簿記2級の合格に必要な勉強時間は?効率的な勉強方法も解説

簿記2級の合格に必要な勉強時間は?効率的な勉強方法も解説

こんにちは、資格のキャリカレ編集部です。

簿記2級はキャリアアップにも役立つ資格です。取得したいと思っても、勉強と仕事や家庭の両立は難しいと悩む人も多いかもしれません。

簿記2級は3級よりも合格率が低く、簿記経験者でも200〜250時間ほど必要です。しかし、しっかり勉強スケジュールを組んで、自分に合った勉強方法を選べば、忙しい人でも十分合格を目指せます。

この記事では、簿記2級の合格に必要な勉強時間と効率的な勉強方法を紹介します。簿記2級の出題範囲や、合格率についても解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次

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簿記2級とは

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簿記とは企業の営業取引など、お金の動きを記帳することです。経営管理の実務に活かせる知識があることの証明や、就職・転職関連で優位性をアピールできるため、経理以外の仕事にも活かせます。

簿記検定には、日商簿記・全商簿記・全経簿記の3種類ありますが、一般的に「簿記2級」とは日商簿記検定2級を指します。日商簿記の種類は、1級・2級・3級・簿記初級・原価計算の5種類です。

商業簿記と工業簿記から知識を問われる

簿記2級の試験問題は、「商業簿記」と「工業簿記」の2種類です。商業簿記とは一般的な会計処理方法で、企業や店舗で幅広く利用されています。一方の工業簿記とは、主に製造業を営む企業が、製造コストの計算に利用する会計処理方法です。

商業簿記と工業簿記には、業種以外にも勘定科目に違いがあります。商業簿記の勘定科目が売上・売掛金・給与などに対して、工業簿記は製品・材料・仕掛け品・労務費などです。

簿記は商業簿記のことを指しますが、簿記2級の検定では、工業簿記がしっかりマスターできているかも重要視されます

簿記2級に求められるレベル

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簿記2級は経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格のひとつです。高度な商業簿記や原価計算を含む工業簿記を習得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえて適切な処理や分析ができるレベルを求められます。

簿記3級との違い

簿記3級は経理業務の入門資格であるのに対し、簿記2級ではより実務に沿った深く幅広い簿記の知識とスキルが身につきます。

簿記3級の試験範囲は商業簿記のみとなっており、簿記を初めて学ぶ人でも比較的簡単に合格を目指せます。

対して簿記2級は、商業簿記に加えて工業簿記からも出題され、問題の難易度も高くなっているのが異なる部分です。企業から簿記の能力があると判断してもらうには、簿記3級ではなく簿記2級を取る方が有効といえます。

関連記事簿記は独学で合格できる?日商簿記3級・2級の違いとおすすめの勉強法

全商簿記2級・全経簿記2級との違い

一般的な日商簿記2級と全商簿記2級・全経簿記2級には、難易度の違いがあります。全商簿記とは、全国商業高等学校協会が主催する「簿記実務検定試験」のことです。高校生が受験するのに適した難易度に設定されており、日商簿記と比べて難易度は低くなっています。

もうひとつの全経簿記は、公益社団法人全国経理教育協会が主催する簿記試験のことです。経理の専門学生を対象に設定されています。全経簿記1級と日商簿記2級の難易度を比較すると、商業簿記は同じ程度ですが、工業簿記は日商簿記2級の方が高めです。

このように、日商簿記とは設定されている受験対象者が異なるため、全商簿記と全経簿記の難易度は低めに設定されています。一般の社会人は日商簿記を選びましょう。

関連記事【簿記検定】日商・全商・全経の違いは?それぞれの難易度を詳しく解説!

簿記2級の合格率と難易度

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簿記2級は誰でも簡単に合格できるレベルの資格ではありません。簿記2級の合格率と難易度について見ていきましょう。

合格率は10〜25%

簿記2級の合格率は10〜25%です。過去5回の合格率の一覧を見てみましょう。

受験者数 合格者数 合格率
165(2023.11.19実施) 9,511名 1,133名 11.9%
164(2023.6,11実施) 8,454名 1,788名 21.1%
163(2023.2,26実施) 12,033名 2,983名 24.8%
162(2022.11.20実施) 15,570名 3,257名 20.9%
161(2022.6,12実施) 13,118名 3,524名 26.9%

合格率が例年50%前後の簿記3級と比べて、難易度の高さがわかります。

関連記事簿記2級の合格率推移は?3級との試験科目の違いも併せて解説

難易度はグッと高くなる

簿記2級が簿記3級より難易度が高くなっているのは、工業簿記が追加されたことにより、より専門性の高い問題が出題されているのが理由のひとつです。

また、3級は大問が3つだったのに対して、2級は大問が5つになっています。さらに、試験時間は120分から90分に短縮され、1問にかけられる時間が短くなっているのも要因として挙げられます。

