
更新日:2025/10/29
心の不調を整える方法として注目されている「認知療法」と「認知行動療法」。どちらも考え方の歪みを修正してストレスを軽減する心理療法ですが、そのアプローチや目的には明確な違いがあります。本記事では、両者の特徴と効果の違いをわかりやすく比較し、症状別にどちらが向いているのかを解説します。さらに、実際の進め方や効果的な活用法についても紹介します。心の仕組みを理解し、前向きな自分を取り戻すヒントにしてみましょう。
【この記事を簡潔に要約すると・・・】
〇認知療法は、うつ病の治療を目的に誕生した心理療法で、否定的な思考のクセを修正し、感情の安定を図る方法である。
〇認知行動療法は、認知療法に行動療法を組み合わせたもので、思考と行動の両面を変化させ、実生活での改善と再発防止を目指す。
〇うつ・不安障害・強迫性障害・PTSD・不眠症など、症状によって効果的なアプローチが異なり、認知療法と認知行動療法を使い分けることが重要。
〇認知療法・認知行動療法はいずれも薬に頼らず、心の仕組みを理解しながら自分自身で回復力を高められる科学的な心理療法として注目されている。
〇心理学の基礎から認知療法・認知行動療法まで体系的に学ぶなら、在宅で資格取得を目指せるキャリカレの「メンタル心理カウンセラー講座」がおすすめ。

- 認知療法・認知行動療法とは?
- 認知療法はうつ病患者の治療法だった
- 認知療法は現在どのような治療に使われている?
- 認知療法と認知行動療法の違い
- 認知療法・認知行動療法の大きな目的
- 認知療法・認知行動療法の効果は?
- 考えがポジティブに
- 思考がすっきりする
- 精神疾患の改善
- 精神疾患の予防
- 再発防止
- 認知療法と認知行動療法の違いを比較表でわかりやすく
- 症状別に見る|認知療法と認知行動療法どっちが向いてる?(うつ/不安障害/強迫/PTSD/不眠 )
- うつ病には「認知療法」からスタートするのがおすすめ
- 不安障害には「認知行動療法」で不安に慣れる訓練を
- 強迫性障害(OCD)には「認知行動療法(CBT)」が第一選択
- PTSD(心的外傷後ストレス障害)には「認知行動療法+トラウマ処理法」
- 不眠症・睡眠障害には「認知行動療法(CBT-I)」が科学的に有効
- 認知療法・認知行動療法の具体的な方法と進め方
- 認知再構成法
- エクスポージャー法
- 考え方の癖を自覚するABC理論
- 行動活性化療法
- 心理療法を体系的に学ぶならキャリカレがおすすめ
- 実践力と資格取得を両立!キャリカレで人気の心理カウンセラー講座とは
- まずは心理学の基礎から!「メンタル心理カウンセラー」資格がおすすめ
- まとめ
- よくある質問
認知療法・認知行動療法とは?
認知療法はうつ病患者の治療法だった
認知療法とは、ベックによって提唱された精神療法の一種です。
もともとは、うつ病患者への治療法として考案されました。
うつ病患者の多くは「みんなが自分を嫌っている」「どうせ自分に明るい未来はない」といったネガティブな思い込みにとらわれています。
物事の多くを悲観的にしか考えられなくなるので、治療に対しても協力的な姿勢を示してくれません。
そこで、認知療法では患者に、自らの思考を客観視するところから治療を始めます。
自然に自分自身を認知することで思考の偏りに気づかせ、症状を改善していくのです。
思い込みや固定観念は、多かれ少なかれ多くの人が持っているもので、うつ病患者に限った症状ではありません。
思い込みが強くなると、些細な言葉に傷つけられたり、簡単な作業にも強烈な苦手意識を抱いたりする場合も出てくるでしょう。
このように、ある出来事に対して、自動的に思い浮かぶイメージを「自動思考」と呼びます。
自動思考によって、ネガティブなことばかり思い浮かべるようになると、ストレスがたまってしまいます。
そういったことから、認知療法は否定的な自動思考に悩んでいる人全般に対して用いられるようになったのです。
認知療法は現在どのような治療に使われている?
