登録販売者の受験には実務経験が必要?2020年問題の内容と併せて解説|資格のキャリカレ

登録販売者の受験には実務経験が必要?2020年問題の内容と併せて解説

登録販売者の受験には実務経験が必要?2020年問題の内容と併せて解説

登録販売者の実務経験について詳しく知りたい!という人も多いのではないでしょうか。登録販売者は薬剤師が不在の場合でも、第2類・第3類医薬品を取り扱うことができる資格であり、ニーズがある資格の一つです。ここでは、登録販売者に実務経験が必要なのはどのような場合なのか、また求められる実務経験の詳細などを解説します。登録販売者へ登録する際の参考になさってください。

目次

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実務経験なしでも登録販売者試験は受けられるの?

実務経験なしでも登録販売者試験は受けられるの?

登録販売者試験を受けるのに、実務経験は求められるのでしょうか。
まず、試験と実務経験との関係について理解を深めましょう。

平成26年度までは試験を受けるために実務経験が必要だった

登録販売者試験が最初に行われたのは、平成20年のことでした。
それから平成26年の試験までは、登録販売者試験の受験資格として、高卒以上という学歴のほかに、実務経験が必要だったのです。
ここで実務経験と認められるのは、「1年以上一般用医薬品の販売経験がある者」という内容でした。

さらに、試験の合格者は、その後のブランク期間に関係なく、管理者となる条件を持った登録販売者として働くことができました。

現在は実務経験がなくとも試験を受けられる

平成26年に登録販売者制度が改正され、平成27年から試験への受験資格が撤廃されました。
この改正で、年齢・性別・学歴に関係なく、誰でも受験が可能となったのです。
さらに、医薬品の販売経験がなくとも試験を受けられるようになりました

改正前の制度では、まず実務経験を積み、次に登録販売者の試験に合格し、正規の販売者として働くという流れでした。
改正により、合格してから実務経験を積んで登録者になる流れの選択も可能となり、自分に合ったタイミングで実務経験を積むことができるようになったのです。

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働く際の登録要件として実務経験が必要な場合がある

実務経験は、現在では登録販売者の試験ではなく、現場で働く際の登録要件として求められるようになりました。

詳細な実務経験は後述しますが、試験に合格していても要件を満たしていない場合は「研修中」の扱いとなります。
要件を満たすまでの期間に販売者としての業務を行うには、自ら医薬品を販売することはできず、薬剤師または登録販売者(店舗管理者もしくは管理代行者の要件に該当する者)による管理・指導が必要です。

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登録販売者の2020年問題とはどのような問題なの?

登録販売者の2020年問題とはどのような問題なの?

登録販売者に必要な実務経験を解説するのに欠かせないのが、「2020年問題」です。
いったいどのような内容なのでしょうか。

法改正前の試験合格者に対する経過措置の期限が2020年

平成26年に登録販売者の法改正が行われたことで、翌平成27年から実務経験の要件が変更されました。
法改正よりも前、つまり平成26年までの試験に合格した人は、受験資格としての実務経験を1年間持っています。
合格後何年経っていても、勤務時間が短くとも、正規の登録販売者として認められていたのです。

平成27年以降の試験では、受験時点で実務経験の有無は問われないものの、正式な登録販売者となるのに2年間の実務経験が必要になりました。

法改正をしたのち、改正前から勤務している登録販売者全員に対して、いきなり改正後の法を適用してしまうと、要件に該当しない販売者が業務を行えなくなってしまいます。
これにより、研修中の販売者が増加してしまい、医薬品の販売ができなくなる店舗が大量に出る事態が懸念されました。

この事態を避けるために、法改正前の試験合格者に対して経過措置が取られ、令和2年(2020年)3月まで特例として改正前の実務経験が認められることになったのです。
これが「2020年問題」です。

令和3年8月以降はすべての合格者に改正後の内容が適用される

経過措置は、当初令和2年(2020年)3月までとされていましたが、薬機法の改正により、経過措置の期間が令和3年8月1日まで延長されました。
8月2日以降は、現行の登録販売者試験の実務試験要件が、すべての販売者に適用されます。

経過措置が終わる令和3年8月時点で、実務経験が要件を満たさなくなっても、登録販売者の資格がなくなるわけではありません
ただし、管理者になることができないため、「研修中」のステップに戻ることになるのです。

実務経験として認められる業務の内容・必要時間は?

