行政書士になるには?方法・ルートや試験概要、勉強法まで詳しく解説
行政書士は、書類作成や申請を代行する仕事であり、さまざまなシーンで求められる職業です。特別な受験資格もなく、多くの人に資格取得のチャンスがあります。とはいえ、行政書士になるにはどうしたらいいのでしょうか。ここでは、行政書士になる方法・ルートやメリット、勉強法、向いている人まで詳しく解説します。
目次
行政書士になるメリット
行政書士になる方法・ルートを説明する前に、資格取得のメリットから紹介します。
主に3つメリットを紹介しますので、行政書士の良さを確認していきましょう。
独立・開業できる
行政書士資格を取得すると、行政書士や弁護士などの士業を行う事務所、一般企業などで働くことができます。
キャリアの中で、事務所や一般企業に勤めたのちに、自ら事務所を開業し独立する人も多いのが現状です。将来的に、自分の会社や事務所を持ちたいという人は、行政書士になるのはおすすめの選択肢と言えます。
ただし、独立・開業後には、事務所の運営や営業、通常業務をこなす必要があり、決して簡単ではありません。
顧客への対応や書類作成など臨機応変かつ丁寧な仕事を求められますが、大変さがある分、利用者からの感謝などからやりがいを感じられるでしょう。
就職・転職で有利になる
行政書士資格は国家資格であり、高い信用があります。
試験の難易度も高いことから、難関試験を乗り越えた知識を認められ、一定の評価を得られるのがメリットです。
資格を持っていない人に比べると、就職・転職で有利になります。
士業事務所はもちろん、一般企業の法務部や総務部など法律に関わる業務ができる人材として、重宝されるでしょう。
他の専門資格の取得に役立つ
行政書士になるために必要な法律知識は、他の専門資格の取得にも役立ちます。
弁護士や弁理士、公認会計士、税理士などの資格は、行政書士との関わりが強く、試験勉強で得た知識を生かしながら勉強を進められるのがメリットです。
行政書士資格に加えて専門資格をいくつか取得していれば、他の行政書士との差別化になり、キャリアアップも期待できるでしょう。
行政書士になる方法・ルート
行政書士になる方法・ルートは、試験合格の他にいくつかあります。
所持している資格や経歴によっては試験が免除されるため、どのような方法があるか押さえていきましょう。
行政書士試験に合格する
行政書士になる方法で一般的なのは、行政書士試験に合格することです。
試験は例年11月に実施されており、合格発表は1月下旬に行われます。
合格後、必要書類の提出を済ませて事務所を探し、行政書士会への登録申請などを行うと、晴れて行政書士として働き始めることが可能です。
もちろん、合格後すぐに自宅やレンタルオフィスなどに事務所を構えて、独立・開業することもできます。
弁護士や弁理士などの資格があれば試験免除
特定の資格の取得による試験免除の他にも、試験なしで行政書士になる方法があります。
公務員として行政事務に17年携わっていた場合は、試験免除で行政書士になることが可能です。
最終学歴が中学校卒業の場合は、20年以上の経験が必要になります。
実際、長年行政事務に関わってきた人が、転職や退職に伴って行政書士になるケースが多いようです。
行政事務に携わる公務員経験によって試験免除のケースも
特定の資格の取得による試験免除の他にも、試験なしで行政書士になる方法があります。
公務員として行政事務に17年携わっていた場合は、試験免除で行政書士になることが可能です。
最終学歴が中学校卒業の場合は、20年以上の経験が必要になります。
実際、長年行政事務に関わってきた人が、転職や退職に伴って行政書士になるケースが多いようです。
行政書士試験の概要
行政書士になるには、基本的に試験に合格する必要があります。
ここでは、行政書士試験の概要について、受験資格や試験科目、難易度・合格率を紹介しますので、受験の参考にしてみてください。
受験資格
行政書士試験には、特に受験資格は設けられていません。
年齢や性別はもちろん、学歴も問わず誰でも受験できます。
学歴については、他の資格試験では高校卒や大学卒といった最終学歴を設定している場合もありますが、行政書士試験は中学校卒業でも受験可能です。
20歳以下でも受験・合格できますが、行政書士会に登録できるのは20歳からとなっています。
一度合格すれば資格は生涯消えることはないので、20歳以下から受験し登録後すぐの活動を目指すのも方法のひとつです。
試験科目
行政書士試験の科目と内容は、以下の通りです。
試験科目 | 内容 |
---|---|
行政書士の業務に関し必要な法令等 (出題数46題) |
4憲法、行政法、民法、商法及び基礎法学 |
行政書士の業務に関連する一般知識等 (出題数14題) |
政治・経済・社会、情報通信・ 個人情報保護、文章理解 |
上記の試験科目について、筆記試験を行います。
「行政書士の業務に関し必要な法令等」は択一式と40字程度の記述式、「行政書士の業務に関連する一般知識等」は択一式です。
合格率・難易度
行政書士試験の難易度は高く、合格率は例年非常に低くなっています。
試験を実施している一般社団法人 行政書士試験研究センターでは、令和2年度行政書士試験の都道府県別試験結果を公開しているので、都道府県の合格率を見ていきましょう。
●令和2年度行政書士試験 都道府県別試験結果一覧
都道府県 | 合格率 |
---|---|
北海道 | 9.6% |
宮城県 | 7.7% |
東京都 | 13.8% |
神奈川県 | 10.2% |
千葉県 | 11.5% |
埼玉県 | 10.5% |
静岡県 | 9.9% |
愛知県 | 11.0% |
京都府 | 13.9% |
大阪府 | 11.8% |
兵庫県 | 11.9% |
広島県 | 8.7% |
福岡県 | 9.5% |
出典:令和2年度行政書士試験/都道府県別試験結果一覧
