FP1級はFP資格の最上級!合格を目指すためのポイントを徹底解説

FP1級はFP資格の最上級!合格を目指すためのポイントを徹底解説

FP試験のうち、1級試験はもっとも難易度が高い試験です。1級を取得することで、独立を目指したり、信頼や安心を得られたりというメリットが受けられます。FP1級試験は、受検資格に実務経験が必要なことや、試験までに覚える知識量も2級までとは大きく異なります。ここでは、FP1級試験の概要から、合格を目指すためのポイントをおさえた勉強法まで詳しく解説しますので、1級合格に向けての勉強に役立てていただけたら幸いです。

目次

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FP1級とはどんな資格なの?

FP1級とはどんな資格なの?

まず、FP1級がどんな資格なのか、内容をご紹介します。

FP試験の最高峰

FP試験は、1級から3級に分かれています。
3級がもっとも易しいレベルで、2級・1級と上がるにつれてレベルも高くなっていきます
3級は、主婦や学生が受ける割合が多く、2級は就職のために受検したい学生や社会人が多く受検しています。

これに対し、1級はFP試験で最高峰のレベルであり、難易度もかなり高いものです。
合格すると、独立・起業を考える人も増えるほか、セミナーの講師や経済誌などのコラム執筆を依頼される可能性があります。
FPは、お金のスペシャリストと呼ばれることがありますが、中でも1級資格はその頂点と言えるでしょう。

CFPと同等レベルの内容

FP資格には2つの種類があり、1級から3級に分かれている資格は「FP技能士」と呼ばれる国家資格です。
これに対し、AFP・CFPと呼ばれる民間資格もあります。

CFPは、「Certified Financial Planner(認定ファイナンシャル・プランナー)」の略であり、FP1級はCFPと同等レベルであり、FPの最高ランクとされています。

関連記事AFP・CFPとは?FP技能士との違いやそれぞれの特徴を徹底解説

FP1級とCFPの違いは?

FP1級は国家資格・CFPは民間資格

FP1級とCFPの違いは、先ほどご紹介したように、FP1級は国家資格・CFPは民間資格であることがあげられます。
ただ、民間資格と言っても、FPSB(Financial Planning Standards Board Ltd.)という国際的なCFP組織によって導入されている資格です。

日本では、日本FP協会が業務提携をしており、国内受検者の対応を行っています。
このため、CFPは日本FP協会でしか試験が受けられないのです。
国家資格は、日本国内でしか通用しませんが、CFPは北米・アジア・ヨーロッパ・オセアニアを中心として、世界25か国・地域(2020年8月現在)で導入されている国際資格です。

試験機関や更新期限が異なる

FP1級とCFPは、受検できる試験機関が異なります。
FP1級は、学科試験はきんざい(一般社団法人 金融財政事情研究会)のみで受検でき、実技試験はきんざい・日本FP協会のどちらでも受検できます。
これに対し、CFPは先ほどご紹介したように、日本FP協会でのみ受検できます。

試験合格後に、資格の期限があるかどうかについても、違いがあります。
FP1級は、一度合格すると有効期限がなく、更新手続きをする必要はありません。
一方、CFPは資格の更新が必要で、一定の期間内に定められた4つの要件を全て満たすことが必要です。

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FP1級試験の受検資格は?

FP1級試験の受検資格は?

FP1級試験の概要をご紹介しましたが、実際に試験を受けようとする際に、自分が受検資格を得ているかを確認しないといけません。
試験は、学科試験と実技試験に分かれていますが、双方で受検資格の特徴が異なります。
こちらも、少し複雑な部分がありますので、順にご紹介します。

学科試験の受検には、必ず実務経験が求められる

実務経験とは

FP1級の学科試験を受検するには、次のどちらかに該当する必要があります。

・FP2級に合格していて、かつFP業務の実務経験が1年以上あること
・FP業務において、5年以上の実務経験があること

つまり、必ず実務経験が求められるという点が、2級や3級と大きく異なります。
学科試験を実施するきんざいでは、次のいずれかに該当していれば、おおむね実務経験として認めると公表しています。

・金融機関に勤務している(銀行・保険会社・証券会社・クレジット会社など)
・保険会社(代理店)に勤務している
・資産に関する相談業務を行っている(弁護士・税理士・行政書士・司法書士など)
・会計事務所に勤務している
・土地や建物の取引・建築・相談業務を行っている(不動産会社・建設会社など)
・投資顧問会社に勤務している
・生活協同組合など、共済等を担当している
・商品先物取引会社に勤務している
・一般事業会社や官公庁で福利厚生を担当しているか、金融・財務・経理などを担当している
・商事会社の商社金融を担当している
・商事会社やコンピュータ―会社等で、金融機関の営業担当もしくはソフト開発を担当している