実務経験として認められる業務の内容・必要時間は?

登録販売者の試験に合格した人が、実際に店舗などにおいて一人で業務を行うためには、どのような実務経験が必要なのでしょうか。

過去5年で通算2年(1920時間)以上の実務・業務経験が必要

現在求められている実務経験は、直近5年間で2年分(合計1920時間分)の経験だと規定されています。
ここでいう実務経験とは、薬剤師および正規登録販売者の管理および指導を受けながら、研修中として業務を行う経験をさします。

令和2年に、薬機法が一部改正され、月の勤務時間が80時間に満たなくとも、月単位での勤務期間が通算2年以上あり、かつ合計勤務時間が1920時間以上あれば、実務経験と認められることになりました。

実務経験として認定されるパターンとして、次の3通りがあげられます。

・既に実務経験の要件を満たしている場合

試験の合格前からドラッグストアなどで勤務していて、直近5年以内で実務経験の期間が2年以上あれば、合格後すぐに一人で医薬品を販売したり、管理者になったりすることができます。

実務経験で求められる2年間は、連続していなくとも問題ありません
月に80時間以上もしくは合計2年以上の勤務であり、かつ勤務期間が直近5年以内という要件に該当していれば大丈夫です。
ただし、5年より前の勤務は、実務経験と認められませんので、注意しましょう。

・実務経験はあるが要件に満たない場合

試験の合格よりも前に、一般従事者としてドラッグストアなどに勤務していたが、勤務期間が2年に満たない場合もあります。
この場合は、実務経験のうち足りない期間を、研修中として試験合格後に業務を行い、一般従事者の期間と研修中の期間を併せて2年になれば、要件として認定されます。

要件を満たしている場合と同じく、実務経験の2年間は連続していなくとも認められます。
以前働いていた職場での実務経験を証明するためには、職場に対して「実務証明書」の発行を依頼しましょう。
職場側は、申請を受けたら証明書の発行義務を負いますので、発行を断られることはありません。

・実務経験が全くない場合

試験合格後に、一から実務経験を積んでいく場合には、初めて勤務する店舗がある都道府県に「登録申請」を行います。
その後、研修中として2年間の実務経験を積むと、正式な登録販売者と認定されるのです。

雇用形態は、正社員でなくとも、パートやアルバイトでも問題ありません
この点が、登録販売者としてのキャリアを柔軟に選べるようになった特徴の一つといえます。

要件を満たさないと管理者にはなれない

登録販売者の試験に合格しても、実務経験が要件に満たないうちは、管理者として勤務することはできません
つまり、薬剤師や管理者がいないと、販売者としての業務ができないのです。

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正規の登録販売者に認められるための実務経験はどこで積める?

正規の登録販売者に認められるための実務経験はどこで積める?

研修中の登録販売者から正規の登録販売者になるためには、直近5年の間に1,920時間以上(2年以上)の実務経験が求められます。

実務経験はどこでも積めるわけではなく、登録販売者としての経験になる場所で働くのが条件です。

具体的には、一般医薬品を取り扱っている店舗で薬事関連の仕事に従事すること、薬剤師または実務経験を満たした登録販売者の指導を受けて働くことが求められます。

ここでは、実務経験に認められる主な職場をご紹介します。

正社員ではなくパート・アルバイトでも可能

実務経験と認められるかどうかに、雇用形態は関係ありません。
そのため、正社員として採用されていなくても、パートやアルバイトでも実務経験の条件を満たせます。

ただし、実務経験に認められるためには、薬事関係の仕事に携わった経験のみです。
都道府県や勤務先によって実務経験に含まれる仕事は異なりますが、パート・アルバイトでどのような仕事を担当するかをあらかじめ確認しましょう。

