第一種・第二種電気工事士は独学でも合格可能?メリット・注意点・勉強法まで解説

第一種・第二種電気工事士は独学でも合格可能?メリット・注意点・勉強法まで解説

電気工事士資格の取得を目指している方の中には、独学で合格できるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。独学はコストを抑えて学習できるものの、サポートが少ない点は弱みになるかもしれず、勉強法を選ぶ上で悩む人が多いはずです。ここでは、第一種電気工事士と第二種電気工事士は独学で合格できるのかについて、試験の合格率や難易度、独学のメリット・デメリット、勉強法、注意点まで詳しく解説します。

目次

第一種・第二種電気工事士には独学でなれる?

第一種・第二種電気工事士には独学でなれる?

まずは、一番気になる電気工事士は独学でなれるかについて解説します。
試験の合格率と難易度もご紹介しますので、ぜひ受験を検討する際にチェックしてみてください。

電気工事士資格は独学で取得可能

電気工事士資格を取得するためには、電気工事士試験に合格する必要があります。
試験以外に講座の受講などの要件は一切ないので、独学でも取得可能です。

専門的な国家資格なので、職歴や学歴などを求められるイメージがありますが、特別な受験資格はありません。
実務経験や学歴、年齢、性別などを問わず、誰でも独学で電気工事士になれるチャンスがあります。

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電気工事士資格の合格率・難易度

独学での取得を目指す上で、電気工事士試験の合格率や難易度が気になる方も多いでしょう。
電気工事士試験を実施している一般財団法人 電気技術者試験センターでは、過去の試験結果を実施しているので、そこから合格率を調べることができます。

まずは、第一種電気工事士の合格率から見ていきましょう。

・第一種電気工事士の合格率

【第一種電気工事士:筆記試験の合格率】
出典:電気技術者試験センター│試験実施状況の推移(第一種電気工事士試験)
年度 受験者数 合格者数 合格率
令和2年度 30,520 15,876 52.0%
令和元年度 37,610 20,350 54.1%
平成30年度 36,048 14,598 40.5%
平成29年度 38,427 18,076 47.0%
平成28年度 39,013 19,627 50.3%
平成27年度 37,808 16,153 42.7%
平成26年度 38,776 16,649 42.9%
平成25年度 36,460 14,619 40.1%
平成24年度 35,080 14,927 42.6%
平成23年度 34,465 14,633 42.5%
【第一種電気工事士:技能試験の合格率】
出典:電気技術者試験センター│試験実施状況の推移(第一種電気工事士試験)
年度 受験者数 合格者数 合格率
令和2年度 21,162 13,558 64.1%
令和元年度 23,816 15,410 64.7%
平成30年度 19,815 12,434 62.8%
平成29年度 24,188 15,368 63.5%
平成28年度 23,677 14,602 61.7%
平成27年度 21,739 15,419 70.9%
平成26年度 19,645 11,404 58.1%
平成25年度 19,911 15,083 75.8%
平成24年度 16,988 10,218 60.1%
平成23年度 20,215 17,104 84.6%

筆記試験は40~54%、技能試験は60~84%という合格率です。
筆記試験は難易度が低いとは言えませんが、技能試験は約7割の受験者が合格しています。

次に、第二種電気工事士の試験結果をご紹介します。

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第一種電気工事士の実技試験をクリアしよう!試験概要や合格のためのポイントも解説

・第二種電気工事士の合格率

【第二種電気工事士:筆記試験の合格率】
出典:電気技術者試験センター│試験実施状況の推移(第二種電気工事士試験)
年度 受験者数 合格者数 合格率
令和3年度(上期) 86,418 52,176 60.4%
令和2年度(下期) 104,883 65,114 62.1%
令和2年度(上期) 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため試験中止
令和元年度(下期) 47,200 27,599 58.5%
令和元年度(上期) 75,066 53,026 70.6%
平成30年度(下期) 49,188 25,497 51.8%
平成30年度(上期) 74,091 42,824 57.8%
平成29年度(下期) 40,733 22,655 55.6%
平成29年度(上期) 71,646 43,724 61.0%
【第二種電気工事士:技能試験の合格率】
出典:電気技術者試験センター│試験実施状況の推移(第二種電気工事士試験)
年度 受験者数 合格者数 合格率
令和3年度(上期) 64,443 47,841 74.2%
令和2年度(下期) 66,113 48,202 72.9%
令和2年度(上期) 6,884 4,666 67.8%
令和元年度(下期) 41,680 25,935 62.2%
令和元年度(上期) 58,699 39,585 67.4%
平成30年度(下期) 39,786 25,791 64.8%
平成30年度(上期) 55,612 38,586 69.4%
平成29年度(下期) 25,696 16,282 63.4%
平成29年度(上期) 55,660 39,704 71.3%

