ITパスポートの資格は就職に有利?
試験概要や就活に役立つ関連資格など徹底解説!

ITパスポートの資格は就職に有利?試験概要や就活に役立つ関連資格など徹底解説!

こんにちは、資格のキャリカレ編集部です。

数あるIT系資格の登竜門とも呼べる国家資格として、ITパスポートがあります。
国家資格でありながら比較的低い難易度が特徴で、IT関連職を目指す人を中心に多くの人がチャレンジしている資格です。

一方で、ITパスポートはどのような資格なのか、就活・就職や入社してから役立つ資格なのかなど詳しいことを知りたいという人も多いのではないでしょうか。

本記事では、ITパスポートの役立て方、アピールポイントをさらに強化できる関連資格などをご紹介します。

目次

ITパスポートとはどんな試験?

ITパスポートとはどんな試験?

ITパスポートとは、ITに関する基礎知識があることを証明できる国家試験です。
ここではITパスポートの概要や具体的な出題範囲などを紹介します。

ITパスポート試験の概要

運営母体 情報処理推進機構(IPA)
応募資格 誰でも応募可能
受験費用 7,500円(税込)
試験会場 全国各地の指定会場
試験方式 CBT方式(Computer Based Testing)
試験日時 月1〜5回程度
採点方式 IRT(Item Response Theory)に基づく評価
公式ホームページ https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html

※2024年7月時点の情報

ITパスポートは、情報処理推進機構(IPA)が運営している国家試験であり、ITの基礎知識・IT関連の法務・経営など、幅広い知識を習得していることを証明するものです。経済産業省が行っている情報処理技術者試験のレベルは4段階あり、そのうちのレベル1にあたる「国家試験」です。

そのため、IT関連資格のなかでもITパスポートは最も基礎的な内容といえるでしょう。IT関連の仕事や職種に携わりたい人の登竜門ともいえる資格です。

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試験で出題される3つの範囲

ITパスポート試験の出題範囲は、大きく「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3つに分類されます。

ストラテジ系
(32問)
主に企業経営にまつわる内容。
IT関連法務や経営・システム戦略などに関する問題が出題される
マネジメント系
(18問)
主に管理職業務に必要とされる内容。
開発技術やサービス・プロジェクトマネジメント要素を含む問題が出題される。
テクノロジ系
(42問)
ITの基礎知識にまつわる内容。
基礎的な理論やシステム・データベース・セキュリティなど、IT全般に関する基礎知識が問われる。

上記の3つの範囲から、四者択一形式で合計100問が出題されます。このうち評価点として扱われるのは92問であり、残り8問は評価点には入らず、今後出題される問題の分析材料として使われます。

なお、受検者側が評価点用と分析用の問題を見分けることはできず、公表もされていません。

ITパスポートは就職・転職に有利?

ITパスポートは就職・転職に有利

国家資格であるITパスポートは、実際の就職や転職の場面で有利に働くのでしょうか。
2つの観点から解説します。

取得した理由をアピールすることで活かせる

ITパスポートに限った話ではありませんが、資格を取得したからといって必ずしもそれ自体が就職や転職に有利に働くとは限りません。資格の有無はあくまで知識やスキルの目安でしかなく、実際に業務に活かせるかどうかが重要なためです。

一方で、なぜITパスポートを取得しようと考えたのか、取得までの経緯をアピールすることで、就活・就職に活かしやすくなります。ITに対する探究心や関心などの想いを語ることで、やる気や姿勢があることの裏付けとして評価される可能性があるのです。

加えて、仮に業務未経験であったとしても、一定水準のIT関連の基礎知識を習得していることを証明できるため、採用側にとっても採用後の教育・研修の手間が省けるメリットがあります。

ITパスポートを就職・転職に活かすためには、資格を保有していることだけでなく、資格取得にまつわる理由や経緯を伝えることが大切です。

IT業界への就職・転職に役立つ

ITパスポートは、IT業界への就職や転職に直接的に役立つ場合もあります。ITパスポートの有無を採用基準に加えている企業があるうえ、プログラマーやSEなどの技術職だけでなく、営業職や事務職などでもITの基礎知識が幅広く必要とされているためです。ITパスポートの学習で習得した知識は入社後の業務にも役立つでしょう。

ITパスポート単体でもアピールにはなりますが、関連する他のIT系資格と組み合わせることでそれ以上に評価を高められる可能性があります。組み合わせる資格は応募しているポジションに役立つ資格であればあるほど効果的といえるでしょう。

具体的にどのような資格が良いかは後述するので、ぜひ参考にしてください。

就職・転職に向けてITパスポートの取得がおすすめな人

就職・転職に向けてITパスポートの取得がおすすめな人

就職や転職に向けてITパスポートの取得がおすすめな人について詳しく解説します。

IT分野に興味がある人

IT分野に興味・関心があり、IT系職種への就職・転職を検討している人は、ITパスポートの取得がおすすめです。IT分野への足がかりとして、必要不可欠な基礎知識を身につけられる資格だからです。国家資格でありながら取得難易度が比較的低く、IT初心者でも取り組みやすいのもポイントでしょう。