先ほどお伝えしたように、認知療法はうつ病治療のために考案された治療法です。
通常は薬物療法などと併用して使われますが、認知療法は薬と違って副作用リスクがほとんどありません。
そのため、海外では軽度のうつ病などには認知療法が単独で使われる場合もあるといいます。
また、もともとうつ病治療の一環として用いられてきた認知療法ですが、現在ではさまざまな精神疾患・精神の症状の治療に活用されています。
たとえば、欧米の精神医療現場では、パニック障害・心的外傷後ストレス障害・強迫性障害といった、いわゆる不安障害の治療に認知療法が使われています。
統合失調症や摂食障害など、日本でもよく認知されている身近な症状にも効果があることが実証済みです。
自動思考によって精神的に苦しめられている患者には、その一つ一つを丁寧に検証してあげることが必要です。
とらわれた考えに間違いが多いことを認識できれば、症状の緩和は前進します。
精神疾患を患っている人は、思い込みや誤った認識から脱け出せないケースが少なくないため、それらの認識を修正することができる認知療法は効果が高いと考えられています。
認知療法は、精神医療分野の幅広い症状に役立つ治療法として、今後も活躍の場が広がりそうです。
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認知療法と認知行動療法の違い
そもそも、行動療法は、認知療法とは別に発展してきた精神療法でした。
人間の精神状態が悪化するときには、その人の行動が大きく影響している可能性があります。
そこで、行動パターンを専門家と一緒に解き明かしていき、コントロールすることで精神状態を改善していこうとする試みが行動療法です。
そして、認知療法と行動療法の長所を融合させたのが認知行動療法なのです。
かつて、日本の学会では、認知療法と行動療法の原理は異なるものとされ、両者の融合に反対する風潮も見られました。
しかし、時代とともに認知行動療法は学会から許容されるようになりました。
なぜなら、認知行動療法の効果が観測されるようになってきたからです。
いまや精神医学の世界では、クライエントの症状に合わせて認知行動療法を中心に治療を進めていくことが普通の光景になりました。
認知療法・認知行動療法の大きな目的
バランスを整えること
重度のストレスを抱えている人は、自動思考のバランスが崩れてしまい認知の歪みが発生することがあります。
たとえば、人とぶつかったとき、普通の人は「痛い」「謝ろう」といった程度にしか思わないことが多いでしょう。
しかし、認知が歪んでいると「この人はわざとぶつかってきたのではないか」「まともに歩けない自分はなんてダメなのだ」など、極端な思考に支配されてしまうのです。
認知療法・認知行動療法ではこうした歪みを分析し、クライエントにとって楽な思考へと変えていきます。
自分を変えること
認知が歪んでしまうと、他人本位の考え方になりがちです。
ある行動に対して「周囲にどう見えているか」「自分はどう評価されるか」といったことが気になってしまい、なにをしても大きなストレスがかかってしまうのです。
認知療法・認知行動療法では、クライエントが自分の気持ちを優先して行動できるよう考え方を見直していきます。
仮に他人から厳しい言葉をかけられたとしても、「自分に責任があるわけではない」とポジティブにとらえ、精神的なダメージを軽くする方法を探っていきます。
認知療法・認知行動療法は「理想と現実を近づける」ためにも用いられてきました。
理想の自分になれないと思い悩んでいる人は少なくありません。
現実を客観的に把握できなければ、理想へとたどり着くのは困難でしょう。
認知療法・認知行動療法では、理想の自分を妨げている要因を掘り下げていきます。
理想と現実のズレをはっきりと認識し、自分を変えていく努力の方向性を定めます。
その結果、人間関係や仕事などで「なりたい自分」として振る舞えるようになり、ストレスが解消されるのです。
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認知療法・認知行動療法の効果は?
