行政書士とは?仕事内容や資格をとるメリットを解説

行政書士とは?仕事内容や資格をとるメリットを解説

身近な法律の専門家とも言われている行政書士ですが、実際にどのような仕事をしているのか知らない人も多いのではないでしょうか。ここでは、行政書士の仕事内容や資格の生かし方、行政書士のなり方・活動するになる方法について解説します。

目次

1. 行政書士とは?必要とされる理由は?

行政書士は、行政手続きを専門とする法律の専門家

行政書士とは、行政手続きを専門とする法律の専門家です。
依頼者に代わって、官公署(都道府県庁、市役所、村役場、警察署、消防署など)に提出する許認可申請の書類や法律的な権利義務、事実証明に関する書類の作成や手続きを行います。
また、行政手続きに関する相談に応じることも行政書士の仕事の一部です。
業務は書類作成がメインですが、複雑多様なコンサルティング業務を行う行政書士も増えています。

行政書士が必要とされる理由

行政書士が必要とされるのは、行政手続きの多くが面倒で時間のかかる作業だからです。
個人で手続きすることも可能ですが、書類の不備や、記入漏れ、記入ミスなどにより、書き直しや再提出が必要となり、時間や労力をロスしてしまうことがよくあります。

行政書士に依頼すれば確実に、しかも迅速に手続きを済ませることができるのです。
費用はかかりますが、事務処理を効率的に行えるため、依頼者にとっても行政側にとっても、役に立つ職業であると言えるでしょう。
行政書士は国民にもっとも身近な法律家として、国民と行政の橋渡しを行っているのです。

行政書士には国家資格が必要

行政書士は、いわゆる8士業のひとつで国家資格が必要です。
士業とは高度な専門性を持つ資格職業の俗称で、他に弁護士、弁理士、司法書士、税理士、社会保険労務士、土地家屋調査士、海事代理士が8士業として数えられています。

いずれも、名称の最後に「士」の字が付くことから士業(しぎょう)と呼ばれているのです。
また「士」にはサムライという意味があるため、サムライ業と呼ばれることもあります。

8士業の他にも、公認会計士、不動産鑑定士、中小企業相談士、一級建築士などが士業に含まれます。
士業の中には行政書士と似た司法書士という資格職業があり、混同しやすいので違いを簡単に説明します。

行政書士と司法書士は何が違う?

司法書士も国家資格が必要な専門職で、両者とも「書士」という文字がつくように、書類を作成することがメインの仕事であることは同じです。
しかし、行政書士と司法書士では業務分野が異なります。
行政書士の業務は行政手続きに関わる書類の作成がメインです。

一方、司法書士の業務は不動産や法人の登記(不動産登記、商業登記)、供託の代理、裁判所や法務局などに提出する書類を作成するのがメインとなります。
行政書士と司法書士の業務分野の違いは、書類の提出先で区別するとわかりやすいでしょう。

行政書士が扱う書類の提出先は行政機関(官公署)であるのに対し、司法書士が扱う書類の提出先は司法機関(法務局や裁判所)であるということです。
ただし、会社設立の手続き、相続関係、民間契約書など、行政書士と司法書士の双方が関わる業務もあります。

2. 行政書士の仕事内容は?

行政書士の仕事内容は?

行政書士の仕事内容は、大きく分けると4つに分類することができます。それぞれについて詳しく説明していきます。

1. 「官公署に提出する書類」の作成とその代理、相談業務

行政書士の仕事で最も多いのは、官公署に提出する書類の作成と手続きの代行です。
書類は許認可申請に関するものがほとんどですが、その種類は1万を超えると言われているほど膨大な数になります。
会社員の場合は個人で許認可申請を行う機会は少ないのですが、会社を設立したり、個人事業を始めたりする場合には、多くの許認可申請が必要になることがあります。

たとえば、飲食店を開店するには保健所へ「飲食店営業許可申請」、消防署へ「防火対象物使用開始届」などが必要になります。
深夜営業でお酒を提供する店であれば「深夜における酒類提供飲食店営業開始届」を警察署へ提出しなければなりません。

運送業を始めるときにも多くの申請が必要です。
具体的には「旅客自動車運送事業許可申請」「貨物自動車運送事業許可申請」「特殊車両通行許可申請」「貨物軽自動車運送事業許可の申請」「自動車運行代行業の認定申請」などが必要となるのです。

また、行政書士の仕事には依頼者からの相談に応じることも含まれます。
さらに、許認可に関して申請者の聴聞または弁明の必要がある場合、申請者に代わって行政書士が行うことも可能です。