受験者数の多い都道府県の合格率を紹介しましたが、全体の合格率は3.0~14.7%です。
年によって上下はあるものの、合格者は多くて10人に1人程度ですので、難易度を理解した上で覚悟を持って勉強に取り組む必要があります。
行政書士試験合格を目指すための勉強法
行政書士試験の合格率は比較的低く、しっかりと勉強しなければ合格を掴み取ることはできません。
下記の学習法を参考に、自分に合った方法で合格に向けて勉強に取り組みましょう。
独学
行政書士試験は、合格率は低く難易度が高い試験ですが、講座の修了などの条件はないので、独学でも受験・合格可能です。
独学では、テキスト代と受験料だけしかかからず、費用を安く抑えられます。
コストを節約して資格を取得したい、あまり試験勉強にお金をかけられない人でも合格を目指せるのがメリットです。
始めたいときに勉強を始められること、すき間時間を見つけて自分のペースで勉強できることなども、独学の強みでしょう。
ただし、わからない問題や疑問があったときに、近くに講師がいない点は注意が必要です。
つまずいたままだと試験で点数を落としてしまうので、資格を持っている頼れる人などを見つける必要があります。
また、自分1人で試験勉強に取り組むため、モチベーションが低下しやすいです。
勉強のメリハリがなくなったり、途中で挫折してしまったりする場合もあります。
日々の目標を立てたり、適度に息抜きをしたりするなど、自己管理をしながら合格まで継続して勉強するのが、独学を成功させるポイントです。
スクールや通信講座の受講
資格スクールや通信講座を利用するのも、資格勉強の方法です。
スクールでは、あらかじめスケジュールが決められているため、勉強のペースが定まります。
講師や他の受講者がいて、気軽に質問ができたり、仲間と刺激し合いながらモチベーションを保てたりできるのもメリットです。
一方で、独学よりも費用がかかるため、資格取得にあまりお金をかけられない場合は向いていないでしょう。
通学の手間やスケジュールの拘束などもあり、仕事や家事などで忙しい人にも不向きです。
通学が難しい人には、通信講座が向いています。
教材やネット授業などを使って自宅で学習でき、各種サポートによって疑問を解決できるのも嬉しいポイントです。
ただし、教材やサポートは充実しているものの、どう使うかは自分次第ですので、上手く活用できないと独学と同じ状況になります。
通信講座の良さをしっかり生かすことができれば、自宅での勉強でも合格を勝ち取れるでしょう。
おすすめの勉強法は?
勉強法としておすすめしたいのは、スクールや通信講座です。
独学でも合格可能ですが、難易度が高いため、合格までに時間がかかったり、資格勉強の方法で迷ったりすると、不合格になる可能性があります。
いつまでに取得したいと目標が決まっている、より確実に合格を目指したいならば、スクールや通信講座の方が質の高い勉強ができるでしょう。
試験までは長期戦になるので、スケジュール管理やモチベーションの維持に自信がない人も、勉強のペースをつくってくれて、サポートが充実している講座を利用するのがおすすめです。
行政書士に向いている人
最後に、行政書士に向いている人の例を紹介します。
ここまでで行政書士にメリットを感じているものの、自分に向いているかわからない人は、適性があるのかイメージしてみましょう。
事務処理能力が高い
行政書士の主な業務は書類作成であるため、さまざまな種類の書類を適切に作成・処理する必要があります。
ミスがないことはもちろん、多くの書類をスピーディーに作成する高い事務処理能力が必要です。
処理件数によって給料が変わってくるので、1日に多くの書類を正確かつすばやく処理できる能力があれば、行政書士として収入アップも期待できます。
コミュニケーション能力がある
行政書士は、さまざまな人とのコミュニケーションを求められる職業です。
企業や官公庁、相談者などと円滑にやり取りをし、求められた業務を的確にこなす力が必要になります。
また、独立・開業を目指すなら、営業力も欠かせません。
顧客の訪問、イベントへの参加、同業者とのつながりなどを生かして、案件を獲得することで、多くの仕事を請け負い、成長していけるでしょう。
臨機応変に対応できる
行政書士が対応する書類は多種多様なだけでなく、顧客によってニーズが異なります。
同じ書類でも内容は変わってくるので、ニーズに合わせて臨機応変に対応できる人に向いているのです。
顧客は何を求めているのか、どのような書類が必要なのかなどを、その場で判断し提案できると、顧客から感謝や信頼を得られるでしょう。
責任感がある
行政書士は書類を作成するとともに、企業や官公庁、個人の情報を取り扱うことになります。
組織の情報や個人情報は慎重に管理する必要があり、重要な情報を取り扱う責任感が不可欠です。
また、官公庁や企業などの重要な書類作成や手続きを任せられることもあります。
ミスを許されない仕事であり、責任感を持って慎重かつ丁寧に最後までやり遂げられることが重要な資質です。
まとめ
行政書士になるには、行政書士試験に合格する必要があります。特定の資格を持っていたり、行政事務に関わる公務員経験が一定以上あったりする場合は、試験なしで行政書士になることが可能です。
試験の合格を目指すにあたっては、独学やスクール、通信講座などの勉強法から、自分に合った方法で学習を進める必要があります。
自宅でサポートを受けながら学習したい方は、通信講座での学習がおすすめです。
通信講座なら合格に必要な知識だけを効率的に学ぶことができ、決められたカリキュラムに沿って学ぶだけなので、時間管理も無理なく行えます。
特に資格のキャリカレの行政書士講座なら、試験に出るところだけに絞られており、効率良く学べます。
どんな人が向いているかも事前にチェックして、ぜひ政書士を目指してみましょう。
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