電気工事士第一種と第二種の「難易度・合格率」の違い

電気工事士第一種と第二種の「難易度・合格率」の違い

電気工事士は、第一種電気工事士と第二種電気工事士に分かれており、それぞれに試験が設けられています。ではどちらが難しいのか、合格しやすいのか気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、第一種電気工事士と第二種電気工事士の試験の難易度や合格率を詳しくご紹介します。それぞれの試験概要や、初心者でも合格できるのかなどについても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

電気工事士試験の難易度

電気工事士試験の難易度

電気工事士試験の難易度を知るために参考になるのが、例年公表されている合格率です。
試験問題が異なるので、一概にどちらが易しいとはいえませんが、どのくらいの人が合格しているかを知ることができます。
ここでは、それぞれの合格率と難易度の違いを見ていきましょう。

第一種電気工事士の合格率

まずは、第一種電気工事士試験の試験結果を見ていきましょう。

【第一種電気工事士:筆記試験の合格率】

出典:電気技術者試験センター│試験実施状況の推移(第一種電気工事士試験)
年度 受験者数 合格者数 合格率
令和2年度 30,520 15,876 52.0%
令和元年度 37,610 20,350 54.1%
平成30年度 36,048 14,598 40.5%
平成29年度 38,427 18,076 47.0%
平成28年度 39,013 19,627 50.3%
平成27年度 37,808 16,153 42.7%
平成26年度 38,776 16,649 42.9%
平成25年度 36,460 14,619 40.1%
平成24年度 35,080 14,927 42.6%
平成23年度 34,465 14,633 42.5%

筆記試験の合格率は、過去10年で40~54%です。
最近2年は50%以上ですが、40%台の年も多いので、科目の優先順位を決めたり、過去問題を解いたりするなど、入念な準備が必要になります。

次の表は、技能試験の試験結果です。

【第一種電気工事士:技能試験の合格率】

出典:電気技術者試験センター│試験実施状況の推移(第一種電気工事士試験)
年度 受験者数 合格者数 合格率
令和2年度 21,162 13,558 64.1%
令和元年度 23,816 15,410 64.7%
平成30年度 19,815 12,434 62.8%
平成29年度 24,188 15,368 63.5%
平成28年度 23,677 14,602 61.7%
平成27年度 21,739 15,419 70.9%
平成26年度 19,645 11,404 58.1%
平成25年度 19,911 15,083 75.8%
平成24年度 16,988 10,218 60.1%
平成23年度 20,215 17,104 84.6%

過去10年の合格率は58~84%となっています。
比較的合格率は高いので、候補問題に慣れながら試験準備を行えば、高く確率で合格できるでしょう。

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第二種電気工事士の合格率

続いて、第二種電気工事士の合格率をご紹介します。
まずは、筆記試験の合格率です。

【第二種電気工事士:筆記試験の合格率】

出典:電気技術者試験センター│試験実施状況の推移(第二種電気工事士試験)
年度 受験者数 合格者数 合格率
令和3年度(上期) 86,418 52,176 60.4%
令和2年度(下期) 104,883 65,114 62.1%
令和2年度(上期) 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため試験中止
令和元年度(下期) 47,200 27,599 58.5%
令和元年度(上期) 75,066 53,026 70.6%
平成30年度(下期) 49,188 25,497 51.8%
平成30年度(上期) 74,091 42,824 57.8%
平成29年度(下期) 40,733 22,655 55.6%
平成29年度(上期) 71,646 43,724 61.0%

過去10年で、合格率は51~70%を推移しています。
例年5割は超えているものの、油断はできない合格率でしょう。

次に、技能試験の合格率を下記の表にまとめています。

【第二種電気工事士:技能試験の合格率】

出典:電気技術者試験センター│試験実施状況の推移(第二種電気工事士試験)
年度 受験者数 合格者数 合格率
令和3年度(上期) 64,443 47,841 74.2%
令和2年度(下期) 66,113 48,202 72.9%
令和2年度(上期) 6,884 4,666 67.8%
令和元年度(下期) 41,680 25,935 62.2%
令和元年度(上期) 58,699 39,585 67.4%
平成30年度(下期) 39,786 25,791 64.8%
平成30年度(上期) 55,612 38,586 69.4%
平成29年度(下期) 25,696 16,282 63.4%
平成29年度(上期) 55,660 39,704 71.3%

過去10年の合格率は、62~74%です。
約7割の受験者が合格しているので、第一種と同様に、候補問題の練習を怠らなければ十分に合格を実現できるでしょう。

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第一種と第二種の難易度の違い

第一種と第二種の合格率を比べると、以下のようになります。

筆記試験 技能試験
第一種電気工事士 40~54% 58~84%
第二種電気工事士 51~70% 62~74%

筆記試験の合格率は第一種電気工事士の方が低く、技能試験の合格率は第一種電気工事士の方が高くなっています。
第一種電気工事士は、筆記試験の範囲が第二種よりも広く、応用知識も求められるので、試験内容のレベルが高いのです。

一方、技能試験の合格率が第二種電気工事士の方が低いのは、未経験者の受験が影響しているのかもしれません。
基本知識を求められる筆記試験は勉強次第で合格できますが、技能試験はある程度の経験やスキルを求められます。

第一種電気工事士は第二種を取得してから受験する人もいるため、技能試験や実務の経験を生かすことによって、合格率が上がっていると考えられるでしょう。

筆記試験の方が難易度は高い

第一種と第二種は共通して、筆記試験の方が合格率は低くなっています。
その理由は、技能試験はあらかじめ候補問題が公表されるからです。
候補問題の中から1題が実際に出題されるので、一通り練習を積んでおけば合格の可能性が高くなります。

一方、筆記試験は、試験科目こそ事前に把握できますが、問題は本番に初めて見るものです。
よく出題される問題だけでなく、最新の知識も必要になるので、技能試験よりも難易度が高くなっています。

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初心者だけど電気工事士試験に合格できる?