考えがポジティブに
認知療法・認知行動療法の具体的な効果としては、「つらいときに落ち込みにくくなる」ことが挙げられるでしょう。
ネガティブな自動思考が固定化されていくと、つらいときほど気持ちがふさぎ込んでしまいます。
仕事が忙しかったり、言葉遣いが荒い人に会ったりすると、精神的にまいってしまうのです。
しかし、認知療法・認知行動療法で自動思考を調整していけば、無意味なネガティブ思考に悩まされることも少なくなります。
状況や他人の振る舞いをありのままに捉え、前向きに行動できるようになるのです。
思考がすっきりする
認知が歪んでいるとは、思考にノイズが発生している状態でもあります。
たとえば、「会社の後輩が指示通りに働いてくれなかった」とき、「彼は自分の邪魔をしている」と余計な想像をしてしまうことがノイズです。
こうした考えが続くと、生活や仕事にも悪影響が生じかねません。
そうならないよう、認知療法・認知行動療法ではクライエントの認知を振り返っていき、余計な想像に振り回されないことを目指すのです。
その結果、思考がすっきりして物事を冷静に受け止められるようになるでしょう。
精神疾患の改善
不眠症や摂食障害といった精神疾患には、自動思考が絡んでいることも珍しくありません。
また、社交不安障害などを発症すると、他人とのコミュニケーションに支障をきたしてしまいます。
認知療法・認知行動療法は、患者が自分の心と向き合うことで少しずつ状況を改善させていく手段です。
薬物を使わないことから抵抗感も少ないため、さまざまな医療の現場で採用されてきました。
精神疾患の予防
認知療法・認知行動療法が心の病を発症した人以外にも用いられるようになったのは、予防にも効果があるからです。
特に、自動思考は精神疾患と密接な関係を持っています。
認知が歪んでしまい、日常的にネガティブなイメージばかり思い浮かべるようになると、精神的負担は深刻になってしまいます。
最終的に、うつ病や強迫神経症につながるケースもあるでしょう。
認知療法・認知行動療法によって自動思考のバランスを整えることで、健康な精神状態のまま毎日を過ごしやすくなります。
再発防止
精神療法では、薬物で疾患を治していくことも少なくありません。
ただし、長い目でみると認知療法・認知行動療法のほうが着実に回復できるという説も提唱されています。
しかも、回復後に同じ疾患を再発させる確率が低いので、認知療法・認知行動療法を採用する心理カウンセラーは増えてきました。
うつ病やパニック障害などの精神疾患は再発率が高いので、それを抑えられる認知療法・認知行動療法には注目が集まっています。
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認知療法と認知行動療法の違いを比較表でわかりやすく
認知療法と認知行動療法は、どちらも「考え方の歪みを修正して心を整える」心理療法ですが、アプローチの範囲と目的が異なります。
認知療法は主に“考え方”そのものを見直すことに焦点を当て、認知行動療法はそこに“行動”の修正も組み合わせることで、より実践的な改善を目指します。
以下の比較表で、その違いをわかりやすくまとめました。
比較項目 | 認知療法(Cognitive Therapy) | 認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy:CBT) |
|---|---|---|
提唱者・背景 | アーロン・T・ベックが提唱(1960年代) | 認知療法に行動療法の要素を統合(1970年代以降発展) |
主な目的 | 歪んだ「考え方(認知)」を修正して感情を安定させる | 考え方と「行動」の両面を変えることで、持続的な改善を図る |
アプローチの中心 | 思考・信念の修正(内面への働きかけ) | 思考+行動パターンの修正(行動実験・課題実践を含む) |
対象となる主な症状 | うつ病、不安感、自尊心の低下など | うつ病、パニック障害、PTSD、強迫性障害など幅広い精神疾患 |
技法の例 | 認知再構成法、思考記録表など | エクスポージャー法、行動活性化療法、セルフモニタリングなど |