ここで重要なのは、ボランティアではなく業務として携わっていた経験がないといけない点です。
実務経験の期間が、2級の合格前・後のいずれかという点は問われません。
複数企業での経験は、合算して良いとされています。

実務経験の判断は自己申告となっていますが、虚偽や不正が発覚すると、試験の中止や合格の取消となる恐れがあります。
上記以外の実務経験で、該当するかどうか不安な場合は、事前にきんざいへ問い合わせた方が安心です。

日本FP協会ではCFP資格審査試験

日本FP協会では、FP1級の学科試験は受けられませんが、CFP資格審査試験という形式で受検できます。
FP1級・CFP資格審査試験いずれも、筆記試験で行われます。

CFP資格審査試験に合格すればCFPに認定され、さらにFP1級の実技試験に合格すると、FP1級の資格も取得できるため、2つの資格が取得できる結果に繋がります。

実技試験は、CFPを持っていても受検資格が得られる

実技試験は、きんざいでは面接・日本FP協会では筆記試験でそれぞれ行われます。
実技試験の受検資格は、次のいずれかに該当することが必要です。

・1級学科試験に合格していること
・CFP資格審査試験に合格していること
・CFP認定者であること

ここで覚えておきたいのは、CFPの資格試験合格者と認定者の内容が異なる点です。
CFP認定者は、試験に合格したのち、エントリー研修を修了して、そのうえ通算3年以上の実務経験が必要となります。

CFP試験に合格するだけでも、FP1級の実技試験は受けられますが、さらなるステップアップを図りたい方や、独立を目指している方などは、CFP認定者を目指すことで更なる知識を身につけることができるでしょう。

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FP1級の試験範囲は?

FP1級の試験範囲は?

FP1級の受検資格をご紹介しましたが、続いて試験内容について詳しくご紹介します。

学科試験は1機関のみの実施で、6科目行う

先ほどご紹介したように、FP1級の学科試験を行うのはきんざい(一般社団法人金融財政事情研究会)の1機関となっています。
試験科目は6科目で、各科目に置ける範囲の細目は次の通りです。

<ライフプランニング>

ファイナンシャル・プランニングにおける倫理、関連法規、ライフプランニングの考え方・手法、社会保険、公的年金、企業年金・個人年金等、年金と税金、ライフプランニングを策定するうえでの資金計画、中小法人に対する資金計画、ローンとカード、ライフプランニングと資金繰りの最新動向

<リスク管理>

リスクマネジメント、生命保険や損害保険などの保険制度全般、第三分野の保険、リスク管理と保険、リスク管理の最新の動向

<金融資産運用>

マーケット環境の理解、金融商品や金融派生商品の内容理解と税金、ポートフォリオの運用、セーフティネット、関連法規、金融資産運用の最新動向

<タックスプランニング>

わが国の税制、所得税の仕組み、各種所得の内容、損益通算、所得控除、税額控除、所得税の申告と納付、個人住民税・事業税、法人税、法人住民税・事業税、消費税、会社・役員間および会社間の税務、決算書と法人税申告書、諸外国の税制度、タックスプランニングの最新動向

<不動産>

不動産の見方・取引、不動産に関する法令上の規制、不動産の取得・保有に係る税金、不動産の譲渡に係る税金、不動産の賃貸、不動産の有効活用、不動産の証券化、不動産の最新動向

<相続・事業承継>

贈与と法律・税金、相続と法律、相続と税金、相続財産の評価(不動産および不動産以外)、不動産の相続対策、相続と保険の活用、事業承継対策、事業と経営、相続・事業承継の最新動向

試験科目は、2級・3級と同じですが、この範囲を見ても分かるように、1級試験ではさらに専門的な内容が問われます

また、基礎編と応用編に分かれており、基礎編は4択のマークシート・応用編は筆記試験(記述式)となっています。
基礎の方が、的を絞った対策がしづらく、勉強が難しいと言われています。
応用編は、傾向が決まっているため、勉強しやすいと感じる受検者が多くいます。

