ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格更新とは?研修の種類や受講時間・申込方法などを解説|資格のキャリカレ

ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格更新とは?
研修の種類や受講時間・申込方法などを解説

ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格更新とは?研修の種類や受講時間・申込方法などを解説

こんにちは、資格のキャリカレ編集部です。

ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格更新について気になっている方も多いのではないでしょうか。

実務経験者だけでなく、未経験者の場合も、資格更新には研修の受講が必要です。更新せずに失効すると実務に従事できないので注意してください(再研修を受ける必要があります)。

この記事では、ケアマネジャーの資格更新について詳しく解説します。具体的には、「更新しないとどうなるのか」や、更新研修の申し込み方法、更新研修の種類・受講時間などを説明していきます。

最後に「ケアマネジャーの更新に関するよくある3つの質問」も紹介するので参考にしてください。

目次

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ケアマネジャーの資格を更新しないとどうなる?

ケアマネジャーの資格を更新しないとどうなる?

ケアマネジャーの資格は更新制なので、資格証(介護支援専門員証)には有効期限があります。平成18年から5年ごとの更新制となりました。

資格を更新するには、期限が切れる前に更新研修を受講した後、資格証の交付を申請する必要があります。更新研修を受講しないと資格失効するので注意してください。

なお、資格証の交付を申請する際は「更新研修の修了証明書」と「顔写真」の提出が必要です。

ケアマネジャーの有効期間が切れても再研修を受講すれば更新可能

ケアマネジャー資格の有効期間が切れても、再研修を受講すれば更新できます(再研修の条件や受講時間などは後述します)。そのため、仮に更新期限が過ぎたとしても、実務に復帰することは可能です。

再研修の日程や手続きの詳細に関しては、公益財団法人社会福祉振興・試験センターの公式サイトのページで確認できます。不明点がある場合は、住所を管轄する都道府県の担当課に問い合わせるとよいでしょう。

参考公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護支援専門員(試験問題作成)

ケアマネジャーの資格を更新せずに実務を行うリスク

ケアマネジャーの資格を更新せずに実務を行うと登録抹消のリスクがあります。資格失効のケアマネジャーが所属する事務所に関しても、人員基準違反として介護報酬の返還を求められる可能性があるので注意してください。

ただし、ケアマネジャーとして実務に従事していない場合は、無理に更新しなくても問題ありません。実務に携わっていなければ、資格登録自体は抹消されないためです。

ただし、現時点で実務を行っていなくても、これから働く可能性がある場合は検討してください。更新研修はスケジュールが決まっており、好きなタイミングで受講できるとは限らないからです。

ケアマネジャーを更新する研修の申し込み方法

ケアマネジャーを更新する研修の申し込み方法

ケアマネジャーの更新研修を受講する際は、資格登録している都道府県に申し込みます。前述した通り、更新研修は常時開催されているわけではないので、早めの準備が大切です。

また、更新研修は長時間行われるため、勤務先との業務調整が必要になるかもしれません。ケアマネジャーとして働いている場合は事前に確認しましょう。

更新研修を受講するエリアは、資格登録がある都道府県です。諸事情により受講地を変更したい場合は、登録している都道府県と受講希望の都道府県の双方に確認した上で申し込みます。書類や申請手続きに不備がないように注意してください。

ケアマネジャーの資格更新研修の種類・受講時間

ケアマネジャーの資格更新研修の種類・受講時間

ケアマネジャーとして従事した経験や従事期間などにより、受講する更新研修は異なります。ここでは、各研修の種類・受講時間について解説します。

1.実務経験者に対する更新研修

まずは資格の有効期間内に実務経験があるケースです。就業後6ヶ月以上の場合は「専門研修課程Ⅰ」を受講します。さらに就業後3年以上あれば、「専門研修課程Ⅱ」の受講が必要です。「専門研修課程Ⅰ」と「専門研修課程Ⅱ」の総時間は88時間となっています(詳しくは後述します)。

