でメリットやデメリットになるのかみていきましょう。
ITパスポートを履歴書に書くメリット
ITパスポートを履歴書に書くメリットとして以下が挙げられます
● ITの基礎知識をアピールできる
● 転職・就職に有利になることがある
● コンプライアンスの知識を証明できる
IT関係の仕事がこれまで未経験であっても、ITパスポートを取得していることで、ITの基礎知識がある程度備わっていることをアピールすることが可能です。書類選考でも、他の未経験の者と差をつけられるでしょう。
近年、DXに取り組む傾向の企業が増えています。DXとはデジタルトランスフォーメーションの略で、デジタル化によって社会や生活スタイルを変えることです。
デジタル化による作業の効率化が求められるこれからの時代では、ITに強い人材の需要が高まっており、ITの知識があるかどうかは採用を判断する基準のひとつになっています。そのため、ITパスポートを取得していることで、採用候補として選んでもらいやすくなるのです。
さらに、ITパスポートによってコンプライアンスの知識を証明できます。ITパスポート試験は、社会的モラルや倫理観についても出題範囲です。商標権・著作権侵害についても資格を取得することで理解できていると判断されるため、履歴書に記載することで採用者側に安心感を与えられるでしょう。
ITパスポートを履歴書に書くデメリット
ITパスポートを履歴書に書くのはメリットだけではありません。例えば、以下のことが考えられます。
● 専門性のアピールにはならない
● 他の資格と比較してアピールする力が弱い
ITパスポートでアピールできるのはITの基礎知識であるため、ITの専門性まではアピールできません。そのため、ITに関連する他の資格と比較すると、アピール力は弱まります。
ITに関係する業界への就職でITパスポートを活かしたいなら、ITパスポート取得後に他の上位資格を取得するといいでしょう。上位資格は難易度の高いものが多いため、ITパスポートの学習で得た知識は上位資格取得への足掛かりにもなります。特にIT未経験の方であれば、ITパスポートの資格は決して無駄にはなりません。
ITパスポートを履歴書に書くときの注意点

ITパスポートを履歴書に書くときに注意すべき点は以下の3つです。
● 履歴書には正式名称で記入する
● 合格証書に記載されている日付を記入する
● 取得した資格の順番に記入する
これらの注意点は、ITパスポートの資格だけでなく他の資格を記載する際にも共通する注意点ですので、しっかり押さえておきましょう。それぞれを詳しく解説します。
履歴書には正式名称で記入する
ITパスポートに限らず、履歴書に書く資格名称は正式名称を記入しましょう。ITパスポートの正式名称は「ITパスポート試験」です。試験を実施する「独立行政法人 情報処理推進機構」の公式サイトにも、「ITパスポート試験」と記載されています。
ITパスポート試験は、「Iパス」やこの記事の中でも表記している「ITパスポート」などと省略されることも少なくありません。しかし、履歴書には省略した名称で記載しないように注意してください。
普段の呼び名が正式名称かどうかは、試験を実施する運営会社のサイトや、資格の公式サイトで確認できます。
合格証書に記載されている日付を記入する
履歴書の「資格取得年月日」には、ITパスポートの合格証書に書かれている日付を記入します。試験実施日や合格発表日などを記入しないようにしてください。
複数の資格を取得している場合、資格によっては合格証書に記載されている日付が西暦と和暦、異なることもあるでしょう。この場合は、合格証書に記載されているまま書くのではなく、どちらか一方に統一します。
履歴書には資格取得以外にも、学歴や職歴を記入する欄もあります。資格も含めて、全体を西暦・和暦どちらかで統一しましょう。
ITパスポートの合格証書は、試験を受けた日から約2ヶ月後、合格発表の約1ヶ月後に送付されます。万が一、合格証書を紛失して資格取得年月日がわからない場合は、合格証明書を取得して正式な日付を確認しましょう。合格証明書については詳しく後述します。