第二種電気工事士試験の概要

第一種電気工事士と第二種電気工事士はどちらも合格率が高めですが、初心者の方は合格できるか不安を感じているかもしれません。
ここでは、初心者でも目指せるのかということとお勧めの勉強法をお伝えしますので、ぜひ受験の参考にしてみましょう。

第二種は初心者でも合格が目指せる

第二種電気工事士は、合格率が筆記試験約6割、技能試験約7割となっており、初心者でも合格を目指せる難易度といえます。

筆記試験は100点満点中60点を取ればよいので、ハードルが極端に高いわけではありません。
試験形式は4択のマークシートとなっており、運が味方してくれることもあります。

技能試験は練習が必要ですが、事前に候補問題が公表されるので、動画教材やテキストを見ながら練習をすれば、合格に必要な技術を身につけられるでしょう。

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初心者にお勧めの勉強方法

初心者の方にお勧めしたいのは、暗記問題から勉強する方法です。
覚えた知識がそのまま点数になるので、暗記すべき知識をまず覚えましょう。

暗記問題を回答できるようになってきたら、過去問題や問題集を使って、知識を用いて解ける問題に取り組みます。
電気工事士試験は過去に出題された問題と類似した問題が多いとされているので、過去問題と回答を読み込めば、ある程度点数を取れるようになっているはずです。

計算問題はとっつきにくいものですが、全体で60点を取ればよいので、すべて解けるようになる必要はありません。
理解しやすい分野の計算問題をマスターすれば、合格に近づくことができます。

電気工事士試験の概要をおさらい

電気工事士試験の概要をおさらい

最後に、それぞれの試験概要を確認していきましょう。
試験日程や試験科目などが第一種電気工事士と第二種電気工事士とは異なるので、間違えないようにしっかり確認してください。

第一種電気工事士の試験概要

第一種電気工事士試験は、年に1回実施されています。
全国に試験会場が設置されているので、お住まいの地域に関わらず受験しやすいのが特徴です。
以下に試験概要をまとめましたので、参考にしてください。

【第一種電気工事士】

※詳細は、一般財団法人電気技術者試験センターでご確認ください。
試験実施日 例年10月
受験申込受付期間 例年6月中旬から7月初旬
受験手数料 ・インターネット:10,900円
・郵便:11,300円
試験会場 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、富山県、石川県、福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
筆記試験科目 ・電気に関する基礎理論
・配電理論及び配線設計
・電気応用
・電気機器・蓄電池・配線器具・電気工事用の材料及び工具並びに受電設備
・電気工事の施工方法
・自家用電気工作物の検査方法
・配線図
・発電施設・送電施設及び変電施設の基礎的な構造及び特性
・一般用電気工作物及び自家用電気工作物の保安に関する法令
技能試験 ・電線の接続
・配線工事
・電気機器・蓄電池及び配線器具の設置
・電気機器・蓄電池・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
・コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
・接地工事
・電流・電圧・電力及び電気抵抗の測定
・自家用電気工作物の検査
・自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理

第二種電気工事士の試験概要

第二種電気工事士は、第一種とは異なり、試験日程が上期と下期に分かれています。
例年、春と秋に実施されるので、合格のチャンスは年に2回です。
こちらも表に概要をまとめましたので、受験を検討する際の参考にしましょう。

【第二種電気工事士】

※詳細は、一般財団法人電気技術者試験センターでご確認ください。
試験実施日 ・上期:例年5月
・下期:例年10月
受験申込受付期間 ・上期:例年3月中旬から4月初旬
・下期:例年8月中旬から9月初旬
受験手数料 ・インターネット:9,300円
・郵便:9,600円
試験会場 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、富山県、石川県、福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県
筆記試験科目 ・電気に関する基礎理論
・配電理論及び配線設計
・電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
・電気工事の施工方法
・一般用電気工作物の検査方法
・配線図
・一般用電気工作物の保安に関する法令
技能試験 ・電線の接続
・配線工事
・電気機器及び配線器具の設置
・電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
・コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
・接地工事
・電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
・一般用電気工作物の検査
・一般用電気工作物の故障箇所の修理
関連記事電気工事士の試験概要|合格するためのコツも解説
電気工事士の試験日はいつ?申込方法や受験料もチェック

まとめ

電気工事士試験の難易度と合格率は、第一種と第二種で異なります。
筆記試験は第一種、技能試験は第二種の方が難易度は高くなっており、どちらも筆記試験の方が合格率は低くなっているのが特徴です。

合格するためには、筆記試験の勉強に力を入れつつ、技能試験の練習を怠らないようにしましょう。
受験したい試験概要をチェックして、合格を目指していきましょう。

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