マインドフルネス・瞑想のやり方とは?

マインドフルネス・瞑想のやり方とは?

マインドフルネスをやってみたい!瞑想って何だろう?など、マインドフルネスや瞑想について気になるけど、まだやったことがない…という方も多いのでは?ここでは、やり方や実践時間やメリットなどもわかりやすく解説いたします。

目次

瞑想状態とはどういう状態?

瞑想状態とはどういう状態?

最初に、「マインドフルネス=瞑想法」と思っている方が多いのではないでしょうか。
マインドフルネスは、「瞑想」のことではなく、心の状態を表しています。
マインドフルな状態でいるためのトレーニングとして、主に「瞑想」が用いられるため、誤解されている方も多いかもしれません。

では、マインドフルネスで行う瞑想状態とはどのような状態のことを指すのでしょうか。
マインドフルになっている状態は、自分では認識できないため、瞑想状態を言葉で解説するのは難しいのですが、ここでは、実践していく時の指針として2つの瞑想状態について解説します。

(1)FA(フォーカスト・アテンション)

瞑想はまず、一つのことに意識を向けることから始めます
これをマインドフルネスではFA(フォーカスト・アテンション)と言います。
集中できていると、意識を向けている対象のことだけしか見えなく(考えなく)なります

例)満開の桜にとまる「小鳥」に集中し、小鳥以外、目に入らなくなる。注意資源を小鳥の観察だけに使っている。

(2)OM(オープン・モニタリング)

一つのことに集中するトレーニングを続けていると、何かに集中しながらも、周囲の状況がわかるようになっていることに気づきます。
これをOM(オープン・モニタリング)と言います。
感覚的には視野が広がっていくような感じです。

例)満開の桜にとまる「小鳥」に集中しながらも、周りのキレイな桜や香り、暖かい空気などを感じられる状態。注意資源を均等に分配できている。見えているものや感じていることなどを評価せず、自然と通り過ぎていく。

オススメはFAに取り組みながら次第にOMもできるようになるという方法です。
一般的にFA → OMがうまく切り替えられるようになるまで何年もかかります。
焦らずじっくりと続けましょう。

補足)
「暖かい風だ」「春服を出さないと」など何事かにとらわれたり、見えているものや感じたことに集中力が奪われている状態(マインドワンダリング)はOMではありません。

マインドフルネス・瞑想のやり方

マインドフルネス・瞑想のやり方

ここでは、4つのマインドフルネス・瞑想のやり方についてご説明します。
マインドフルになるにはある程度のトレーニングが必要になりますが、毎日少しずつ実践していきましょう。

(1)呼吸瞑想

最初は自宅や公園など邪魔されることの少ない場所を選びましょう。
スマホの電源はオフにして気を散らすものが身近にないようにしてください。

Step1.姿勢を整える

・椅子に浅く座って両足を少し開く
・頭の上から一本の糸で引っ張られているイメージで背筋を伸ばす
・両手は膝の上に置き、手のひらを上に向ける
・目を閉じ、体の力を抜いてリラックス

point1:座りが安定しない時は、体を左右に揺らし腰が安定する位置を探しましょう。

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Step2.ありのままの呼吸を意識

・基本は鼻から吸って鼻から出す「鼻呼吸」で。難しければ口からでもOK
・いつもの自然な呼吸に意識を傾ける。鼻から流れる空気かお腹の膨らみに意識を集中

point1:意識する箇所を1点だけに絞る。例えば「鼻から流れる空気」など。
point2:呼吸が浅くても気にしなくて大丈夫。ありのままの呼吸を意識することが大切です。心が落ち着かない時は、大きく3回深呼吸しましょう。

point3:雑念はそのままに。慣れないうちは「お腹すいたな」とか仕事のことなど、すぐに雑念が浮かんできます。でも気にする必要はありません。雑念もそのまま受け止めるのがマインドフルネス。雑念に気が付いたら、呼吸に意識を戻しましょう。

【時間の目安】
最初は2~3分。慣れてきたら10~30分。

【メリット】
呼吸には自律神経を整える効果があります。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、活動時は交感神経が優位に、リラックス時には副交感神経が優位になります。

しかし現代の生活環境は交感神経を刺激するものが多く、慢性的な疲れなど不調になりやすいことが分かっています。息を吸うと交感神経が、息を吐くと副交感神経が働くので、呼吸に意識を向けるだけで、心身のバランスが整います。

【いつ行う?】
椅子に座って行う呼吸瞑想は、いつでもどこでもできますが、オススメは朝。朝日を浴びながら行うと、すっきりと目覚めることができます。

(2)歩行瞑想

歩行瞑想の基本編です。ヨガマットを敷くなどして、畳1帖分くらいのスペースを定めます。基本はそのスペースをゆっくり往復します。靴下は脱ぎ、裸足で行うのが望ましいです。