取得した資格の順番に記入する
ITパスポートの他にも資格を取得している場合は、取得した順番に上から記入するのが基本です。
ただし、運転免許証の資格を取得している場合は一番最初に記載し、その後に他の資格を取得順に記入しましょう。運転免許証以外の希望職種と関係が薄い資格を取得している場合は履歴書への記載を省くか、趣味・特技の欄に記入してください。資格の欄に関連資格のみを記載することで応募者の意思が伝わりやすいからです。関連性が無い資格を羅列すると応募企業の職種を本当に希望しているのかがうまく伝わらないかもしれません。
ITパスポートと一緒に履歴書に書くおすすめの資格

ITパスポートと一緒に履歴書に書くとよりスキルをアピールできる、おすすめの資格を紹介します。以下で紹介する資格をITパスポートの資格取得後に検討しましょう。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はITパスポートと同じく、情報処理技術者試験のうちのひとつです。基本的な知識と技能を習得できる、情報処理技術者など向けの国家試験となっています。情報処理技術者への登竜門とも呼ばれ、エンジニアとして企業で働くために必要な資格です。
基本情報技術者試験に受験資格は設けられていないため、誰でも受験できます。ITパスポートの合格率が50%前後である一方、基本情報技術者試験の合格率は20〜30%とやや難易度は高めです。試験を主催する情報処理推進機構(IPA)では、ITパスポートをレベル1、基本情報技術者試験はレベル2としています。基本情報技術者試験は未経験からでも合格できる試験のため、ITパスポートで基礎知識がついたらチャレンジするとよいでしょう。
ITパスポートと基本情報技術者試験の出題範囲は変わりません。どちらも、システム開発・プログラミング・マネジメントなどの知識が問われます。また、解答は選択方式で、正答率60%が基準となるため、しっかり勉強していれば合格を目指せるレベルといえるでしょう。
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、前述の基本情報技術者試験の上位資格です。試験を主催する情報処理推進機構(IPA)ではレベル3としており、合格率は20%と難易度が高くなっています。試験ではITの応用的知識やスキルを問われるため、スキルアップやキャリアを目指すエンジニアになるために必要な資格です。
基礎情報技術者試験と比べて出題範囲が広く、午後試験は記述式で読解力が求められる内容になっています。応用のマネジメントや経営戦略についても出題されるため、独学で目指すのは容易ではないでしょう。しかし、合格後は高度なレベルの業務を任されたり昇格を目指せたりするなど、活躍の場を広げることが可能です。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
国際資格であるMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)を取得すれば、WordやExcelなど、オフィス製品の操作スキルの証明につながります。試験は、実際にパソコンを操作する実技形式のため、取得することで技術が備わっており、即戦力になることを証明できます。パソコンスキルが必要な多くの業種で、必須といえるほどの資格です。
受験資格は特にないため、誰でも受験できます。また、受験方法は全国一斉試験と随時試験の2種類ありますが、随時試験は自宅でも受験可能です。受験スタイルを選べるため、忙しい方でもチャレンジしやすいでしょう。
パソコンスキルは個人差があるため正確にアピールするのは難しいものの、MOSを取得して履歴書に記載することで一定レベルのパソコンスキルがあることを証明できるでしょう。
・MOSの勉強方法は?独学での勉強方法や勉強時間の目安を解説
・MOS資格の難易度は?合格点や合格率、独学の勉強方法を徹底解説
・MOS資格は役に立たない?メリットやよくある疑問を解決!