次は、「専門研修課程Ⅰ」を受講したものの、「専門研修課程Ⅱ」の実務年数を満たしていないケースです。この場合、「専門研修課程Ⅱ」に相当する32時間(旧20時間)の「更新研修」によって資格更新が可能です。有効期間満了まで1年以内の人が対象になります。

なお、就業後6ヶ月以上という「専門研修課程Ⅰ」の条件を満たしていない場合、「専門研修課程Ⅰ」と「専門研修課程Ⅱ」に相当する「更新研修」を受ける必要があります。受講時間は88時間(旧53時間)です。この場合も有効期間満了まで1年以内の人が対象です。

2.実務未経験者に対する更新研修

実務未経験者に対する更新研修の受講時間は54時間(旧44時間)です。前述した「実務経験者向けの更新研修」と同様、有効期間満了まで1年以内の人が対象になります。そのため、余裕を持って日程を確保しましょう。

実務未経験者に対する更新研修では、「介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント」「自立支援のためのケアマネジメントの基本」「人格の尊重及び権利擁護並びに介護支援専門員の倫理」などを学びます。

なお、ケアマネジャーの実務経験があるにもかかわらず、実務未経験者向けの更新研修を受講した場合、資格証の交付が取り消されます。したがって、自身の実務の状況を正しく把握した上で、適切な研修を受講することが大切です。

参考公益財団法人東京都福祉保健財団「更新研修(実務未経験者)カリキュラム」

3.専門研修課程Ⅰ

「専門研修課程Ⅰ」は、ケアマネジャーとして就業後6ヶ月以上の人が対象です。受講時間は56時間(旧33時間)と定められており、受講者は多岐にわたるカリキュラムを通じて必要な知識を学びます。

具体的なカリキュラムは以下の通りです。

● ケアマネジメントにおける実践の振り返り及び課題の設定
● 介護保険制度及び地域包括ケアシステムの現状
● 対人個別援助(ソーシャルケースワーク)及び地域援助技術(コミュニティソーシャルワーク)
● ケアマネジメントの実践における倫理
● 生活の継続を支えるための医療との連携及び多職種協働の実践
● リハビリテーション及び福祉用具等の活用に関する理解
● ケアマネジメントの演習
● 個人での学習及び介護支援専門員相互間の学習
● 研修全体を振り返っての意見交換、講評及びネットワーク作り

上記の「ケアマネジメントの演習」には、「生活の継続及び家族等を支える基本的なケアマネジメント」「脳血管疾患のある方のケアマネジメント」「認知症のある方のケアマネジメント」などが含まれています。

参考厚生労働所「介護支援専門員専門研修課程Ⅰ 各科目のガイドライン」

4.専門研修課程Ⅱ

「専門研修課程Ⅱ」は、ケアマネジャーとして実務経験3年以上の人が対象です。受講時間は合計32時間(旧20時間)と定められており、受講者は高度で専門的な内容を学びます。

前述したように「専門研修課程Ⅱ」は、「専門研修課程Ⅰ」の修了後、資格証の有効期間満了まで1年以内の人が対象となっています。

具体的なカリキュラムは以下の通りです。

● 介護保険制度及び地域包括ケアシステムの今後の展開
● ケアマネジメントの実践における倫理
● ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表

上記の「ケアマネジメントにおける実践事例の研究及び発表」には、「生活の継続及び家族等を支える基本的なケアマネジメント」「認知症のある方のケアマネジメント 」「看取り等における看護サービスの活用に関する事例」などが含まれています。

参考厚生労働所「介護支援専門員専門研修課程Ⅱ 各科目のガイドライン」

5.再研修

ケアマネジャーの資格登録から5年経過している人や、資格証失効後に再び交付を受けたいと考えている人は「再研修」を受講します。受講時間は54時間(旧44時間)です。

なお、資格登録から5年経過しても「再研修」を受けない場合、資格証は失効します。失効中はケアマネジャーとして働けないので注意してください。ただし、失効後も名簿上に記録は残っているため、「再研修」を受講することで再び働けます。