Step1.姿勢を整える

・自分が歩く場所を決め、背筋を伸ばして立つ
・目線は3~4メートル先を見ながら、半眼にする(半眼とは半分目を開いた状態。3メートルくらい先の床を見るイメージで視線を落とせば、自然と半眼に)
・両手は体の前か後ろで組む

point1:足元を見ると猫背になるので気をつけましょう。

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Step2.歩行スタート

・ゆっくり歩き出し、足の裏の感覚に集中

point1:「かかとが上がる」「つま先が上がる」など一歩の動作を細かく感じ取りながら行いましょう。
point2:行進にならないよう注意。「かかとを上げる」など自分に命令しないよう気をつけましょう。

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Step3.方向を転換する

・ヨガマットや畳など目安のスペースの端に来たらひと呼吸
・周りの景色を見ながら方向転換

point1:止まる時はしっかり足を揃えて立ちましょう。こうした動きでも心が整います。

【時間の目安】
畳一帖分スペースを1往復2分くらいかけて、ゆっくり歩く。何往復かはお好みでOK。

【メリット】
裸足で行うことで床の触り心地を感じることができます。この感触はとてもマインドフルなことです。

【いつ行う?】
屋内で行う基本編は狭い場所でできるので、料理前にキッチンで行ったり、洗濯前に洗面所で行ったりと、家事の前に取り入れるといいでしょう。

【慣れてきたら】
足の裏に意識を向ける基本編に慣れたら、外でも足の裏の感覚を研ぎ澄ましてみましょう。靴を履いている時は、点字ブロックやマンホール、横断歩道などを足裏で感じ、公園や海岸など靴が脱げる時は、芝生や砂の感覚を感じてみましょう。

(3)食べる瞑想

スマートフォン片手に「ながら食べ」をするのをやめて、食べ物を味わいます。なんとなく食べるのではなく、食材の一つひとつの香り、味わい、歯ごたえなどを意図的に感じ取っていきます。食事に集中すると、食べ過ぎなども防止できます。

Step1.食材を観察する

・目を閉じてゆっくりと深呼吸
・色、形、などをじっくりと観察
・再び目を閉じ、香りを嗅ぐ

point1:ほのかな香りも感じ取れるように意識を向けましょう

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Step2.味をイメージする

・口に含んだらどんな味がするのか想像する

point1:味だけでなく「食感」も具体的に想像してみましょう。

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Step3.ゆっくり噛みしめる

・目を閉じて食材を唇で挟み、少しずつ口の中に入れていく
・すぐには噛まず、舌の上で転がし感触やわずかな味を感じ取る
・ゆっくり噛んで味わう

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Step4.ゆっくり飲み込む

・味、香り、食感など口の中で感じる全ての感触に集中
・味わい尽くしてから、ゆっくり飲み込む

point1:のどを通る感触(のどごし)にも意識を向けましょう。

【時間の目安】
一口あたり1分間程度。最初の数口だけでもOK。

【メリット】
食材の味をしっかり味わえるので、少ない食事量でも満足感が得られます。食事制限なしのダイエットが可能です。2016年に米国カリフォルニア大学のジェニファー・ダウベンマイヤー博士らの研究により、マインドフルネスとダイエットの関係を科学的に証明する調査報告が発表されています。

他にも、糖尿病の原因である血糖値を下げる効果についても研究がなされ、米国ブラウン大学では、「常にマインドフルネスな状態であるほど血糖値が低い」と報告されています。

【こんな時にオススメ】
ダイエットしたい時。食事を美味しく感じられない時。

(4)ボディスキャン瞑想

夜寝付けなかったり、頭痛や肌荒れなど原因不明の不調を感じたりしている時は、交感神経が過剰に働いているかも。そんな自律神経の乱れを取り除くのにオススメの瞑想法です。

Step1.仰向けになってゆっくり呼吸

・仰向けに寝転がる
・足を軽く開き、手は体の横に。手のひらを上に向ける
・目を閉じ、ゆっくり呼吸

point1:息を吸ったり吐いたりするたびに、お腹が上下するのを意識しましょう。

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Step2.全身をイメージ

・体全体が一つになり、それを皮膚が包んでいるようなイメージを作る
・背中やお尻など床と接している部分に意識を向ける
・呼吸をするたびに体が重くなっていくようなイメージをする

point1:息を吐くたびに体が解き放たれることを感じてみましょう。

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Step3.体の各部位に意識を向ける

・つま先に意識を向け、息がつま先から体内に入り出ていくイメージを感じ取る
・十分に意識を集中させたら一度じっくり深呼吸
・一旦意識を解き放つ
・今度は両膝に意識を向け、膝とともに呼吸しているイメージを感じ取る
・同様に太もも、お尻、腰、お腹、胸、肩、首と意識を向ける部位を移動
・最後に顔と頭に意識を集中させる

point1:部位を変える度に深呼吸をして意識を切り替えましょう。
point2:何も感じない時は「感じない」ということを感じればOK。
point3:腰や肩にコリや緊張があっても、それらをあるがままに感じましょう。