簿記2級は、知識の豊富さと答えを導き出すスピーディさの両方が必要な、比較的難しい試験といえるでしょう。

簿記2級の試験概要

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簿記2級の出題範囲と試験方法の概要を紹介します。

商業簿記・工業簿記の出題範囲

簿記2級は第1問から第5問まで5科目出題されます。その中で商業簿記が60%、工業簿記が40%くらいの割合です。

  • 第1問 商業簿記/仕訳問題
    日々の取引を帳簿に記録する問題です。記録するものは勘定科目と金額のみになっています。勘定科目とは、会社間での取引内容を一目でわかりやすくする名称のことで、現金・借入金・備品などがあります。
  • 第2問 商業簿記/論点問題
    株主資本等変動計算書や連結精算表などの個別論点の問題です。計算問題や穴埋め問題などの形式で出題されます。
  • 第3問 商業簿記/財務諸表や精算表等決算、本支店会計
    損益計算書や貸借対照法がよく出題される問題です。決算整理事項等による変動がどちらの財務諸表に影響するかなどが問われます。
  • 第4問 工業簿記/本社工場会計など
    第1問仕訳問題の工業簿記パターンの問題です。仕訳問題に加えて、個別原価計算や総合原価計算などが出題されます。
  • 第5問 工業簿記/原価計算など
    主に、直接原価計算や標準原価計算の問題です。原価計算表を作成したり、金額を問題にしたがって計算したりする問題が出題されます。
    配点はそれぞれ20点ずつになっています。簿記2級の合格基準は70%以上です。

関連記事日商簿記2級の問題傾向は?試験のレベルや勉強方法を徹底解説

簿記2級の試験方法は2通り

簿記2級の試験方法は、統一試験とCBT方式の2種類です。2種類の試験は、受験方法と申し込み方法が異なります。

統一試験

統一試験とは筆記試験のことを指し、大学など指定の試験会場で受験する従来通りの試験方法です。毎年2月・6月・11月に行われます。

統一試験の申し込み方法は以下のとおりです。

  • インターネット
  • 郵送
  • 電話
  • 商工会議所の窓口

ただし、地域によって対応できない申し込み方法もあるため、受験の際は事前に確認しましょう。申し込み後5営業日以内に申込書・払込取扱票を発送されるため、期限内に支払えば申し込み完了です。

CBT方式(ネット試験)

CBT方式は2020年12月より開始された、パソコンを使用する形式の試験です。年間を通して全国各地のテストセンターで実施されており、会場に空席があれば何回でも受験可能です。

CBT方式の申し込み方法は、日商簿記専用サイトからのオンライン申し込みと、会場への問い合わせの2つです。ただし、会場によって対応できる申し込み方法が異なります。

CBT方式は統一試験よりも受験会場が多く日程も多いことから、忙しい社会人におすすめの試験方法です。

日商簿記専用サイトからの申し込みはこちら

関連記事簿記試験のCBT方式とは?実施方法を理解し合格への対策をとろう!

日商簿記2級の合格に必要な勉強時間

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日商簿記2級の合格に必要な勉強時間は、簿記経験者かどうかで異なります。必要な時間を把握して対策しましょう。

簿記経験者なら200〜250時間

簿記3級の保有者なら、商業簿記の知識がすでにあるため、勉強時間は200〜250時間が目安です。

簿記2級の勉強方法には、独学で勉強する方法と通信講座の受講や通学で講師から学ぶ勉強法があります。効率的な習得を目指すなら、通信講座・通学などで勉強を進めましょう。

簿記初学者なら300〜350時間

簿記の経験が無い初学者の場合は、300〜350時間程度の勉強時間が必要です。簿記2級は3級を持っていなくても受験可能ですが、試験内容は簿記3級の基本的なことが理解できていなければグッと難易度は高くなります。

そのため、簿記初心者であれば簿記の基礎知識から学習する必要があり、経験者よりも多くの期間を意識して確保する必要があります。

【社会人向け】簿記2級の勉強スケジュール

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250時間程度必要な簿記3級保有者が、1日2時間・約5か月勉強すると仮定した場合の、簿記2級の勉強スケジュールを見ていきましょう。効率的に学ぶための参考にしてください。

1〜2か月:商業簿記を中心に勉強

最初の1〜2か月は、比較的難易度の低めな商業簿記を中心に始めるのがおすすめです。ただし、簿記2級の勉強をすぐに開始するのではなく、まずは日商簿記3級の復習時間を設けましょう。簿記3級の内容を覚えているかを確認し、苦手分野を解消したり理解を深めたりしてから簿記2級の学習を進めることで、学習効率が上がります。