特徴 | 思考の癖に気づき「心の整理」を行う | 行動を変えることで「現実での変化」を実感しやすい |
効果が出やすい人 | 自分の感情や思考を内省できる人 | 行動を通して変化を体感したい人、再発を防ぎたい人 |
学び方・実践方法 | カウンセラーとの対話中心 | カウンセリング+課題実践・記録ワークを併用 |
日本での位置づけ | 精神科・カウンセリング分野で基礎的理論として定着 | 医療機関・教育・福祉・職場メンタルケアで幅広く活用 |
症状別に見る|認知療法と認知行動療法どっちが向いてる?(うつ/不安障害/強迫/PTSD/不眠 )
認知療法と認知行動療法は、症状の種類によって適したアプローチが異なります。ここでは代表的な症状別に、それぞれの療法がどのように役立つのかを解説します。自分に合った方法を知ることが、心の回復への第一歩です。
うつ病には「認知療法」からスタートするのがおすすめ
うつ病は「自分には価値がない」「どうせうまくいかない」といった思考の歪みから悪化しやすい症状です。認知療法では、こうした否定的な考え方を客観的に見つめ直し、事実に基づいた柔軟な思考を育てます。薬に頼らず内省を深めることで、自己否定感をやわらげ、気分の安定を図ることができます。初期段階のうつにも効果が期待できる療法です。
不安障害には「認知行動療法」で不安に慣れる訓練を
不安障害では、特定の場面や人を避けようとする「回避行動」が不安を強める原因になります。認知行動療法では、不安を引き起こす状況に少しずつ慣れていく「エクスポージャー法」を用い、安心して行動できる自信を養います。不安を感じても冷静に対処できるスキルを身につけることで、生活範囲が広がり、社会生活の改善にもつながります。
強迫性障害(OCD)には「認知行動療法(CBT)」が第一選択
強迫性障害は「手を洗わずにいられない」「確認を繰り返してしまう」といった強迫行動が特徴です。認知行動療法では、あえて不安を感じる状況に直面しながらも強迫行動を我慢する「暴露反応妨害法」を行います。繰り返し実践することで、「不安は自然に弱まる」という体験を積み重ね、不安と上手に向き合えるようになります。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)には「認知行動療法+トラウマ処理法」
PTSDは、過去の出来事がフラッシュバックし、強い恐怖や罪悪感を伴う症状です。認知行動療法に加え、トラウマ記憶の再構成や現実検証を行うことで、出来事への意味づけを変えていく「トラウマ処理法」が有効です。少しずつ過去の記憶を整理しながら、恐怖や過覚醒をやわらげ、安心して日常生活を送れる状態を目指します。
不眠症・睡眠障害には「認知行動療法(CBT-I)」が科学的に有効
不眠症の多くは「眠れないかもしれない」という不安や生活習慣の乱れが原因です。CBT-I(不眠症に特化した認知行動療法)では、睡眠習慣の見直しとともに、睡眠への考え方を修正します。薬に頼らず睡眠リズムを整え、自然な眠りを取り戻す方法として、世界的にも標準治療とされています。
認知療法・認知行動療法の具体的な方法と進め方
認知再構成法
多くの認知療法・認知行動療法で、重要視されている手法です。
クライエントの認知の歪みを理論的に証明し、本人に自覚させたうえで修正していくという方法です。
最初は、心理カウンセラーとクライエントの会話によって「自分が話すと誰もが嫌がる」などの自動思考を明確にしていきます。
さらに、その確信の度合いを数値化してもらい、クライエントの認知がどれほど固定されているのかをチェックしていきます。
そのうえで、「では、最近あなたが人前で話したときのことを教えてください」と、具体的なエピソードを聞き出します。
その中で「本当に周囲は嫌がっていたのか」「しっかり耳を傾けていた人はいないのか」と、認知の反証となる要素を取り上げていきます。
あるいは、「あなたが話していないときでも周囲が嫌な気持ちになっていることはないのか」など、新しい思考の切り口を与えることも重要です。
こうしてクライエントに「認知が偏っている可能性」を把握してもらったうえで、思い切って行動を変える計画を立てていきます。