ドラッグストア

ドラッグストアは、医薬品をはじめとしたさまざまな商品を取り扱っており、医薬品コーナーを担当することで実務経験を積めます。
店舗数が多く、全国各地にお店があるため、経験を積む職場として選びやすいのが特徴です。

薬局・薬店

薬局・薬店は、医薬品を専門に取り扱う場所であるため、登録販売者の実務経験を積めます。
ドラッグストアと並んで店舗数が増えているので、これまでよりも職場の選択肢に含めやすくなっているのが現状です。

コンビニエンスストア

薬事法の改正によって、コンビニエンスストアでも一般用医薬品が取り扱われるようになり、実務経験にも含まれるようになりました。

一般用医薬品を扱っている店舗で医薬品販売に従事し、薬剤師や実務経験を満たした登録販売者に指導を受ければ、実務経験として認められます。

ホームセンター

医薬品を取り扱っているホームセンターであれば、登録販売者としての実務経験を積めます。

ただ、コンビニエンスストアと同様に、そもそも薬剤師や登録販売者の配置が少なく、人材を募集していない店舗も多いです。
募集していても薬剤師や実務経験を満たした登録販売者がいなければ実務経験に認められないため、慎重に職場を選びましょう。

配置薬販売

配置薬販売とは、医薬品を消費者の家庭に設置し、使用した分だけ代金を得る仕事で、登録販売者の実務経験に認められます。
配置薬販売に従事するためには、配置薬の販売会社に勤めるのが一般的です。

実務経験の証明に必要な「実務従事証明書」とは

実務経験の証明に必要な「実務従事証明書」とは

登録販売者の実務経験を証明するためには、実務従事証明書が必要です。
実務従事証明書とは、薬剤師や実務経験を満たした登録販売者のもとで、実務に従事した期間を証明するために提出が求められる証明書です。

各都道府県のホームページからフォーマットをダウンロードできるので、勤務先に記入してもらいましょう。

登録販売者として働くにはどうしたらいい?

登録販売者として働くにはどうしたらいい?

これまで紹介したように、登録販売者として働くには、試験に合格するだけでなく、別途手続きを取る必要があります。
この手続きについて解説します。

試験合格後に申請が必要

登録販売者試験は、全国10のブロックに分かれて、年に1回行われます。
この試験に合格したのち、勤務先の都道府県に「販売従事登録」を行うと、「販売従事登録証」が交付されます。

販売従事登録は、初めて勤務する場合のみ提出が必要で、勤務先が変わった場合には提出は不要です。
ただし、登録内容(本籍地・氏名・生年月日など)の変更があれば、書き換え交付の申請をしましょう。
また、紛失したときは再登録が必要です。

登録申請を行うには、次の書類を準備しましょう。

・販売従事登録申請書
・登録販売者試験の合格通知書
・戸籍抄本、戸籍謄本、戸籍記載事項証明書のいずれか(発行後6ヶ月以内)
・医師の診断書(診断日から3ヶ月以内のもの)
・雇用証明書
・登録手数料

登録申請書は、各都道府県のウェブサイトもしくは保健所で入手できます。
また、自治体によっては、診断書と雇用証明書の書式もウェブサイトからダウンロードできる場合もありますので、確認してみましょう。
登録手数料は、都道府県ごとに異なりますが、7,000円から10,000円ほどの間となっています。

提出方法は、郵送もしくは窓口へ持参のいずれかを選択する自治体が多くなっていますが、事前に確認されることをおすすめします。
書類に不備がなければ、2週間ほどで発行されます。

店舗管理者になると就職先が増える

販売従事登録証が発行され、所定の実務経験を満たすと、正式な登録販売者となります。
これにより、店舗管理者としての勤務が可能です。

店舗管理者は、店舗で扱う医薬品や物品の管理を行うほか、薬剤師・研修中の登録販売者・従業員などのまとめ役も担います。
管理者としてのキャリアを積むことで、店長・エリアマネージャーなどのキャリアアップも目指せます

