調理師になるにはどうすればいいの?
方法や調理師試験の概要、資質・心構えなどを解説

調理師になるにはどうすればいいの?方法や調理師試験の概要、資質・心構えなどを解説

調理師資格は、仕事にも日常にも役立つ資格であるため、取得を考えている人も多いのではないでしょうか。しかし、調理師になるためにはどうすればいいの?という方もいらっしゃいます。ここでは、調理師になる方法や調理師免許試験の概要、資格を取得するメリット、求められる資質・心構えまで解説します。ぜひ参考にしてみてください。

目次

調理師になる方法

調理師になる方法

調理師になる方法は、主に3つあります。
まず料理人を目指す方法もあるので、どのような方法があるかを理解した上で、自分に合った方法を選択しましょう。

調理師養成施設を卒業する

全国には、厚生労働大臣が指定した調理師養成施設があります。
大学、短期大学、専門学校の3種類があり、それぞれ1年以上通学すると、卒業時に調理師資格を取得することが可能です。

試験なしで調理師を名乗ることができるだけでなく、在学中に料理に関する知識を身につけられます。
通学する時間やお金に余裕がある場合は、調理師養成施設への入学を検討してみましょう。

実務経験を積み調理師試験を受験する

調理師養成施設を卒業しなくても、調理師試験に合格すれば、調理師資格を取得できます。
試験には受験資格が設けられており、調理業務における2年以上の実務経験が必要です。

試験の項目で詳しく解説しますが、調理師養成施設を卒業していない人は定められた調理業務で2年以上勤めたのちに、試験の合格を目指しましょう。

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調理師免許を持たずに料理人を目指す人もいる

料理に関わる仕事は、必ずしも調理師免許を求められるわけではありません。
飲食店やホテルのレストランなどで働いている人の中には、調理師免許を持っていない人もいます。

ただ、求人によっては調理師免許の所持を条件にしている場合があるので、免許を持っていた方が選択肢は広がります。
さまざまな職場で料理の仕事をしたい場合は、調理師免許を持っていた方が有利です。

資格を取得するための調理師免許試験とは

資格を取得するための調理師免許試験とは

資格を取得するためには、調理師免許試験に合格する必要があります。
調理師免許取得を目指すためには、まず試験の概要を押さえましょう。
受験資格や試験の内容、難易度など、試験の詳細を解説します。

試験の概要

調理師試験は、厚生労働大臣指定試験機関である公益社団法人調理技術技能センターや各都道府県で実施している試験です。
全国の多くの地域に会場を設けており、全60問の問題をマークシートによる四肢択一方式で問われます。

試験の日程や会場、科目といった概要は、以下にまとめましたので、受験を検討する上で参考にしてください。

試験日程 都道府県によって異なりますが、例年7月~12月に実施
試験会場 都道府県指定の会場
試験科目 公衆衛生学、食品学、栄養学、食品衛生学、調理理論、食文化概論
試験形式 全60問、マークシートによる四肢択一方式

試験を受けるための資格

試験を受けるためには、受験資格が設けられています。

  • 学歴:中学校卒業以上の者
  • 職歴:調理業務に2年以上従事している者

職歴には、細かい条件が定められており、業種や労働時間などが決められています。
以下にまとめましたので、確認していきましょう。

業種
  • 飲食店営業
  • 魚介類販売業 ※販売のみは除く
  • そうざい製造業
  • 複合型そうざい製造業
  • 寄宿舎、学校、病院等の給食施設
    ※継続して1回20食以上又は1日50食以上調理している施設であること
調理業務に認められない業務
  • 喫茶店営業
  • 食肉処理、食品製造、飲料の調製
  • 接客業務、運搬・配達業務、食器洗浄
  • 栄養士、保育士、看護師などの職種として採用されている場合
    ※調理業務に従事している場合は除く
  • 料理学校などで調理実習指導等に従事している場合
  • 食品開発業務の一環として従事している場合
  • 食品衛生法による営業許可を受けていない施設で従事していた期間
  • 菓子製造業又は喫茶店営業の許可のみを受けた営業施設で従事している場合
  • 飲食店営業の許可を受けた営業施設であっても、主にケーキやデザート類及びパン製造の業務に従事している場合
    ※調理業務に従事している場合は除く
  • 外国の飲食店で従事している場合
  • 高校在学期間中に従事している場合
    ※定時制・通信制は認められる
注意事項
  • パートやアルバイトなどは、週4日以上かつ1日6時間以上の勤務(実働)が原則

まずは、自分に受験資格があるかを確かめることが第一歩です。
学歴や職歴に当てはまらない場合は、学歴の取得や実務経験などの条件を満たすために準備を進めましょう。

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試験の難易度

厚生労働省では、調理師試験の実施状況を例年公開しています。
令和2年度の実施状況を参考に、調理師試験の難易度を受験者数が1,000人以上の都道府県で見ていきましょう。

北海道 63.9%
千葉県 69.7%
東京都 73.2%
神奈川県 82.4%
関西広域連合
(滋賀、京都、大阪、兵庫、和歌山、徳島)
73.7%

都道府県によって合格率に差がありますが、全体の平均は70.2%です。
実技試験はなく、すべてマークシート形式ということもあり、知識をしっかり身につければ、多くの人に合格のチャンスがあります。

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調理師資格を取得するメリット

調理師資格を取得するメリット

調理師免許を持たずに料理人になることもできますが、資格を取得することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、調理師資格を取得するメリットを2つ解説しますので、取得を検討する際のヒントにしてみましょう。