もちろん、ネガティブな自動思考が深刻化しているクライエントが、すぐに行動パターンを変えられるとは限りません。
そのため、認知再構成法を実施するには家族や友人の協力が必要になります。
クライエントに信頼できる相手と計画をこなしてもらい、経過をヒアリングしながら回復を目指します。
なお、認知再構成法では、初めからクライエントの認知を「間違っている」と決めつけるのは厳禁です。
あくまでも客観的にクライエントと向き合う姿勢が心理カウンセラーには求められます。
エクスポージャー法
またの名を「暴露療法」といい、クライエントをあえて強い刺激にさらす療法です。
強迫障害やPTSD、恐怖症など、特定のシチュエーションについて強い拒絶を示す人に対して、症状を克服するために用いられてきました。
これは、状況に「慣れさせる」ことを意図しています。
不安の原因を遠ざけてしまうからこそ、ますます不安が強まってしまうケースは少なくありません。
エクスポージャー法では合理的な計画に基づき、クライエントが刺激になれるまでの過程をサポートします。
エクスポージャー法の進め方はさまざまです。
まず「暴露反応妨害法」では、不安階層表を用いて不安を感じる刺激の度合いを複数挙げ、深刻さを数値化します。
そして、数値の低い刺激から克服し、徐々に数値の高い刺激へと移行していくのです。
「系統的脱感作法」はリラクゼーションと組み合わせた進め方です。
不安階層表を用いるところは暴露反応妨害法と変わりません。
ただ、系統的脱感作法では実際に刺激を感じるのではなく、その状況を想像するだけに留めます。
現代的なエクスポージャー法では、こちらのほうが広く採用されるようになってきました。
「フラッディング法」では、段階を踏まず、いきなり刺激の中へクライエントを追い込みます。
たとえば、クライエントが高所恐怖症なら「非常に高い建物の上まで連れていく」「高所で置き去りにする」といったようにすることです。
クライエントは当然ながらパニックになり、平静さを保つことが難しくなります。
しかし、パニックが治まるころには刺激そのものを感じなくなるケースもあるのです。
荒療治ではあるものの、即効性の高い手段として認知行動療法の世界では知られています。
考え方の癖を自覚するABC理論
ABC理論とは、考え方の癖を自覚・改善することによって、心理的な問題や悩みの解消を目指すものです。
論理療法に含まれる理論で、アメリカの臨床心理学者アルバート・エリス氏が1955年に考案したとされています。
ABC理論のABCは、A(Activating event)が出来事、B(Belief)は信念、C(Consequence)は結果を表しています。
人間は出来事が起き、出来事に対して考えた上で反応をするという流れで処理しており、考え方・捉え方次第で感情が変わるというのがABC理論の要点です。
アルバート・エリス氏は考え方に該当するBについて、不合理な信念と合理的な信念に分けています。
不合理な信念が辛い気持ちや悩みを促すものと考え、これを変えることが目的です。
例えば、A「見知らぬ人が私の話をしていた」に対して、B「私の悪口に言っているに違いない」、C「私はみじめだ」となると、辛い感情が生まれます。
治療によってBを変えるのがABC理論で、B「私のことをほめているのかもしれない」と考えられるようになれば、C「私ってすごいかも」「もっと話題になるように頑張ろう」と前向きな結果に変えられるのです。
行動活性化療法
これは、うつ病患者に対する療法として編み出された理論です。
クライエントが抱えている「行動と結果」の関係を逆転させ、「行動をすることで良い結果が生まれる」という認知を植え付けていくのです。
仕事や家事のモチベーションが上がらないとき、多くの人は「気持ちが落ち込んでいるので何もできない」という風に考えています。
しかし、実際には何もしないことを自己弁護するために、「落ち込んでいる」と思い込んでいるケースも少なくありません。
行動活性化療法では、こうしたクライエントの状態を「回避行動」と捉えています。
すなわち、行動することで不安や恐怖に襲われたくないと考え、何もしない状態へと回避しているのです。