実技試験は実施機関によって内容が異なる

学科試験に合格すると、実技試験にコマを進めますが、きんざい・日本FP協会でそれぞれ内容が異なるため、希望の試験を選択して受検します。

きんざいでは、「資産相談業務」の試験が面接(口頭試問方式)によって行われます。
学科試験の範囲の中で、次の項目が試されます。

・関連業法との関係や、職業上の倫理をふまえたうえで、ファイナンシャル・プランニングを行う
・顧客のニーズおよび問題点を把握する
・問題を解決するための検討や分析を行う
・顧客の立場に立って対応する

日本FP協会の実技試験は、「資産設計提案業務」の試験が記述式による筆記試験で進められます。
問題数は2題(20問)で、120分の制限時間が設けられています。
難易度は高いですが、筆記試験に比べると取り組みやすい内容と言われています。
面接が苦手な人は、FP協会の筆記試験を受ける割合が高くなります。

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FP1級に合格するためにはどのくらい勉強時間が必要?

FP1級に合格するためにはどのくらい勉強時間が必要?

FP1級の試験内容を詳しく解説してきましたが、合格するにはどのくらいの勉強時間を確保すると良いのでしょうか。

600時間ほど確保したい

FP1級合格に向けての勉強時間は、600時間は確保したいところです。
1級の勉強時間は、2級の勉強時間の2倍だと言われており、2級合格には300時間必要だとされていることから、1級は600時間となるのです。

1日に確保できる勉強時間は、人それぞれ異なります。
さらに、スケジュール通りに勉強できるとは限りませんので、余裕を持ったスケジュールを立てることをおすすめします。

FP1級の試験は、きんざいの学科試験は年3回(1月・5月・9月)、実技試験も年3回(6月・10月・2月)行われています。
また、日本FP協会の実技試験は年1回(9月)の実施です。
実技試験の受検資格となるCFPの審査試験は、年に2回実施されます。
CFPの試験は、2週にわたって行われるため、予定を組むときは注意しましょう。

受けたい日程から逆算して、確保できる勉強時間と照らし合わせながら受検計画を立てると良いでしょう。

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FP1級合格への勉強方法は?

FP1級合格への勉強方法は?

FP1級の試験は、仕組みが複雑で、難易度も高い試験です。
合格するには、どのような勉強方法で進めていくと効率良くできるのしょうか。

2級合格から時間を置かないのがおすすめ

先ほどご紹介したように、学科試験において、1級と2級の試験科目は同じです。
1級は、2級に比べ、基礎・応用どちらも難易度が格段に上がり、範囲も広がります。

このため、2級に合格したら、なるべく早く1級試験を受けることをおすすめします。
時間が経つと、せっかく勉強した知識を忘れてしまう可能性は否定できません。

法改正にも注意が必要

FP1級試験では、法令基準日が定められており、試験日に合った法令基準日時点での内容に合わせて勉強しなくてはいけません。
1月と5月試験であれば、前年10月1日が基準日となり、9月試験の場合は同年4月1日が基準日となります。
ただし、1級実技試験は上記に当てはまらず、これから施行されるものも含まれますので、注意が必要です。

また、基準日時点で既に改正や施行が決まっている法律に加えて、将来施行される法律も出題範囲に含まれるケースが多く見られます。
法律の改正に十分気を配り、内容を理解しておくよう心がけましょう。

独学で勉強する人が多い

FP1級は、独学で勉強する人も多いのが実情です。
多くの通信教育や資格学校で、用意している講座がFP2級までであることや、独学で勉強してでも合格したいという意欲が高い人が受検する傾向が強いためです。

独学で勉強をする際には、きんざいや日本FP協会から出されている過去問題に取り組むと良いでしょう。
また、FP1級に対応している通信教育もありますので、検討するのもひとつの方法です。

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まとめ

FP1級合格への勉強方法は?

FP1級は難関資格ということもあり、かなりの勉強時間を確保する必要があります。
また、FP1級には受検資格があり、FP2級に合格しているなどの条件がありますので、FP2級資格をお持ちでない方は、FP1級合格を意識しながらFP2級の勉強に取り組むようにしましょう。

なお、これからFP2級の勉強をスタートするという方には、資格のキャリカレのFP講座がおすすめです。
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また、FP1級や2級に合格したうえで、他の資格とのダブルライセンス所持により、幅広い職業を目指すことが可能です。
資格のキャリカレにおいても、FP1級と合わせて取得する方が多い社会保険労務士(社労士)・宅地建物取引士(宅建士)・行政書士などの講座もラインナップしています。

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