専門的な知識を身につけられる

調理師試験に合格するために勉強する過程で、さまざまな専門的な知識を身につけられます。

試験科目は、公衆衛生学、食品学、栄養学、食品衛生学、調理理論、食文化概論であり、独学でも料理や食に関わる幅広い知識を習得できるのがメリットです。
調理師養成施設であれば、調理の実践知識やスキルなどを学べるでしょう。

知識や技術などを証明するステータスを得られる

調理師資格は、調理試験に合格したことを証明するだけでなく、知識や技術を示すステータスにもなります。

資格に値するスキルがあることが伝わるので、就職や転職に有利に働く場合が多いです。
資格の有無を条件にしている職場もあり、調理資格があることで、より待遇の良い場所で働くチャンスが広がります。

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調理師に求められる資質・心構え

調理師に求められる資質・心構え

調理師になるには、資格や料理の腕前・知識が問われるだけでなく、求められる資質・心構えがあります。
体力や精神力なども必要になるので、日々の生活から意識して取り組むことが大切です。

体力が必要

調理師の仕事は、厨房やキッチンで立ちっぱなしになったり、重いものを運んだりするので、体力が必要になります。

また、仕込みのために早く出勤したり、閉店作業で残業したりすることもあり、拘束時間が長いことも特徴です。
そのため、最低限基礎的な体力がある人に向いています。

下積みを乗り越える忍耐強さ

職場によっては、調理師になってすぐは、見習いとして下積み期間を乗り越える必要があります。
下積み期間は調理を任せられず、仕込みや盛り付けなどを行うことが多いです。

厳しい指導を受けることもあるので、めげずに粘り強く努力を続ける必要があります。
忍耐強い人や精神的にタフな人に向いている仕事といえるでしょう。

料理や食に対する好奇心・探求心

美味しい料理を作り続けるためには、スキルや知識を磨き続けることが大切です。
新しい食材の組み合わせを見つけたり、今流行っている料理を食べてみたりするなど、料理や食に対する好奇心・探求心を持っている人に適性があります。

常に新しい料理を作りたい、喜んでもらえるように料理を極めたいといった向上心があると、調理師としてさらに成長していけるでしょう。

味覚や盛り付けのセンス

料理は、味はもちろん、見た目も重要です。
特にレストランやカフェなどは盛り付けで話題になることもあります。
そのため、色の組み合わせや配置などのセンスが必要です。

味覚も大切で、食材と調味料の微妙な味の違いなどをわかると、より美味しい味付けができるでしょう。
センスや味覚は必ずしも生まれ持った才能というわけではないので、色々な料理を食べたり、見たりする中で培われます。
多くの料理を自ら体験して、感覚を磨いていきましょう。

臨機応変な対応力

調理師には、臨機応変な対応力も求められます。
店舗の混雑状況やその日に使える食材などを頭に入れた上で、その場で判断して、調理や仕込みなどをすることが大切です。

時には、お客さんや患者さん、施設の利用者から要望を受け取ることもあるでしょう。
応えられる範囲で対応を考え、その時に合った料理やサービスを提供できれば、感謝や満足の声をもらえるはずです。

資格取得・就職後の調理師のキャリアイメージ

資格取得・就職後の調理師のキャリアイメージ

調理師免許の取得後、調理師として就職後、どのようなキャリアになるのでしょうか。
キャリアイメージの例を紹介しますので、調理師としてのキャリア形成をイメージしてみましょう。

職場に就職し下積みをする

調理師免許を取得したら、ホテルのレストランや飲食店、学校などから就職先を見つけます。
就職後は、職場にもよりますが、多くの場合下積みをするのがほとんどです。

仕込みや後片付けなどをしながら、職場に慣れていき、技術を磨いていくことになります。
調理や盛り付けなどはまだできない時期なので、もどかしい気持ちもありますが、粘り強く取り組む姿勢が大切です。

経験や技術に応じて調理や盛り付けを任せられる

下積みで経験を積んだら、スキルなどに応じて調理や盛り付けを任せられることになります。
長い下積みを乗り越えた達成感と調理に関われる喜びを得られるタイミングです。

はじめは担当するメニューが少なくても、だんだんと種類が増えていき、さまざまな料理に携わることができます。

料理長やシェフなどの役職につく

同じ場所でキャリアを積んでいくと、料理長やシェフなどの役職につけるチャンスが出てきます。
メニューの考案や従業員の管理、経営など、全体を見る立場になり、調理をすることとは違ったやりがいを感じられるでしょう。

また、他の飲食店に移ったり、異なる料理ジャンルの店で学んだりするなど、さらに経験を積む調理師もいます。
さまざまなジャンルの料理を勉強したのちに自分に合うジャンルを見つけるのも、キャリア形成で重要なことです。

一つの店で料理を極める、他店で技術を磨くなど、さまざまな選択肢があります。

独立する選択肢もある

経験や技術に自信が生まれたら、独立して自分の店を持つことも可能です。
メニューや店の外装・内装などにこだわり、自分の料理で喜んでもらえるのは料理人が持つ夢の一つでしょう。

最終目標を独立・開業として、技術を磨いたり、調理師免許を取得したりするのもおすすめです。
調理師免許には、開店に必要な食品衛生管理責任者の資格が含まれているため、独立時にスムーズに手続きを進められます。

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まとめ

調理師になるには、2つの方法があります。
1つ目は調理師養成施設を卒業すること、2つ目は実務経験を積み調理師試験に合格することです。

調理師免許がなくても料理・調理の仕事はできますが、資格があることによって就職・転職で有利になったり、待遇が良くなったりするので、取得することをおすすめします。

試験の概要や求められる資質・心構えなどを参考にして、料理・調理に興味がある人はぜひ調理師を目指してみましょう。

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