過去10年の合格率は、筆記試験は51~70%、技能試験は62~74%です。
どちらも約6・7割の受験者が合格しているので、初心者でも合格できる難易度であり、しっかり勉強すれば誰でもパスできるでしょう。

第一種電気工事士と第二種電気工事士に共通して、技能試験よりも筆記試験の方が合格率は低くなっています。
候補問題が公表され事前に練習できる技能試験とは異なり、筆記試験は確かな知識が必要です。
筆記試験に合格できれば、資格取得が近づくので、暗記や計算など知識をしっかり身につけましょう。

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第一種・第二種電気工事士を独学で目指すメリット

第一種・第二種電気工事士を独学で目指すメリット

第一種・第二種電気工事士を独学で目指すメリットは、以下の3つです。
メリットをチェックし、自分に合っているか今一度考えてみましょう。

コストを抑えられる

独学で資格取得を目指す場合は、テキストや問題集の購入費用だけで済みます。
過去問題集は購入しても良いですが、ネットで問題を印刷することもできるので、お金はかかりません。
資格取得に向けてあまりお金をかけられない場合や、できるだけ少ない費用で合格したい場合に、独学はおすすめの方法です。

自分のペースで勉強を進められる

独学の場合、資格スクールや通信講座のように、スケジュールが決められることはありません。
仕事や学業などをしながら、空いている時間を自由に勉強に使うことができます。
長期的な計画で地道に勉強したり、試験の数か月前から追い込んだりするなど、自分に合ったスタイルで勉強できるのもメリットです。

一方で、ペース配分やスケジュールを間違えたり、自己管理を怠ったりすると、思うように勉強を進められません。
モチベーションが下がることもあるので、適度に息抜きするなど、試験当日までやる気を維持することも必要になります。
独学を選択するなら、メリハリをつけて勉強をし、粘り強く努力する姿勢が大切です。

仕事や家事と両立できる

勉強する時間を選べるので、仕事や学業、家事などと両立しやすいのも独学の強みです。
自由に使える時間を見つけて、本業と並行して合格を目指すことができます。

仕事をしながら転職を目指して資格を取得したい、学業に励みながら将来に役立つ資格を取りたいといった思いを持つ人は、二足の草鞋で独学に取り組んでみましょう。

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第一種・第二種電気工事士を独学で目指すデメリット

第一種・第二種電気工事士を独学で目指すデメリット

第一種・第二種電気工事士を独学で目指すことには、メリットだけでなく、デメリットもあります。
合格を目指す上で壁になるかもしれないので、しっかり理解しておきましょう。
第二種は比較的合格率が高いですが、つまずきやすい2つのデメリットを詳しく解説します。

技能試験対策でつまずきやすい

筆記試験は勉強次第で合格できる場合が多いですが、技能試験は技術が必要になるので、初心者は独学でつまずきやすいです。
実際の試験では、平面の回路図が出題され、図から作成するものを読み取り、持参した工具で作業します。
事前にその年に出題される可能性がある候補問題が公表され、その中から1題出題されるので、対策は可能です。

ただし、独学の場合、図の読み取りが正しいのか、工具はどう扱えばよいのか、完成したものは合っているのかなど、初心者ではわからない部分が多くあります。
完全に独学でものにしようとすると、誤った方法で覚えてしまうかもしれません。

周りに電気工事の経験がある人がいれば心強いですが、そうではない場合はテキストやYouTubeなどを用いて、技術を身につけなくてはいけません。

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情報のアップデートが難しい

通信講座や資格スクールなどでは、試験に関する最新情報や傾向などを講師から教わることができます。

一方、独学の場合は、試験形式の変化や出題傾向などの情報は自分で調べなくてはいけません。
情報がいつ公開されるかはわからないので、こまめにチェックしないと、情報をアップデートできないのがデメリットです。