ITストラテジスト
ITストラテジストはITの知見を活用して企業の課題を明確化し、業務の効率化を目指してIT戦略を立案できるスキルを習得できる、ITの専門家を目指すための資格です。技術者よりも経営する側の立場にある方が受験することが多く、試験ではITガバナンスの向上やコンプライアンスの確保に貢献できる知識や実践能力を要求されます。
試験の難易度は非常に高く、合格率は15%程度です。ITストラテジスト試験は、情報処理技術者試験の中でも最難関試験のひとつとされています。資格保持者は、コンピューターメーカーや情報処理企業で活躍する方が多く、監査部門や監査法人などの監査業務を担当することも可能です。
また、省庁や官庁での階級評価試験として認知されていることもあり、大手メーカーや金融機関などの採用条件となっていることもあります。
ITパスポートは未経験でも目指せる?

ITパスポートは経験がなくても目指せます。以下では、ITパスポートの合格率や出題範囲などの詳細を解説します。
ITパスポートの合格率は比較的高い
ITパスポート試験は他の国家試験と比べて難易度は低いです。2024年(令和6年5月)の合格率は53.5%でした。応募した者の構成比は社会人82.4%、学生17.6%となっています。それぞれの合格率は社会人55.6%、学生43.6%です。(※)
ITパスポート試験での最近の合格率は平均して50%前後と、およそ2人に1人は合格していることになります。
※2024年7月時点の情報
ITパスポート試験では、解答結果から評価点を算出する方法であるIRT方式が採用されています。このIRT方式で算出される評価点が合格基準です。ITパスポート試験は実施されるごとに試験内容が変わりますが、IRT方式を利用することで、問題の難易度の格差をなくしています。
合格ラインは総合評価点が600点以上であり、分野別評価点が各300点以上となっています。
ITパスポート試験の出題範囲
ITパスポート試験の出題分野は、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系であり、出題数は全部で100問です。
ストラテジ系は35問程度出題されます。概要は企業と法務に関する内容や、経営・システム戦略など、ITの基礎知識などです。
マネジメント系は20問程度でシステムやソフトウェア開発、プロジェクト・サービスマネジメント関連から出題されます。テクノロジ系は45問程度出題され、ITの基礎理念やコンピューターシステム、セキュリティについてなどです。
ITパスポートを履歴書に書くときによくある質問

履歴書を記入しているとさまざまな疑問が出てくるでしょう。そこで、ITパスポートを履歴書に書くときによくある質問を以下にまとめました。回答も紹介していますので、参考にしてください。
ITパスポートの取得日がわからない場合は?
ITパスポートの取得日を忘れた場合や分からない場合は、まず合格証書を確認しましょう。ITパスポートの合格証書である「情報処置技術者試験合格証書」は、ITパスポート試験に合格後、経済産業大臣から送られてきます。
「履歴書を書くときの注意点」の項目でも触れたように、万が一合格証書を紛失した場合は、合格証明書を申請しましょう。詳しい内容は次項の「合格証明書を求められたらどうする?」で解説しています。
ITパスポート取得見込みの場合書き方はどうする?
まだ合格発表前でも、ITパスポート試験を受験して取得見込みだと履歴書でアピールしたい場合は「ITパスポート試験取得見込み」と記入しても問題ありません。
ITパスポート試験は、試験後すぐにコンピューターによる自動採点が行われます。採点が終わると画面上に表示される、おおよその正答率は自分で確認できる仕組みです。自動採点によって合格見込みがあるかどうかを判断できるため、履歴書に見込みと記載できます。
ただし、正式に合格していないのに「取得」と書くのは虚偽の記載です。「取得」と書きたいなら、合格発表後に履歴書に記入しましょう。
ITパスポートを履歴書でアピールしたいなら、早めの取得がおすすめです。正式な合格発表は試験日翌月の中旬と1ヶ月ほどかかります。その期間は「見込み」となりアピール力に欠けるため、余裕を持ったスケジュールで受験しましょう。
合格証明書を求められたらどうする?