回避行動を支えているのは、当人の歪んだ認知です。
クライエントの認知を変えるため、心理カウンセラーから行動が精神に与える影響を説明します。
そして、「落ち込んでいるから動かない」という考え方を「動けば落ち込まなくなる」という方向に変えていきます。
ただ、心がふさぎ込んでいるクライエントが急に、活発な行動をできるわけではありません。
初期段階では「実験」と称して、掃除や散歩など、実践しやすいことを試してもらいます。
そうしているうち、クライエントが特に抵抗を覚える行動が見えてきます。
それらはクライエントにとって苦手意識があり、不安や恐怖の引き金となっている事象だといえるでしょう。
そこで、心理カウンセラーはクライエントと一緒に苦手を克服するためのスモールステップを考えていきます。
「上司に話しかける」という行為が苦手だとすれば、そこにいたるまでのステップを細かく区切っていくのです。
そのほか、苦手分野の難易度を5段階で評価するのもひとつの方法です。
数値化すれば、克服するべき優先順位をつけやすくなります。
基本的には、クライエントが簡単だと思っている課題から克服していくのが自信をつけやすいので得策です。
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まとめ

認知療法・認知行動療法は精神疾患を抱えている人の治療だけでなく、予防策としても有効です。
さまざまな精神療法の中でも効果が大きいとされているため、これからの時代、ますます心理カウンセラーの需要は高まっていくでしょう。
精神療法の分野に興味があるのなら、心理カウンセラーを目指してみるのもよいのではないでしょうか。
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よくある質問
Q1. 認知療法と認知行動療法の一番大きな違いは何ですか? |
|---|
認知療法は「考え方(認知)」を修正することに焦点を当てた心理療法で、思考の歪みを整えることを目的としています。 |
Q2. 認知療法と認知行動療法はどちらが効果的なのですか? |
|---|
どちらも効果的ですが、目的や症状によって適した療法が異なります。 |
Q3. 認知療法はどのような症状に使われるのですか? |
|---|
認知療法は、主にうつ病・不安感・自己否定感など「ネガティブな自動思考」に苦しむ人に効果があります。 |
Q4. 認知行動療法はどのような治療方法なのですか? |
|---|
認知行動療法(CBT)は、認知療法に行動療法を組み合わせた治療法です。 |
Q5. 認知療法とうつ病治療の関係は? |
|---|
認知療法はもともと、アーロン・T・ベックがうつ病患者のために開発した心理療法です。 |
Q6. 行動療法と認知療法の関係は? |
|---|
行動療法は「行動の変化」を通じて症状の改善を図る方法で、認知療法は「考え方の変化」に焦点を当てています。 |
Q7. 認知行動療法ではどんな技法が使われますか? |
|---|
主な技法には、認知再構成法(思考を修正する)、エクスポージャー法(不安に慣れる)、行動活性化療法(行動から気分を変える)、セルフモニタリング(思考・行動の記録)などがあります。 |
Q8. 自動思考とは何ですか?認知療法ではどう扱うのですか? |
|---|
自動思考とは、出来事に対して瞬間的に浮かぶ考えのことです。 |
Q9. 認知行動療法は薬物療法と併用されるのですか? |
|---|
はい。うつ病や不安障害などの治療では、薬物療法と併用されるケースが多いです。 |
Q10. 認知療法・認知行動療法を学ぶにはどうすればよいですか? |
|---|
心理学やカウンセリング講座などで基礎から学ぶことができます。 |
この記事の監修者
資格のキャリカレ編集部
150以上の通信教育資格講座を展開し、資格取得・実用スキルの習得はもちろん、キャリアサポートまで行う資格のキャリカレ編集部が運営するコラムです。心理カウンセラーは、悩みをもつ人の相談に乗って解決に導く仕事として、人気の高い資格です。心理カウンセラーの詳細や資格試験の詳細、資格の魅力などの最新情報をお伝えしています。
