簿記初級(旧簿記4級)とは?各級との違いや合格への勉強法も解説
簿記検定は、原価計算初級、初級、3級、2級、1級に分かれています。ここでは、簿記初級(旧簿記4級)について、概要や各級との違い、勉強法まで詳しく解説します。受験を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
簿記初級(旧簿記4級)とは
まずは、簿記初級(旧簿記4級)とは何かを理解していきましょう。
ここでは、下記4つのポイントで簿記初級(旧簿記4級)を解説していきます。
趣旨・内容
簿記初級は、簿記初学者向けの入門級と位置づけられています。
簿記の基本的な仕組みやビジネスにおける実践的な知識を問う内容を中心とし、基礎や仕組みを理解するのが主な趣旨です。
簿記初級では、以下のような知識・能力を身につけられます。
・貸借対照表や損益計算書の基本的なルール
・複式簿記での基本的な記録のルール
・商品の売買や代金の決済、給料などの費用の支払い、あるいは消費税などの税金処理の知識や手続き
・帳簿からビジネスに必要な情報を読み取る能力
上位級とのつながり
簿記初級は、複式簿記の基礎や決算に関わる簿記の知識を修得できます。
これは簿記3級で問われる内容の約半分に該当すると言われています。
そのため、簿記初級を取得できれば、3級の基礎がある程度理解できていると言えるでしょう。
もちろん、3級で新しく問われる内容は修得しなければなりません。
3級は2級、2級は1級へとつながっていくので、初級から段階的に知識を修得していくのも方法の一つです。
受験者数・合格率
簿記初級は、2016年度まで4級として実施されており、他の級と同じく会場試験が行われていました。
2017年度からは該当期間にネットで受験できるようになり、受験者数が大幅に増えています。
合格率は、4級だった143~145回は約25~50%、初級に変わった2017~2021年は約50~60%でした。
ネット受験に変わってから合格率が上がり、受験者の約6割が合格しています。
期間・回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2021年4月1日~ 2022年3月31日 |
3,644名 | 2,341名 | 64.2% |
2020年4月1日~ 2021年3月31日 |
3,988名 | 2,516名 | 63.1% |
2019年4月1日~ 2020年3月31日 |
4,284名 | 2,545名 | 59.4% |
2018年4月1日~ 2019年3月31日 |
4,182名 | 2,421名 | 57.9% |
2017年4月1日~ 2018年3月31日 |
4,167名 | 2,243名 | 53.8% |
145回 | 527名 | 135名 | 25.6% |
144回 | 429名 | 178名 | 41.5% |
143回 | 627名 | 309名 | 49.3% |
試験概要
レベル・能力 | 簿記の基本用語や複式簿記の仕組みを理解し、業務に利活用できる |
---|---|
受験資格 | なし |
合格基準 | 100点満点で70点以上 |
試験時間 | 40分 |
試験方式 | ネット試験 |
試験会場 | 商工会議所ネット試験施行機関 |
試験日 | 試験施行機関が指定 |
受験料 | 2,200円 |
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簿記初級と各級の違い
簿記検定には、簿記初級(旧簿記4級)以外にも3級、2級、1級があります。
1つ上の3級はもちろん、2級、1級との違いを知っておくことも大切です。
各級との違いを知り、簿記初級をさらに詳しく理解しましょう。
3級との違い
簿記初級は初心者向けの内容ですが、簿記初級は初心者向けの内容ですが、簿記3級はより実践的な内容に近づき、小規模企業における企業活動や会計実務に対して、経理関連書類の適切な処理ができるようになるレベルとしています。
細かい部分では、試験方式や試験時間、受験料などにも違いがあることを覚えておきましょう。
主な違いは、下記の表にまとめています。
初級 | 3級 | |
試験方式 | ネット試験 | ・ネット試験 ・会場試験 |
試験時間 | 40分 | 60分 |
受験料 | 2,200円 | 2,850円 |
3・2・1級を比較
2級、1級では、初級と3級よりも出題範囲が広くなります。
2級は商業簿記・工業簿記、1級は商業簿記・工業簿記・会計学・原価計算が主な出題内容です。
級が上がるほどに専門的・実践的になっていくので、スキルアップにつながります。
その他の違いは、下記の表を参考にしてみてください。
初級 | 3級 | 2級 | 1級 | |
試験方式 | ネット試験 | ・ネット試験 ・会場試験 |
・ネット試験 ・会場試験 |
会場試験 |
試験時間 | 40分 | 60分 | 90分 | 180分 |
受験料 | 2,200円 | 2,850円 | 4,720円 | 7,850円 |
簿記初級に合格するための勉強法
簿記初級は簿記検定のなかでも初心者向けですが、合格するためにはしっかり勉強しなくてはなりません。
やみくもに勉強するよりも、コツを押さえて準備するのがおすすめです。
ここでは、ぜひ実践したい勉強法を3つご紹介します。
それぞれ解説します。
スケジュールを立てて計画的に学習する
簿記初級はネット試験を採用しており、設定された期間内であれば好きな日に受験できます。
そのため、合格を目指すには、いつ受験するかを決めて、勉強の計画を立てることが大切です。
知識を定着させるためには、短期間で集中して学習するよりも、毎日継続して勉強するスケジュールを立てたほうが効果的でしょう。
問題集や過去問を繰り返し解く
テキストで知識をインプットするだけで終わらず、問題集や過去問でアウトプットすることが大切です。
問題集を繰り返し解くことで、より試験に活用できる知識を得られます。
過去問は実践的な知識を養うことはもちろん、試験の傾向や時間配分を把握するためにもしっかり解いておきましょう。
パソコン操作に慣れておく
簿記初級はパソコンで取り組むため、パソコン操作に慣れておくことも重要です。
簿記検定公式サイトでは、簿記初級のサンプル問題を操作体験版として提供しています。
ネット試験を体験できるので、あらかじめ取り組んでおきましょう。
簿記のネット試験については以下の記事でも詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
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簿記初級は独学でも取得できる?