また、自身のIT分野への適性を確認したい時にも活用できます。資格取得に向けてITの基礎知識を学ぶため、その過程で興味の度合いや習熟度を自分自身で判断できるためです。

学ぶ内容に苦手意識がなく興味が持てるなら、ITパスポートの取得とあわせて関連資格や上位資格を目指してみるのもひとつの方法です。

ITの基礎知識をアピールしたい人

ITの基礎知識を習得していることをアピールしたい人にも、ITパスポートはおすすめです。資格を保有していることでITに関心が高いこと、幅広い基礎知識を習得している裏付けになるためです。

ITの活用が著しい昨今においては、IT業界以外のあらゆる業界・業種でIT知識の必要性が増しているため、アピールできる範囲は多岐にわたります。企業によっては、エントリーシートにITパスポートに関する記入欄を設けたり、加点対象にしている例もあるようです。

ただし、IT関連資格のなかではそこまで取得が難しい資格ではなく、企業や募集職種によっては「そのくらいの知識は持っていて当然」と評価される場合もあるため、過信は禁物です。

短時間でITの基礎知識を習得したい人

短時間でITの基礎知識を習得したい人にもITパスポートは向いています。学習すべき範囲こそ広いものの、他のIT関連資格と比べると短時間で取得を目指せるためです。

ITパスポートの取得に必要な学習時間の目安は元々の知識量によって幅があるものの、およそ100〜180時間程度といわれています。仮に1日2時間学習時間を確保できた場合、2〜3か月程度で取得できる計算になります。

何かしらの資格を取得してアピールポイントにしたい場合、前向きに学習している姿勢をアピールしたい場合などにもおすすめです。

ITパスポートに関連した就職に役立つ資格5選

ITパスポートに関連した就職に役立つ資格5選

ITパスポートに加えて、関連資格を取得することで知識の深さや専門性をアピールできます。

ここでは就職活動に役立つ具体的な関連資格をまとめて紹介します。

1.MOS資格

MOSは「Microsoft Office Specialist」の略称で、Word・ExcelなどのMicrosoft Office製品を扱うスキルを証明する資格です。各Office製品の基本的な操作から高度な機能までを網羅していることに加え、グローバルに認知されているMicrosoft社が認定している点も特徴です。

ITパスポートでビジネス全般に必要なITリテラシーがあること、MOS資格で具体的なOffice製品の操作スキルがあることを証明することで、知識とツールを扱うスキルの両方を備えた人材であると評価されやすくなるでしょう。

特に、PCの使用やIT知識を求められる業界・業種全般でこれらの資格の組み合わせが有効です。

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2.日商簿記2級

日商簿記2級は、商工会議所が主催する簿記検定の1つで、企業の会計や財務管理に関する知識と技術を証明する資格です。2級は商業簿記と工業簿記の両方をカバーし、決算書の作成や財務分析、原価計算などの実務に必要なスキルを習得できます。

ITパスポートと日商簿記2級をあわせて取得することで、ITの基本知識と経理・財務の専門知識を兼ね備えた人材として評価されやすくなります。

DX化が進む昨今においては、事務職でもITの基礎知識やツールを使いこなせるスキルを求められるようになってきています。ITパスポートと簿記の組み合わせで効率的に業務遂行できることや、データ分析能力があることをアピールできるでしょう。

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3.基本情報技術者

基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしての基礎的な知識と技術があることを証明する国家資格です。資格取得の過程で、プログラミング・データベース・ネットワーク・セキュリティなど、幅広いIT分野の基本的なスキルを習得できます。

ITパスポートと基本情報技術者は地続きともいえる資格のため、組み合わせて取得することで、ITの基礎知識から専門的かつ具体的な技術まで幅広いスキルを持つ人材として評価されやすくなります。

基本情報技術者の合格率は約20〜30%程度とやや難しいですが、業務の効率化やシステム運用に強みを発揮できるため、就職後も企業内における重要なポジションを担える可能性があります。

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4.応用情報技術者

応用情報技術者試験は、ITエンジニアとしての応用的な知識と技術を証明する国家資格で、前述の基本情報技術者試験の上位資格にあたります。

システム設計・プロジェクト管理・セキュリティ対策など、より高度な専門知識と実務経験が求められ、ITマネジメントやコンサルティングの分野でも評価される傾向にあります。

ITパスポートと応用情報技術者を組み合わせて取得することで、基礎から応用までの幅広いIT知識を持つ人材としてさらに高く評価されます。実際の業務でも、プロジェクトの推進や問題解決能力が求められる重要なポジションに就く可能性が高まるでしょう。

5.ITコーディネータ

ITコーディネーターは企業の経営戦略とITを結びつけ、業務改善や効率化を支援することを目的とした民間資格です。
ITコーディネーターの主な役割は、ITの導入計画の立案・システム選定・プロジェクト管理などを通じて、企業の成長や競争力の強化を目指すことです。

ITパスポートとITコーディネーターを組み合わせて取得することで、ITの基礎知識からビジネスへの応用力や戦略性まで幅広く備えた人材として評価されやすくなるでしょう。