さらに、管理者要件を満たしている登録販売者は、店舗および企業の即戦力となるため、求人も多い傾向が見られます。
待遇面でも、手当が付く可能性が高くなり、収入アップも見込めるのです。

正規登録後も定期的に外部研修を受ける必要がある

登録販売者として正規登録された後も、資質向上を目的として外部研修を定期的に受ける必要があります。

指定の会場で行われる集合研修が一般的で、場合によってはe-ラーニング研修を実施しており、e-ラーニングの場合は自宅での受講が可能です。

外部研修を受けなかったことに対する個人へのペナルティはありませんが、知識をアップデートするために忘れずに受講しましょう。

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登録販売者と薬剤師の比較・違い

登録販売者と薬剤師の比較・違い

医薬品の販売が可能な職種では、登録販売者のほかに薬剤師があります。
登録販売者と薬剤師について、明確にどこが違うのかということをご存じでしょうか?
その違いについて解説していきます。

登録販売者は調剤ができない

まず、一つ目の違いについてですが、登録販売者は「調剤」をすることができません。
薬は、以下の一般用医薬品と医療用医薬品の二つに大別されます。

一般用医薬品:ドラッグストアなどで医師の処方箋がなかった場合でも購入できる薬
医療用医薬品:病院や歯科医院といった医療機関で医師・歯科医師が処方を行う薬

医療用医薬品については、患者の診察が終わった後に医師が作成した処方箋を元に薬剤師が調剤し、患者に渡すことができますが、登録販売者には調剤の権限は与えられていません。

薬剤師は、調剤や販売もできますが、登録販売者は一般用医薬品の販売のみ可能といった違いがあります。

登録販売者はすべての一般用医薬品を販売できるわけではない

もう一つ、大きな違いとして登録販売者は、すべての一般用医薬品を販売できないという点です。

前述した通り、登録販売者は薬剤師と同様に、一般用医薬品の販売が可能ではありますが、一般用医薬品にも副作用のリスクによって3種類に分類されます。
第1類、第2類、第3類に分類されますが、登録販売者が販売できる医薬品は、第2類と第3類のみと決められています。

第1類医薬品は、服用後の副作用のリスクが高く、特に注意を要する成分が含まれていることから、薬剤師のみ販売が認められています。

とはいえ、ドラッグストアに陳列されている一般用医薬品のうち、9割以上が第2類と第3類なので、登録販売者は、ドラッグストアで販売されている一般用医薬品のほとんどを販売することが可能です。

薬剤師が登録販売者試験を受験することができるのかどうか

薬剤師が登録販売者試験を受験することができるのかということについてですが、結論をいうと受験自体は可能ですが、薬剤師の資格の方が上位資格にあたるため、受験するメリットはほとんどないといえます。

というのも、薬剤師の資格を持っていることで、登録販売者が行うことができる業務を網羅しているためです。
一般用医薬品の販売についても、前述した通り薬剤師はすべての一般用医薬品を販売できるのに対し、登録販売者は第2類と第3類しか販売ができません。

また一般的に、薬剤師の資格を持っていて働いたほうが、登録販売者として働くよりも高い年収を得ることができます。
薬剤師は大学の薬学部に6年間通い、薬剤師試験に合格して初めて薬剤師として仕事ができるようになります。

登録販売者試験よりも薬剤師試験のほうが、資格取得までのハードルが高いです。
そのため、薬剤師資格を持っているのであれば、薬剤師の資格を生かして仕事をするのがベターな選択であるといえます。

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まとめ

登録販売者は、試験の受験要件が変更されたことで、幅広い人達が受験できるようになりました。
特定の学校に通わなくとも、さまざまな勉強法から選択できるのも、受験しやすい要因となっています。

そして、これから登録販売者の試験に向けて勉強していくには、資格のキャリカレで登録販売者講座を受講されるのがおすすめです。
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