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Step4.全身で息をしていることをイメージ

・Step3で頭に意識を向けた時、「頭のてっぺんで息を吸って、足の裏から吐く」とイメージして、空気が全身を通り抜けていることを感じる

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Step5.つま先、指先を動かしてから目を開ける

・意識を体に戻す
・つま先を動かす
・手のひらを握ったり開いたりする
・ゆっくりと目を開け、光や色が自然に見えていることを感じる

point1:目を開けずに、そのまま眠ってもOK。

【時間の目安】
12~15分

【メリット】
自律神経が整い、睡眠の質も上がります。

【こんな時にオススメ】
体調不良や不眠を感じる時

うまくいかない時の対処法

うまくいかない時の対処法

マインドフルネスで最も大切なのは続けることです。
しかし何事も継続するのは難しいことですよね。
そこでつまずきやすい3つのポイントと解決方法を紹介します。

雑念にとらわれる

対処法→ラベリング

まず心理実験をします。
1. 目を閉じてお茶を飲む動作をやってみる。
架空の湯のみを持ち、温かさや香り、味などをイメージする。

2. 目を開けて手を下ろし、一度大きく深呼吸。
3. 「おちゃ」という言葉を声に出して数十回、できるだけ早く言う。
「おちゃおちゃおちゃおちゃおちゃおちゃおちゃおちゃ…」と言う風に。


先ほど飲む体験をした「お茶」のイメージが消え、そもそも「おちゃ」と言う言葉が何を意味しているのか曖昧になってきませんか?
連続して同じ言葉を連呼することで、その意味が失われていくと言う脳の現象を応用したものが「ラベリング」です。

雑念が出た場合は、内容に名前をつけて繰り返し心の中で唱えてみましょう。
例えば「予定予定予定予定予定予定予定」などといった具合です。

習慣化できない

対処法→プチ瞑想

継続するにはマインドフルネスのトレーニングを大げさにしないことです。
ハードルはなるべく下げましょう。
プチ瞑想とは「短時間でOK」「何でもOK」です。
呼吸瞑想や歩行瞑想が1分でもできたら自分を褒めましょう

正解がわからない

対処法→正解に近づく瞑想のポイント

1. 評価・判断を行わない
→瞑想中に「これでいいのかな?」と疑問が浮かんでもそのままにしておきましょう。
2. 考えることではなく感じること
→感覚や思いが生じても、解釈や分析したりせずに、ありのままに感じるだけにしておきましょう。
3. Doing mode → Being mode
→〇〇すべきと言うモードから、あるがままを受け止めるモードに切り替えましょう。

これらは人間の脳として当たり前の機能です。
自分を責めたりせずに、気づいたことを褒めた上で流してしまいましょう

日常にマインドフルネスを取り入れよう!

日常にマインドフルネスを取り入れよう!

マインドフルネスの瞑想が難しい時は、生活の場面で何かに意識を向けるだけでもOKです。
例えば、お風呂でお湯が体を伝って落ちてゆく感覚や、歯磨きでブラシが歯に当たって汚れが落ちてゆく感覚などです。
日常生活の中にはマインドフルネスのかけらがたくさんあります。
難しいことは考えず、ふとした瞬間に気軽に実践してみてください。

会議前などにオススメの【半眼瞑想】

仕事が山積みな時、無駄と思えるような会議に参加するのは苦痛です。
そんな時は早めに会議室に入り、「半眼瞑想」で気持ちを切り替えることをオススメします。

・書類を手に持って眺めているふりをしながら、目線は書類の先のテーブルや床に落とす
・呼吸に意識を向ける

これだけで頭がスッキリし、会議の内容がクリアになって頭に入ってきます
無駄だと思っていた会議も集中して参加すると、様々な発見があることに気づくはずです。また脳が疲れないので、会議後も自分の仕事にすっと入っていけます。

まとめ

マインドフルネスの瞑想には呼吸瞑想、歩行瞑想、食べる瞑想などがあり、いずれも通勤、洗濯、食事など日常生活の動作の中に取り入れることができます
ダイエットをしたい時、体調不良を感じる時、仕事に集中したい時などにもマインドフルネスの瞑想は役立つので是非実践してみてください。

もう少ししっかり習いたいな…という方には、キャリカレの「マインドフルネス講座」がおすすめです。
テキストはもちろん、映像講義でわかりやすく解説してくれるので、どなたでもきちんと実践することができます。

仕事や家庭のあらゆるシーンで役立つことはもちろん、ダイエットや健康にも効果があると言われるマインドフルネス。
この機会にはじめてみませんか。

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