企業のIT戦略をサポートする資格のため、コンサルティング分野に興味がある人にもおすすめの組み合わせです。

ITパスポートや就職に役立つ関連資格の勉強方法

ITパスポートや就職に役立つ関連資格の勉強方法

ITパスポートや就職に役立つ関連資格を取得するための勉強方法について、代表的な3つの方法を解説します。

独学で勉強する

1つ目は独学で勉強する方法です。

ITパスポートの取得に必要な学習時間の目安は、ITの基礎知識がある人で100〜130時間、ITの知識がない人で100〜180時間程度といわれており、時間をかければ独学でも取得を目指せます。

独学の場合は、検索して自分にあった参考書や過去問を見つけることと、試験日までの日数や確保できる時間を逆算して学習計画を立てることが大切です。

ただし、独学はモチベーションやペースを保ちにくく、なかなか計画通りに進まない傾向にあります。計画通りに学習を継続する意志の強さと、無理なく学習時間を確保するスケジュール管理能力が求められることを理解しておきましょう。

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スクールを利用する

2つ目はスクールを利用する方法です。

独学は何から手を付ければ良いかや、効率的な勉強方法がわからなかったり、スケジュール管理が難しかったりと、思うように進まないケースが多々あります。

一方、スクールの場合は、効率よく学べるテキストやカリキュラム、道しるべとなってくれる講師やモチベーションを高め合える仲間がいるため、独学の問題点を解消できるメリットがあります。

ただし、時間的拘束が発生し自分のペースで学びにくかったり、費用が高額になったりする点がデメリットです。

通信講座を利用する

3つ目は通信講座を利用する方法です。効率良く資格の勉強を進めるなら通信講座が一番おすすめです。

独学での勉強には自信がないものの、そうかといってスクールに通うには時間や費用面で折り合いがつかないという人に適しています。スクールに比べると費用が安価で、場所を選ばず自分の好きなペースで学習を進められるためです。

家事や育児、仕事をしながら資格取得を目指す人や、学校に通いながら資格取得を目指す学生にとっては時間や場所のコントロールがしやすい通信講座がおすすめです。ただし、他の学習方法と同じようにモチベーションの維持は必要といえるでしょう。

通信講座のなかでも一番おすすめなのが「キャリカレのITパスポート合格講座」です。キャリカレでは12ヶ月間の長期サポートを実施しています。学習サポート期間中は何度でも無料で質問できるためモチベーションの維持にもつながるでしょう。

効率よく学習して合格を目指すためにも、自分に合った勉強方法を選ぶことが大切です。

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ITパスポートを就職に役立てたい場合によくある質問

ITパスポートを就職に役立てたい場合によくある質問

ITパスポートを就職活動に役立てたい場合によくある質問と回答を2つ紹介します。

ITパスポートの取得は履歴書に書ける?

ITパスポートは履歴書に書ける国家資格です。

他の資格を取得していない場合でも履歴書に書いて問題ありません。ただし、履歴書に書いてあることで、面接官からITパスポートを取得するまでの経緯や理由、学習を通して学んだことなどを聞かれる可能性があるため、説明できるように準備しておくことが大切です。

また、ITパスポートを取得しているだけではアピールできる範囲が限られるという観点からも、IT分野への興味や姿勢があること、それを裏付けるひとつの行動として資格取得を活用すると良いでしょう。

ITエンジニアを志望する場合は関連資格が必要?

必須ではありませんが、関連資格の取得が望ましいといえます。
ITパスポートはITの基礎知識・IT関連の法務・経営など、幅広い知識があることを証明できる反面、専門性の高い技術やスキルをアピールするには少し物足りないためです。

ITエンジニアを目指すなら、ITパスポートよりも取得難易度は上がりますが、基本情報技術者や応用情報技術者などと組み合わせることをおすすめします。ITパスポートの取得を先々の足がかりとして、より専門性の高い上位資格の取得を目指すと良いでしょう。

関連記事ITパスポートと基本情報技術者を取得するならどちらが良い?違いやメリットなど徹底解説!

ITパスポートや就職に役立つ関連資格の取得はキャリカレがおすすめ

ITパスポートや就職に役立つ関連資格の取得はキャリカレがおすすめ

IT分野の基礎知識に加え、法務や経営などへの幅広い応用を学べる国家資格、ITパスポート。あらゆる場面でITが活用されている昨今においては、IT専門職以外の職種でもITリテラシーが求められるようになりました。

ITパスポートはIT関連資格の登竜門として最適であり、自分の適性を判断したり、関連資格への足がかりにしたりと幅広い用途がある汎用性の高い資格です。

通信講座の『キャリカレ』は、ITパスポートを取得するために必要な学習を厳選し、少ない時間で効率の良い学びをサポートしています。

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この記事の監修者

資格のキャリカレ編集部

150以上の通信教育資格講座を展開し、資格取得・実用スキルの習得はもちろん、キャリアサポートまで行う資格のキャリカレ編集部が運営するコラムです。ITパスポートはITリテラシーの向上や、基本的なIT技術向上のための資格です。ITパスポートの詳細や試験対策をはじめ、ITパスポート資格の魅力や最新情報をお伝えしていきます。

資格のキャリカレ編集部

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