保育士登録とは?保育士として働くのに必要なその手続きを解説
保育士として働くには、「保育士登録手続き」という手続きをしなくてはなりません。スムーズに働けるように、正しく手続きをしたうえで準備が必要です。ここでは、保育士登録の手続き手順について説明しますので、手続きの参考になさってください。
目次
保育士登録とはどんな登録なのか?
保育士登録は、どのような意味合いがある手続きなのでしょうか。
最初に、保育士登録の目的について解説します。
保育士として働くための登録
保育士登録とは、保育士証を受け取るための登録をさします。
保育士証は、保育士の資格を持っていることを証明する書類です。
登録されると、各都道府県の保育士名簿に、氏名や生年月日などの情報が登録されたのち、保育士証の交付を受けます。
この交付を受けて、初めて保育園などの現場で働くことができるのです。
登録しないと働くことができない
2003年に児童福祉法が改正される前までは、保育士証の交付は必要なく、「保育士資格証明書」もしくは「保母資格証明書」を持っていれば、保育士としての勤務が可能でした。
改正されてから、保育士として働くためには、保育士証の交付が必須となりました。
児童福祉法が改正された際に、保育士の登録がない場合には、保育士を名乗ってはいけないという決まりができました。
登録がされていない場合、つまり養成施設で単位を修了した時点もしくは保育士試験に合格しただけでは、正式な保育士としては認められません。
保育士登録が必要となったのはなぜ?
保育士登録が必要となった時代背景には、どのようなことがあるのでしょうか。
保育士が国家資格となったため
保育士は、以前は民間資格のひとつでしたが、平成15年11月から国家資格となりました。
保育士試験における筆記試験では、次のように保育についての幅広い知識が問われます。
1.保育原理
2.教育原理及び社会的養護
3.子ども家庭福祉
4.社会福祉
5.保育の心理学
6.子どもの保健
7.子どもの食と栄養
8.保育実習理論
また実技試験では、音楽・造形・言語の中から、受験を希望する技術を選択して、試験を受けます。
保育士試験に合格したということは、これらの知識をきちんと身につけ、児童保育について理解がある人物だと、国家から認定されたことを示しています。
保育士が関わる年代の子どもは、成長において最も大切な幼少期の年齢であるといえます。
この時期の子どもは、心身ともに不安定であり、確かな知識を持った保育士の支えが必要不可欠です。
そのために、安全管理や健康管理をはじめとした幅広い知識が、保育士に求められるのです。
単に子どもが好きというだけでなく、子どもに対して強い責任感を持って仕事に取り組むことが大切です。
保育士の定義が変更されたため
平成15年に児童福祉法が改正された際、保育士の定義が次のように大きく変更されました。
“この法律で、保育士とは、第十八条の十八第一項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。”
引用元:児童福祉法 第七節 保育士 第十八条の四
この定義より、保育士が専門的知識を持った職業であることが定められました。
そのため、保育士登録をすることで、保育士となるための要件を満たしていることが証明できるのです。
さらに、保育士は国家資格になったのと同時に、名称独占の資格とされました。
これにより、保育士資格を持っている人だけが保育士と名乗ることができます。
それ以外の人が保育士と名乗る行為は禁止であり、違反すると罰則が科せられます。
保育士の信頼性を保つため
保育士が働く主な職場は保育園ですが、共働き世帯の増加に伴い、保育園はニーズがとても高まっている施設です。
このため保育士は今後必要性がさらに高まっていくと考えられています。
保育士の資格を持たない者が保育士として働くことは、決して許される行為ではないうえ、保育の質が低下してしまうおそれがあります。
さらに、子どもの安全が守れなくなるおそれもあるため、保護者が安心して保育士へ預けられるような仕組みづくりが必要です。
児童福祉法により、保育士には守秘義務があり、保育士への信用を損ねる行為をしてはなりません。
さらに、保育士の業務の中に「保護者への保育に関する指導」が加わることで、保育士は保護者に対して、相談や助言を行うための知識や技術を身につけなければならないのです。
これらの理由から、保育士登録をすることで、保育士としての信用を高めるとともに、信頼性を保つ効果があるといえます。
保育士登録の手順を説明
保育士登録をするにはどのような手続きを行えばいいのか、順を追って説明します。
手順1.手引きを取り寄せる
最初に、登録事務処理センターから「保育士登録の手引き」を取り寄せます。
保育士登録の申請手続きを行うには、手引きの中に入っている申請書や記入例などが必要です。
取り寄せるためには、次の手順で郵送しましょう。
1.送信用封筒の宛先に登録事務処理センターの宛先を記入し、必要金額分の切手を貼ります。
宛先
「〒102-0083 東京都千代田区麹町1-6-2 アーバンネット麹町ビル6階 登録事務処理センター」
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2.送信用封筒と返信用封筒に、「保育士登録の手引き〇部」と赤字で記入します。
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3.返信用封筒に登録者の住所・氏名・郵便番号を記入し、請求額手引きの部数に応じた切手を貼ります。
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4.切手を貼った返信用封筒を、送信用封筒に入れ、封をしてから郵便ポストまたは郵便窓口から郵送します。メール便は受け付けていませんので、注意しましょう。返信用封筒は、折りたたんでも問題ありません。
手順2.登録料を振込で支払う
手引きが届いたら、同封されている専用の払込用紙を使って、郵便局の窓口で手数料を振り込みましょう。
払込用紙には、住所と氏名を記入する箇所が3か所ありますので、3か所とも全て忘れずに記入します。
受領証と受付証明書の両方に、郵便局の日付入り受付印が押されていることを、必ず確認しましょう。
手順3.必要書類を揃えて郵送する
振り込みが完了したのち、送付書類の準備をします。送付書類は、次のものが必要です。
・保育士登録申請書
・振替払込受付証明書
・保育士資格を証明する書類の原本
・戸籍抄本(必要な場合のみ)
保育士資格を証明する書類に該当する書類の詳細は、登録事務処理センターのホームページでご確認ください。
書類の準備ができたら、登録事務処理センター宛に簡易書留で送付しましょう。
手順4.保育士証が郵送されてくる
申請書の受付から保育士証の交付まで、およそ2ヶ月かかります。
各都道府県の保育士登録簿へ登録された後、登録事務処理センターから簡易書留で郵送されます。
3ヶ月以上経っても保育士証が届かない場合は、登録事務処理センターへの問い合わせが必要です。
まとめ
保育士登録は、保育士になるための必須の手続きです。
これから保育士試験の受験を考えている人も、すでに保育士資格を持っている人も、保育の現場で働く予定があるのなら、できるだけ早く保育士登録を行うようにしましょう。
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