簿記3級の内容であればテキスト1冊で十分カバーできます。3級取得者であれば、以前使用していた問題集に再度目を通しましょう。

3〜4か月:工業簿記を中心に勉強

3〜4か月の期間では、工業簿記を中心に勉強しましょう。工業簿記は暗記だけでなく、資料を読み取る力や専門用語の習得を求められるため、応用問題が苦手な人にとっては難しい分野です。

しかし、基本的な問題が多く出題されるため、しっかり対策すれば得点に繋がります。工業簿記は何度も繰り返して解き、全体像をイメージするのが大切です。

5か月:全体の振り返り・過去問で復習

商標簿記と工業簿記をそれぞれ勉強できた5か月目では、試験前に全体を振り返る意味でも、過去問にチャレンジしましょう。最低でも過去5年分を3周解きます。

このときに確認するのは、自分の苦手分野があるかどうかです。3周しても解けない場合は、再度その分野を重点的に見直し、苦手分野を克服していきます。再度教材を見直して、どこを覚え間違えているのか、抜け落ちているところが何かをしっかり確認して、確実な合格を目指しましょう。

簿記2級を勉強する際のポイント

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ここからは、忙しい社会人が簿記2級に合格するためのポイントについて紹介します。

スキマ時間を活用する

忙しくてもしっかり勉強時間を確保するには、スキマ時間の活用は欠かせません。スキマ時間を活用するための準備としておすすめなのが、スマホアプリのダウンロードとオリジナルのまとめノートの作成です。これらがあれば、通勤時間や待ち合わせの合間に少しずつ勉強できます。

また、スキマ時間でのインプット・アウトプット学習を繰り返すことで、短時間で集中する力も身につきます。コツコツ小さい積み重ねにはなりますが、継続することで合格の可能性が高まるでしょう。

テキスト・過去問を繰り返し解く

実際に過去問に触れて、問題傾向や時間配分の仕方などに慣れておきましょう。テキストや過去問を繰り返し解くプロセスはとても重要です。繰り返し解いていくことで、テキストを確認する回数も減って自信を深められます。

関連記事簿記2級の参考書はどうやって選ぶ?合格への近道を進むための選び方

苦手分野を克服する

過去問や予想問題を解く過程で苦手分野を把握したら、その分野は徹底的に復習しましょう。勉強時間をしっかり確保できる場合は、苦手分野のすべてをまんべんなく復習するべきです。しかし、時間に余裕がない場合は優先順位をつけ、優先度の高い分野から取り組みましょう。

商業簿記と工業簿記のそれぞれに苦手分野がある場合は、得点に繋がりやすい工業簿記を優先して勉強するのがおすすめです。

自分に合った勉強方法を知る

個人によって効率的な勉強の進め方は異なります。自分の体質や性格を見極めて、自分に合った勉強方法で取り組みましょう。

一例として、寝不足だと勉強のパフォーマンスが落ちるため無理せずしっかり睡眠時間を確保する、静かな自宅よりも適度な雑音があるカフェが集中できるならお気に入りのカフェを探すなど、自分ならではの勉強方法を見つけてみてください。

また、独学で勉強すると挫折しやすい人なら、スクールや通信講座を活用して二人三脚で計画的に合格を目指すのもひとつの方法です。

簿記2級合格を目指すなら「キャリカレ」の通信講座を活用しよう

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難易度の高い簿記2級の合格を目指す勉強方法には、独学・スクール・通信講座などがあります。自分のペースでサポートを受けながら勉強したいなら通信講座がおすすめです。通信講座は好きな場所で学習できるメリットがあり、資格に役立つ情報も得られます。

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まとめ

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簿記2級の合格に必要な勉強時間は経験者なら200〜250時間程度、諸学者なら300〜350時間ほどです。簿記2級の難易度は高いため、忙しい方はスキマ時間を活用したり勉強のパフォーマンスを上げるために生活スタイルを工夫したりなど、効率的な勉強スケジュールを立てましょう。

効率的に簿記2級を取得したいなら、キャリカレがおすすめです。キャリカレの簿記3級・2級合格指導講座を受けることで、最短90日で簿記2級合格を目指せるほか、講師による手厚い添削指導や無料の問い合わせサービスなど、合格へ導くサポートが充実しています。まずは無料で資料請求してみましょう。

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この記事の監修者

資格のキャリカレ編集部

150以上の通信教育資格講座を展開し、資格取得・実用スキルの習得はもちろん、キャリアサポートまで行う資格のキャリカレ編集部が運営するコラムです。簿記は一度取得すれば、ビジネスにも家計にも役立つ資格です。簿記検定の詳細や試験対策をはじめ、仕分け・試算表の作成方法など、簿記の魅力や最新情報をお伝えしています。

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