2. 「権利義務に関する書類」の作成とその代理、相談業務

官公署に提出する書類の他に、権利義務に関する書類の作成と手続きの代行、依頼者からの相談に応じることも行政書士の仕事です。
権利義務に関する書類とは、権利や義務の発生・存続・変更、または消滅などの意思表示を行うための書類です。
これにより、法的な効果や後ろ盾を得ることが可能になります。

主な書類には相続に関するものに「遺言書」「遺産分割協議書」があります。
商取引や契約に関するものには「各種契約書(売買、雇用、賃貸借、請負、委任、寄託)」、内容証明、念書、嘆願書、請願書、陳情書などがあります。

3. 「事実証明に関する書類」の作成とその代理、相談業務

権利義務に関する書類と同様に、事実証明に関する書類の作成と手続きの代行、依頼者からの相談に応じることも行政書士の仕事として認められています。
事実証明に関する書類とは、社会生活に関わる事項を証明するための文書です。
主なものとしては、会計帳簿、財務諸表、各種議事録、申述書、風俗営業許可申請時に添付する店の配置図などがあります。

4. その他特定業務

これら3つの書類以外にも、行政書士法で規定された特定業務を行うことができます。
社会保険に関わる事務、出入国管理、難民認定に関わる書類の作成などです。

たとえば、外国人が日本で働く場合、出入国在留管理局への申請手続きが必要になりますが、原則的に本人が出入国在留管理局に出向かなければなりません。
しかし、出入国管理の一定の研修を終了した「申請取次行政書士」であれば、本人に代わって手続きをすることができます。

また、2014年の行政書士法の改正により、特定の研修を終了した「特定行政書士」であれば、行政書士が作成した許認可申請が認められなかった場合に、不服申し立てを行うことが可能になりました。
以前は不服申し立てを行うには、弁護士に依頼する必要がありましたが、この改正により、不認可になったとしても、再申請が迅速に行えるようになったのです。

このように行政書士は幅広くさまざまな業務を扱いますが、次のような業務も行います。
暮らしに役立つ分野としては、自動車のナンバー変更、名義変更などの自動車登録申請手続き、土地活用に関連した各種手続きの代行。
ビジネスに役立つ分野として、中小企業の経営支援、著作権の登録申請、知的財産権の保護や啓蒙活動を行っています。

3. 行政書士資格を取得するメリットは?

未経験からでも独立を目指せる!

行政書士の資格を取得するメリットは、他の法律系の資格に比べて取得しやすいことです。
弁護士になるために必要な司法試験は国家資格の中でも最難関ですし、よく比較される司法書士の試験でも難易度は格段に高くなります。
行政書士は働きながらでも資格を取得することが可能で、未経験でも独立開業を目指せるところが大きな魅力です。

行政書士資格が取得しやすい4つの理由

行政書士の資格が取得しやすい理由は4つあります。

1. 勉強科目を絞れる

行政書士の試験科目は民法と行政法が中心で、勉強する範囲が狭く取り組みやすいという特徴があります。
司法書士の試験科目は、民法、商業登記法、不動産登記法のほかに、会社法、憲法といった幅広い知識が必要となるのです。

2. 合格率が比較的高い

行政書士試験の合格率は10%前後で、簡単に合格できる試験ではありません。
しかし、司法書士試験の合格率は3%前後です。
司法書士試験に比べれば合格率は高いと言えるでしょう。

3. 受験対策を立てやすい

行政書士試験は60%以上の得点で合格できるため、司法書士試験に比べると受験対策を立てやすいというメリットがあります。
司法書士試験は得点の上位者から一定数の人数が合格するしくみになっているため、何点とれば合格できるという戦略が取りづらいのです。

4. 働きながら取得できる

一般的に行政書士試験に合格するには、500~800時間の勉強が必要とされています。
一方、司法書士試験に合格するための勉強時間は、1400~2000時間とされているので、半分以下の勉強時間で合格可能になるのです。
たとえば、1日2時間勉強すれば、250日~400日で500~800時間となり、およそ1年~2年で取得可能になります。
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行政書士試験の難易度・合格率は?必要な学習時間は?

4. 行政書士の生かし方や勤務先は?

行政書士の資格の生かし方は、主に3つです。

独立開業をする

行政書士資格の生かし方でもっとも一般的なのが独立開業することです。
司法書士のように開業する際に研修を受ける必要がないため、小さな事務所を用意すれば、すぐに開業できてしまいます。
行政書士の業務分野は幅広いため、得意分野に絞って営業を始めたほうが良いでしょう。

開業するために最低限必要な設備は、作業用のデスクとチェア、パソコン、インターネット環境、電話、そして接客のための応接セットです。
レンタルオフィスを利用すれば、パソコン以外の設備はそろっていることが多く、初期費用を安く抑えることができます。
なお、自宅を事務所として利用することも可能なため、初期費用をほとんどかけずに開業することも可能です。