重要な情報を見逃してしまうと、これまでの試験と傾向が大きく変わっているということもあるかもしれません。
情報をアップデートするためには、定期的にリサーチすることが重要です。

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第一種・第二種電気工事士資格を独学で取得する勉強方法

第一種・第二種電気工事士資格を独学で取得する勉強方法

第一種・第二種電気工事士資格を独学で取得するためには、計画的に学習を進めることが大切です。
ポイントを押さえれば、合格のチャンスが広がっていきます。
勉強方法を3つご紹介しますので、ぜひ学習の参考にしてみてください。

試験までの計画をつくる

独学では、試験までのスケジュール管理が重要です。
ペースが遅くて試験までに間に合わない、詰め込みすぎて予定通りに進まないといった問題が起こると、点数を採れず不合格になってしまいます。

計画づくりのコツは、試験当日まで余裕を持ちつつ、自分のペースを保てるようにすることです。
勉強する科目や過去問題、技能試験の練習などに取り組む月を決めて、計画的に準備を進めていきましょう。

また、無理なスケジュールは勉強を続けにくく、途中でモチベーションが下がるおそれがあります。
勉強を休む日もしっかり作って、試験までの長期戦を乗り切れるようにしましょう。

過去問から問題の傾向を読み取る

電気工事士試験は、過去の問題がそのまま出題されることもあるので、過去問に取り組むことが大切です。
よく出題される問題がわかるだけでなく、問題の構成や出題の仕方などの傾向も読み取れるので、試験本番に生かすことができます。

はじめは試験問題を解き、解説を読み込んで知識を定着させましょう。
ある程度知識がついたら、本番を想定して過去問に取り組めば、試験当日に焦らず問題を解けるはずです。

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すき間時間を有効に使う

仕事前や帰宅後などまとまった時間だけでなく、すき間時間を有効に使うのも合格のコツです。
仕事の休憩や家事の合間などを活用すると、勉強を効率良く進められます。

すき間時間で勉強する際は、暗記問題を覚えたり、テキストを1項目読んだりするなど、短時間で取り組めるものがおすすめです。
テキストだけではなく、アプリなども使えば、スマホやタブレットでも勉強できるようになります。

第一種・第二種電気工事士を独学で目指す際の注意点

第一種・第二種電気工事士を独学で目指す際の注意点

第一種・第二種電気工事士の独学には、3つの注意点があります。
注意点を理解し、つまずかないように工夫して学習に取り組みましょう。

技能試験の独学はハードルが高い

技能試験は候補問題が事前に公表されるものの、独学のハードルは比較的高いです。
道具の使い方や図の読み取り方などから始めなくてはいけないので、初心者だとさらに難易度が高くなります。

完全に独学で合格を目指すなら、テキストやYouTubeなどを使うのがおすすめです。
ある程度の練習も必要になるので、技能試験対策の時間を多めにとって、マスターできるまで繰り返し実践しましょう。

つまずきや疑問への対処が遅れがち

独学では、基本的に他の人のサポートがないので、つまずいたところや疑問への対処が遅れがちです。
経験者に連絡したり、ネットで調べたりしなくてはいけないので、解決まで時間がかかってしまいます。

面倒な作業ですが、疑問を放置すると間違ったまま覚えてしまい、点数を落としてしまうでしょう。
手間はかかっても、しっかりつまずきや疑問を解決してから次に進むことが大切です。

参考書や講習などにはお金がかかる

独学はコストを抑えられる勉強方法ですが、参考書などにはお金がかかります。
講習を受ける場合は、参加費用が発生するので、全く無料ではない点に注意が必要です。

参考書の数や講習に参加する回数などによっては、多くの費用がかかり、他の方法よりコストがかかるかもしれません。
どのくらいに費用がかかるかをあらかじめ想定しておくと良いでしょう。

関連記事全額返金付「資格のキャリカレ│第二種電気工事士講座」の特長

まとめ

第一種・第二種電気工事士は、独学でも合格することが可能です。
コストを抑えつつ自分のペースで勉強できたり、本業と両立したりするのは、メリットとなります。
一方で、技能試験の対策が難しいことや情報のアップデートが遅れやすいことはデメリットです。

いくつかの注意点もありますが、スケジュールをしっかり立て、すき間時間を活用しつつ過去問にも取り組めば、十分合格できるチャンスがあります。

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