履歴書にITパスポートを記載している場合、企業から合格証明書の提出を求められることがあるかもしれません。合格証明書は申請すれば取得可能です。
合格証明書は合格者に送付される合格証書とは異なります。合格証書は合格者全員に無料で送付されるもので、申請手続きは必要ありません。一方、合格証明書は申請した場合のみ受け取れる書類です。交付には1通あたり700円の手数料が必要になります。
合格証書は再発行不可のため、紛失した場合は再発行可能な合格証明書を申請しましょう。ただし、合格証明書は合格発表から約2週間経たなければ発行できません。
ITパスポート試験の合格を目指すならキャリカレがおすすめ

ITパスポート試験に効率よく合格したいなら、キャリカレがおすすめです。キャリカレなら、最短で合格を目指すためのカリキュラムや教材、サポート体制が整っています。おすすめする理由を以下で詳しくみていきましょう。
1日30分の学習・2ヶ月で合格を目指せる
キャリカレのITパスポート合格指導講座は1単元30分、2ヶ月で合格力を身に付けられる講座です。ITパスポート試験合格に必要な勉強時間は180時間ほどとされており、働きながらや家事・育児の合間に独学で進めるには、長い期間必要になることもあります。
キャリカレの講座なら1単元30分となっており、スキマ時間や就寝前など空いた時間を勉強に充てられるため、無理なく学習を進められるでしょう。
また、効率よく学習を進められるように、講座の教材はテキスト・映像講義・問題集など内容が充実しています。さらに、用語集や模擬テストなど、実際の試験に役立つ教材も豊富です。
学習カリキュラムは1ヶ月目でストラテジ系とマネジメント系、2ヶ月目にテクノロジ系を学べるように組まれています。座学の後は実践模擬テストにチャレンジして、テスト結果は講師が採点してアドバイスを受ける流れです。
講師による添削指導が受けられる
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分からない問題があっても、学習サポート期間中は講師に何度でも無料で相談できます。サポート期間は12ヶ月間あるため、途中で学習が中断してしまっても安心です。その間も定期的に学習状況を確認してくれるなど、サポート体制が充実しています。
充実した教材を利用できる
1冊のメインテキストの中に合格に必要な内容がまとめられています。加えて、テキスト・映像講義・問題集用語集がついており、より理解度をアップさせる教材も豊富です。さらに、理解度を確認できる実践模擬テストもついているなど、キャリカレは教材の充実さが魅力です。
また、キャリカレのテキストは「紙」と「Web」の両方に対応しています。例えば自宅でじっくり学びたいなら紙テキスト、外出先のスキマ時間を利用して学びたいならWebテキストなど、学習スタイルに合わせてテキストを選択することも可能です。
ITパスポートを履歴書に書いて就職・転職に役立てよう

ITパスポートは、経済産業省が認定する国家試験です。ITに関する基礎知識が備わっていると証明でき、履歴書に書いているとスキルの証明になります。ぜひ、面接でのアピールポイントとして活用しましょう。
ITパスポートに限らず、履歴書に書くときは正しい情報を記入しなければいけません。資格名は正式名称か、合格証書にある取得日を記入しているかなどをしっかり確認しましょう。
ITパスポートはITの入門資格となるため、希望業種によってはアピール力に足りないこともあります。ITパスポートの上位資格とされる「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」「MOS資格」を取得して、一緒に履歴書に書くとよいでしょう。
仕事や家事・育児の合間に効率よくITパスポートを学習したいなら、キャリカレがおすすめです。1日30分・2ヶ月で合格できる学習カリキュラムが組まれています。また、講師による添削指導が受けられるなど、サポート体制も抜群です。未経験で独学は不安だと感じている方は、ぜひご検討ください。
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この記事の監修者
資格のキャリカレ編集部
150以上の通信教育資格講座を展開し、資格取得・実用スキルの習得はもちろん、キャリアサポートまで行う資格のキャリカレ編集部が運営するコラムです。ITパスポートはITリテラシーの向上や、基本的なIT技術向上のための資格です。ITパスポートの詳細や試験対策をはじめ、ITパスポート資格の魅力や最新情報をお伝えしていきます。