簿記初級は計画的に勉強すれば独学でも合格が可能ですが、合格率は6割程度であり、決して簡単ではありません。
より確実に合格を目指すなら、通信講座を利用するのがおすすめです。
通信教育はオリジナルテキストや映像講義などの教材が充実し、手厚いサポートを受けられます。
また、簿記初級は他の級に比べると、就職・転職などでアピールしにくいので、初級以上の取得を目指していくことも検討しましょう。
簿記3級・2級とは
簿記初級を取得した後は、3級、2級とレベルアップしていくのがおすすめです。
目標を立てるためにも、簿記初級と一緒に3級と2級についてもあらかじめ知っておきましょう。
簿記3級・2級で問われる内容や特徴を解説します。
簿記3級とは
簿記3級は、基本的な商業簿記の知識やスキルを身につけられる級です。
商業簿記とは企業における購買活動や販売活動などについて取引を記録・計算する技能のことを言います。
3級の下記のページでも詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
受験者数・合格者数
回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
161回 | 43,723名 | 16,770名 | 45.8% |
160回 | 44,218名 | 22,512名 | 50.9% |
159回 | 49,095名 | 13,296名 | 27.1% |
158回 | 49,313名 | 14,252名 | 28.9% |
157回 | 59,747名 | 40,129名 | 67.2% |
156回 | 64,655名 | 30,654名 | 47.4% |
154回 | 76,896名 | 37,744名 | 49.1% |
153回 | 80,130名 | 34,519名 | 43.1% |
152回 | 72,435名 | 40,624名 | 56.1% |
151回 | 80,360名 | 44,302名 | 55.1% |
試験概要
レベル・能力 | 基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル |
---|---|
受験資格 | なし |
合格基準 | 100点満点で70点以上 |
試験時間 | 90分 |
試験方式 | ・ネット試験 ・会場試験 |
試験会場 | 受験希望地の商工会議所 |
試験日 | ・161回:2022年6月12日 ・162回:2022年11月20日 ・163回:2023年2月26日 |
受験料 | 2,850円(税込) |
簿記2級とは
簿記2級では、商業簿記に加えて、工業簿記も出題されます。
財務諸表の数字を読み取ることができ、会計の実務で適切な処理ができるレベルです。
工業簿記では、部門別・製品別の資源投入の記録・計算する技能が問われます。
簿記2級は、キャリカレのコラムで詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてみましょう。
受験者数・合格者数
回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
161回 | 16,856名 | 3,524名 | 26.9% |
160回 | 17,448名 | 3,057名 | 17.5% |
159回 | 22,626名 | 6,932名 | 30.6% |
158回 | 22,711名 | 5,440名 | 24.0% |
157回 | 35,898名 | 3,091名 | 8.6% |
156回 | 39,830名 | 7,255名 | 18.2% |
154回 | 46,939名 | 13,409名 | 28.6% |
153回 | 48,744名 | 13,195名 | 27.1% |
152回 | 41,995名 | 10,666名 | 25.4% |
151回 | 49,776名 | 6,297名 | 12.7% |
試験概要
レベル・能力 | 高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル |
---|---|
受験資格 | なし |
合格基準 | 100点満点で70点以上 |
試験時間 | 90分 |
試験方式 | ・ネット試験 ・会場試験 |
試験会場 | 受験希望地の商工会議所 |
試験日 | ・161回:2022年6月12日 ・162回:2022年11月20日 ・163回:2023年2月26日 |
受験料 | 4,720円 |
簿記3級・2級を目指すならどこがおすすめ?
簿記検定の3級・2級を目指す方は、簿記3級・2級合格指導講座がおすすめです。
簿記3級・2級のダブル合格を90日で目指せるカリキュラムを構成し、日商簿記の取得をサポートします。
資格取得はもちろん、取得後の就職・転職や開業の支援を行っているのも特徴です。
講座で使用する教材も充実しています。
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また、合格した場合は2講座目が無料になり、スキルアップを目指せます。
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まとめ
簿記初級は、簿記検定のなかでも簿記の基礎や仕組みを理解できるレベルの資格です。
3級につながる内容も多く、上位級の取得を目指すうえでは登竜門になります。
合格するためには、スケジュールを作成し、テキストや問題集に繰り返し取り組むことが大切です。
独学でも合格することは可能ですが、より確実に合格を目指すなら通信講座を利用するとよいでしょう。
キャリカレの講座では3級と2級合格に向けた学習ができるので、ステップアップのためにもぜひ利用してみてください。
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この記事の監修者
資格のキャリカレ編集部
150以上の通信教育資格講座を展開し、資格取得・実用スキルの習得はもちろん、キャリアサポートまで行う資格のキャリカレ編集部が運営するコラムです。簿記は一度取得すれば、ビジネスにも家計にも役立つ資格です。簿記検定の詳細や試験対策をはじめ、仕分け・試算表の作成方法など、簿記の魅力や最新情報をお伝えしています。