ただし、行政書士は士業のなかでも事務所の登録要件が厳しいと言われています。
自宅を事務所とする場合は、居住部分と事務所部分を明確に区切らなければなりません。
共有オフィスなどを利用する場合も、フリースペース型ではなく、区切りが常設されている必要があります。

行政書士事務所で働く

独立開業せずに行政書士事務所へ就職する道もあります。
その中には将来、独立開業を目指すために必要な知識と経験を積もうという人もいます。
ただし、行政書士事務所のほとんどは小規模で、求人もそれほど多くはありません。

募集があったとしても、即戦力となる経験者が優遇されることが多く、未経験者で採用されるケースは少ない傾向にあります。
とりあえず、行政書士事務所へ就職しようと考えていても見つからないケースが多々あるのです。

その他の生かし方

他には、一般企業の法務部や総務に就職・転職するのも良いでしょう。
行政書士の資格を取得すると会社業務で必要な法律知識を得られるため、その知識を生かして働くことが可能です。
社内に行政書士の資格をもった人材がいれば、会社にとっても大きなメリットになります。
行政書士の資格をもっていれば、企業から採用されやすくなるのです。

5. 行政書士はどんな人にオススメなの?

行政書士はどんな人にオススメなの?
行政書士がオススメな人は、これから挙げる4つの条件に当てはまる人になります。

1. 独立開業したい人

今は会社員でも、仕事をしながら資格を取得すれば脱サラして独立することが可能になります。
学生であれば、社会に出て会社の歯車になりたくないという人にオススメです。
独立開業につながる資格としては比較的難易度が低いので、しっかりと勉強すれば合格する確率は高くなります。
学生は時間的な余裕があるので、会社員よりも資格取得には有利です。

2. 事務が得意な人

行政書士の仕事は書類を作成することがメインで、官公署などの申請手続きも行います。
事務作業を正確かつ迅速に行えることが必要なため、事務が苦手な人には向いていません。

定型的で単調な作業が多いため、事務的な作業が好きで、几帳面な性格の人のほうが向いていると言えるでしょう。
ただし、事務作業が多いからといって、室内作業が多いというわけではありません。
行政手続きを行うために官公署などに出向く機会が多いので、外回りの作業も多くなります。

3. コミュニケーションが上手な人

行政手続きの種類は膨大な数にのぼるため、依頼者自信が何をすればいいのか、どのような申請や手続きが必要なのかとわからない場合が多いのです。
そのような依頼者の相談に応じ、要望を正しく理解して必要な行政手続きを見極めなければなりません。

コミュニケーションがうまく取れないと、依頼者の本当の要望を聞き出すことができずに、間違った行政手続きを行ってしまう可能性もあるでしょう。
顧客の依頼に正しく応じるためには、コミュニケーション能力が重要になるのです。

4. 営業力と人脈がある人

行政書士として開業した場合は、集客は自分で行う必要があります。
集客ができないと仕事を受けることができず、収入を得ることもできません。
実際に、行政書士として開業しても、仕事を確保できずに廃業していく人も多いのです。
特に開業当初は実績がないので集客するのが難しく、営業力と人脈が顧客獲得の武器になるでしょう。
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6. 行政書士として活動するには?

行政書士として活動するには?

行政書士登録などの手続きが必要

行政書士として活動するには、行政書士の資格を取得して、日本行政書士会連合会が備える行政書士名簿へ登録しなければなりません。
資格を取得しただけでは行政書士として営業することはできないのです。
行政書士名簿へ登録するには、事務所の住所を管轄する都道府県の行政書士会に入会し、所定の書類を提出する必要があります。

行政書士資格を取得する3つの方法

1. 行政書士試験に合格する

最も一般的な方法は、国家試験である行政書士試験に合格することです。
受験資格は特になく年齢制限もありません。
年に1回行われる試験に合格するだけで、行政書士の資格を取得できるのです。

ただし、未成年者や行政書士法第2条の2(欠格事由)に該当する人は、試験に合格しても行政書士になることはできません。
未成年者の場合は成年に達することで行政書士になることが可能です。

2. 弁護士、弁理士などの資格を保有する

行政書士試験に合格しなくても、弁護士、弁理士、公認会計士、税理士のいずれかの資格を持っていれば、行政書士の資格保有者として認められます。

3. 国や公務員として行政事務を20年以上

国または地方公共団体の公務員として、行政事務を担当した期間及び特定独立行政法人又は特定地方独立行政法人の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して20年以上になる人。

7. まとめ

まとめ

行政書士資格は、他の国家資格と比べても取りやすい資格であることから、法律系の国家資格の取得を目指している人にオススメの資格といえそうです。
受験資格がなく、合格すると独立開業も目指せることから、年齢を気にせず働きたい方にも向いていそうですね。

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