「再研修」のカリキュラムは、前述した「実務未経験者に対する更新研修」と共通しています。詳しくは以下を参考にしてください。

参考公益財団法人東京都福祉保健財団「再研修 カリキュラム」

6.2回目以降の更新で受講する研修

ケアマネジャーの資格は、1回目の更新と2回目の更新以降で内容が異なります。

まずは一度目の資格更新で「専門研修課程Ⅰと専門研修課程Ⅱ」、または「専門研修課程Ⅰと専門研修(専門研修課程Ⅱ相当)」を受講しているケース(計88時間の受講時間)を解説します。

この場合、2回目以降の更新では「専門研修課程Ⅱ」、または「専門研修(専門研修課程Ⅱ相当)」を受けることで資格更新できます。受講時間はどちらも32時間です。

次に、一度目の更新で54時間の「更新研修(実務未経験者向け)」を受けた後、実務に従事したケースです。この場合、計88時間の「専門研修課程Ⅰと専門研修課程Ⅱ」などを受講することで更新できます。

最後に、一度目の更新で「更新研修(実務未経験者向け)」を受けた後、実務に従事していないケースです。この場合、再び「更新研修(実務未経験者向け)」を受けることで更新できます。受講時間は54時間です。

ケアマネジャーの更新に関するよくある質問

ケアマネジャーの更新に関するよくある質問

ここでは、ケアマネジャーの資格更新に関する「よくある質問」に回答します。

ケアマネジャーを更新する研修は廃止されることはない?

ケアマネジャーの資格更新に必要な研修は、2024年10月時点で廃止される予定はありません。

「実施される研修の受講時間が長い」という現場の声はあるものの、今後も廃止される可能性は低いでしょう。ケアマネジャーの仕事は、専門的かつ最新の知識が必要だからです。

ただし、研修内容やカリキュラムが見直される可能性はあります。2024年度から一部のカリキュラムが変更されており、より現場のニーズに合った内容に改善されています(受講時間に変更はありません)。

ケアマネジャーの更新費用はどのくらい?

ケアマネジャーの更新費用は一律ではありません。研修内容や都道府県によって異なります。一般的な費用は3万5,000円〜4万5,000円というケースが多いでしょう。

「更新費用を安くしてほしい」という声はあるものの、研修によって知識をブラッシュアップしたり、最新知識を習得できたりというメリットもあります。ケアマネジャーとして成長できる機会と考えれば、決して高い費用とはいえないでしょう。

なお、職場によっては更新費用を負担してもらえるので、事前に確認してみてください。

ケアマネジャーを更新せずに登録だけしておくことも可能?

ケアマネジャー資格は更新せずに登録だけ残しておくことも可能です。その場合、資格自体は抹消されないものの、失効状態になるので実務には携われません。したがって、ケアマネジャーとして働き続けるには、研修を受ける必要があります。

資格失効後、実務に復帰するには再研修の受講が必要です。それにより、再度ケアマネジャーの資格を取得して実務に従事できます。

ケアマネジャーの実務に従事するなら更新を忘れずにしよう

ケアマネジャーの実務に従事するなら更新を忘れずにしよう

当記事では、ケアマネジャーの資格更新について詳しく解説しました。資格失効を避けるには5年ごとに更新研修を受講する必要があります。

具体的な研修の種類には、「専門研修課程Ⅰ」「専門研修課程Ⅱ」「再研修」などがあります。「自分はどの研修が必要なのか」を把握する必要があるでしょう。

また、キャリアアップを目指す場合は、関連資格の取得も検討してください。資格の数を増やすことでスキルの幅が広がります。その際は資格のキャリカレの通信講座がおすすめです。

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この記事の監修者

資格のキャリカレ編集部

150以上の通信教育資格講座を展開し、資格取得・実用スキルの習得はもちろん、キャリアサポートまで行う資格のキャリカレ編集部が運営するコラムです。
ケアマネジャーは介護や支援を必要とする方のサポートやマネジメントなどを行う仕事で、介護現場に欠かせない資格です。試験の詳細や対策、資格の魅力など、ケアマネジャーの最新情報をお伝えしています。

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